2011年4月のサッカー

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  1. 04/06 △ 水原三星1-1鹿島 (AFCチャンピオンズリーグ)
  2. 04/12 ○ シドニー0-3鹿島 (AFCチャンピオンズリーグ)
  3. 04/19 △ 鹿島1-1水原三星 (AFCチャンピオンズリーグ)
  4. 04/23 ● 鹿島0-3横浜M (J1・第7節)
  5. 04/29 ○ 福岡1-2鹿島 (J1・第8節)

水原三星ブルーウイングス1-1鹿島アントラーズ

AFCチャンピオンズリーグ/2011年4月6日(水)/水原ワールドカップスタジアム/スカパー!e2

 震災後初。気がつけばJ開幕戦からちょうど一ヵ月ぶりのアントラーズ戦、AFCチャンピオンズリーグのグループリーグ第2戦。
 この試合、アントラーズのユニフォームはアウェイにもかかわらず、なぜか赤だった。相手が青だったから、アウェイ用のユニフォームにする必要がなかったんだろうか。ACLではあまりアウェイ用とか、関係ないんだろうか。その辺はよくわからない。
 なんにしろ今年の鹿島はクラブ創立20周年の節目ということで、Jスタート当時のものをベースにした、上下ともに赤の新ユニフォーム。僕個人は赤と濃紺との組み合わせのほうが好きだったりするんだけど、まあそれはそれ。なんにしろ開幕早々、このニュー・ユニフォームが一ヵ月も観られない生活がつづくことになるとは思ってもみなかった。
 この日のスタメンは曽ヶ端、新井場、岩政、中田、アレックス、青木、小笠原、フェリペ・ガブリエル、野沢、興梠、大迫の11人。一ヵ月前の大宮戦のメンツから、伊野波が抜けて中田が入った形。伊野波はベンチ入りもしていないので、怪我でもしているのかもしれない。
 ベンチ入りのメンバーを見てちょっとびっくりしたのは、サブにDFがひとりしかいなかったこと。それも昌子{しょうじ}という十九歳の選手だけ。そのほかでディフェンスができそうなのは増田だけ。今年は本田拓也がベンチ入りできないくらい中盤の選手層が厚いのが強みだけれど、その一方でDFはかなり心許ない。万がいち、岩政、伊野波、中田のうちひとりでも離脱するようだとまずい気がする。みなさんの無事を祈るばかり。
 なんにしろ、この試合の序盤はさすがに一ヵ月のブランクがあるなぁって感じだった。なんだかチーム全体がぎくしゃくした印象。イージーなミスパスも多く、相手の圧力に押しこまれて、冷や冷やのシーンがつづいた。こりゃブランクのダメージがでかいかと思った。
 でも前半もなかばになると、ようやく実戦感覚が戻ってきたのか、かなりリズムがよくなってくる。とくに意外だったのは(って失礼)、フェリペがいつになくいいプレーを見せてくれていたこと。彼がきちんと攻撃に絡んでくるようになると、さすがに鹿島は強い。Kリーグの強豪クラブ相手に、アウェイにもかかわらず、押せ押せの展開になった。
 でも点が取れない。うわー、惜しいというシーンはいくつも作るのに、あと一歩、ゴールに手(足?)が届かない。
 そうこうするうちに、スコアレスのまま突入した後半途中に、相手に先制ゴールを許してしまう。相手の右サイド(こちらから見ると左)からのロング・スローをヘディングでつながれ、ゴール前へ詰めていた選手にヘディングで押し込まれてしまった。曽ヶ端が止めに出たものの、相手のほうが一歩早くて止めきれず。ソガがあと一歩早いか、もしくは前へ出ずに待っていれば防げたんじゃないかという感じの、ややもったいないゴールだった。
 まあ、でもそのわずか4分後には同点ゴールが生まれたのだから、結果オーライ。こちらのゴールも相手と似たような形だった。野沢の左CKから岩政がヘディングでつないで流し込んだボールが、ファーサイドで待ちかまえていた中田浩二の足もとにピタリ。中田はこれをジャストミートして、相手のゴールネットを揺らした。セットプレーからとはいえ、どんぴしゃの痛快なゴールだった。いやはや、気持ちよかった。
 結局、試合はこのゴールで打ち止めとなり、またもや今季初白星とはいかなかったけれど(勝てねぇなぁ)、でもまあ、序盤の調子の悪さからすれば、その後、内容が大幅に改善されたのは、今後に向けて明るい材料だと思う。来週のシドニー戦はしっかりと勝ってくれるものと信じよう。
 あ、そういやこの試合を生で観るため、結局テレ朝チャンネルとも契約してしまった。あぁ、金がいくらあっても足りないわが暮らし。
(Apr 08, 2011)

シドニーFC0-3鹿島アントラーズ

AFCチャンピオンズリーグ/2011年4月12日(水)/シドニーフットボールスタジアム/スカパー!e2

 アントラーズがようやく今季初勝利を収めた、アウェイでのシドニーFC戦。
 この日はカルロンが初スタメン。で大迫がベンチ。そのほかは先週の水原戦といっしょ。
 でもカルロンがついに実力を発揮して大迫からレギュラーを奪った、というような感じではなかった。まあ、相手がオーストラリアのクラブなので、高さで分のあるカルロンを使ってみようか、というくらいの印象。
 そのカルロン、背が高いわりには、高さで競り勝つような場面も多くないし、マルキーニョス──震災のせいで仙台を退団してしまったらしい。残念──のように積極的にシュートを打ってくるでもない。前に見たときには、おっ、意外とボールさばきが上手いかと思ったこともあったけれど、この試合ではそういう目を{みは}るような場面はまったくなし。言っちゃ悪いけれど、なんかとても平凡だった。今日くらいのプレーしかできないならば、大迫を使ってくれた方がよほど嬉しい。
 試合はそんなカルロンのせいってわけではないけれど、序盤から膠着状態。アウェイなので思うようなプレーができず、これはもしや3連続ドローなんて結果もあり得るかと心配になるような入り方だった。
 でもそんな不安をふっ切ってくれたのが、前半残り5分を切ってからの野沢のゴール。
 この場面は興梠のプレーが光った。野沢からのパスをペナルティ・エリア内で受けると、見事な切り返しで相手DFを振り切って、(シュートかと思ったら)ゴール真正面にいたフェリペにマイナスのラストパス。これを受けたフェリペのシュートは相手GKに止められるも(彼はもうちょっと力強いシュートが打てないもんか)、ゴール前に詰めてきていた野沢が、その跳ね返りをゴールに押し込んだ。いやぁ、いい連係だった。
 この1点でもう安心。まあ、相手のいかにもオーストラリアらしい、高さを生かしたハイボール攻撃に冷や冷やさせられる場面もあったけれど、それでもこちらも負けずにチャンスを作り、結果的にはその後2点を追加しての快勝となった。
 2点目は右サイドから野沢が蹴り込んだ速くて正確なクロスを、ファーサイドで待ちかまえていたフェリペがどんぴしゃのヘディングでたたき込んだもの。終了まぎわの3点目は、これまた野沢のスルーパスに反応してDFラインの裏をとった興梠が落ちついて決めたもの。
 つまり3得点すべてが野沢がらみなのだった。得点の場面以外でも、うわーと思うような強くて正確なパスをバシッと通す場面がいくつかあったし、もともと上手い選手ではあるけれど、今年の野沢はもしかしたらすごいかもしれない。
 あと、終了まぎわに興梠にゴールが生まれたのもよかった。2-0で勝っているけれど、今季はここまでまだFWが無得点なんだよなぁ……と思っていた矢先だったから、このダメ押し点はとても嬉しかった。3点とも流れの中からだし、とても満足。
 いやぁ、それにしてもようやく今季初勝利だ。あぁ、勝つって気持ちいい。
(Apr 14, 2011)

鹿島アントラーズ1-1水原三星ブルーウィングス

AFCチャンピオンズリーグ/2011年4月19日(水)/国立競技場/スカパー!e2(録画)

 また前回のアウェイでの試合と同じような展開になってしまったACLのグループリーグ第4戦、水原三星戦。震災の被害でカシマスタジアムが改修中のため、会場は国立競技場。
 この日は大迫とカルロンが前日の練習で両方とも怪我をしたとかで、興梠と田代のツートップ。こういう状況になると、田代が帰ってきてくれたのが非常にありがたい。しかも貴重な同点ゴールまで決めてくれたんだからなおさらだ。
 それにしてもこの試合、大迫、カルロンが抜けてしまったために、ベンチ入りしたFWがゼロ。今年はFW陣の競争が激しいと思っていたけれど、こうしてみるとFWもDFについで心許ない気が……。もうひとりくらい頼れるFWがいてくれても方がいい気がしてしまう(贅沢な)。まあ、今年のオリヴェイラ采配では、後半途中でツートップの片方を下げて、本山投入というパターンが多いので、本山を準FWと考えれば、これでちょうどいいのかもしれないけど。
 ん~、しかし勝ちきれない。この試合も終始ボールは支配していたものの、数多のチャンスを生かしきれず。そうこうするうちに後半になって相手に「なにそれ?」と思ってしまうほど、あっさりと直接FWを決められて先制を許し、でもそのすぐあとにこちらもセットプレーから田代のゴールで同点に追いついて、結局あと一点を奪えずにドローに終わってしまった。なんか本当に、アウェイでの試合のリプレイみたいな印象の試合だった。終始押していただけに、ドローは残念。それにしても、やはり韓国のクラブは手強い。
 同点ゴールは野沢のFKをファーサイドで遠藤が折り返し、それが相手にあたってゴール真正面にいた田代の足もとに収まったもの。グラウンダーのボールを落ちついて決めた田代も偉かったけれど、やはり素晴らしかったのは、その前のプレー。野沢のFKをグラウンダーのダイレクト・ボレーで折り返した遠藤が偉かった。でもまあ、遠藤(フェリペと交替で後半の頭から出場)が目立ったのはあの場面だけって気もするけれど。
 それにしても、アントラーズがわが街(国立競技場は新宿区にある)で試合をしているのに、仕事と金欠が重なって観にいけないなんて、俺ってなんて駄目なやつなんだ。
(Apr 19, 2011)

鹿島アントラーズ0-3横浜F・マリノス

J1・第7節/2011年4月23日(土)/国立競技場/スカパー!e2

 東北大震災による1ヶ月半の中断期間をへて、ようやくJリーグが再開。でもせっかくの祝祭気分に水をさすように、この日の東京は間欠的に横なぐりの雨が吹きつける、あいにくの悪天候。そんな荒れ模様の天気が影響したってこともないんだけれど、代替ホームの国立競技場に横浜F・マリノスを迎えたアントラーズは、なんと0-3というさんざんなスコアで今季初黒星を喫することになってしまった。あぁ、なんてこった。
 この日のスタメンは、曽ヶ端、新井場、岩政、中田、アレックス、青木、小笠原、野沢、遠藤、興梠、カルロンの11人。
 前の試合の前半のみで交替したフェリペと、後半途中に担架で退場した田代がともに欠場。入れ替わりでカルロンと大迫が戻ってきたけれど、どちらも故障明けということで万全じゃないのか、大迫はともかく、カルロンはいいところなし。背が高いくせに空中戦はからきし駄目だし、動きは緩慢だしで、見られたもんじゃなかった。
 まあ、いつものオリヴェイラ監督ならば、それでも我慢して調子が上がってくるのを待ちそうなものだけれど、この日の試合は開始わずか3分で相手に先制を許す苦しい展開。さすがにそんなカルロンの出来の悪さに焦れたのか、珍しく後半開始とともに、カルロン、遠藤のふたりを同時に下げて、大迫、本山を投入してきた。
 おや、オリヴェイラさんにしては珍しく動くのが早いなと思ったら、そうじゃなかった。オリヴェイラ氏、開幕の大宮戦の終了まぎわに第四審判に暴言を吐いたとかで、なんとこの日の試合はベンチ入り禁止(あの人は温厚そうな見た目によらずに短気で困りもの)。ベンチで指揮をとっているのは奥野コーチだった。
 でも、この奥野采配が外れた気がする。いつもだと相手が疲れた後半途中から出てきて流れを替えてみせる本山も、連戦の疲れがあるのか、はたまた悪天候のためか、この日は目立てずじまい。せっかくのジョーカーをうまく生かせなかった感が強かった。それにカルロンはともかく、遠藤は決して悪くなかったので、替えるにしろ、後半の頭からはやや性急すぎた気がした。怪我人が多くて、攻撃的なカードが限られていただけに(最後のひとりは小谷野)、もうちょっと我慢すべきだったんじゃないかと思った。ま、結果論だけれど。
 とはいっても、試合内容自体はそれほど悪くなかったと思う。ボールを支配しているのは、だいたいにおいてこちらだったし。ただ、去年からの悪いときのパターンで、なかなかフィニッシュが決まらない。そうこうするうちに時間はすぎて、残りあと15分。こりゃもう同点に追いつくのがやっとかなぁ……と思い始めたころに、逆に相手に2点目を許してしまう。セットプレーからのこぼれ球を栗原に叩き込まれた(なんでよりによって栗原?)。
 なんにしろ、これで勝負あり。最後はロスタイムのラストのワンプレーで相手に攻め込まれ、チェックにいった野沢が蹴ったボールがきれいなオウン・ゴールとなってゲームセット。あぁ……。
 いやホント、試合はこちらのペースだったと思う。だって思い返してみても、相手のチャンスって、得点シーンくらいしかなかった気がするし(マリノスのシュートはわずか4本とのこと)。1点目──マリノスのMF小椋のシュートが、中田浩二の足にあたって、曽ヶ端の逆球となり、きれいにゴールネットを揺らした──なんてラッキーゴールだったし。
 ただあちらは、ここぞというシーンがすべてきちんと得点につながった。それに対して、こちらは決められなかった。そこが勝敗の分かれ目だった。まあ、サッカーってこういうもんだ。リーグ戦はまだまだ始まったばかり。この負けを引きずらずに、前を向かないといけない。
 それにしても、今年のマリノスは、松田を戦力外にした仕打ちをよく思っていないこともあって、心情的にやや舐めてかかっていたところがあったのだけれど、いやどうしてどうして。谷口が新加入していたり、波戸が戻ってきていたり、飯倉という川口似の新しいGKがいたり。でもって注目を浴びる18歳ルーキーの小野祐二や、そして忘れちゃいけない中村俊輔がいるという。あとCBの中澤、栗原の元代表コンビが最終ラインを締めているという。なんか、けっこうあなどれない。
 とりあえず、今節はこてんぱんにやられたので、次はアウェイでしっかりとお返しを。さもないと優勝は見えてこない。
(Apr 24, 2011)

アビスパ福岡1-2鹿島アントラーズ

J1・第8節/2011年4月29日(金)/レベル5スタジアム/スカパー!e2

 前節での惨敗で、ここまでのアントラーズの成績は0勝1敗1分、順位はなんと16位だった。まだリーグ戦は始まったばかりだとはいえ、降格圏内だ~。洒落にならない。
 この状況で迎えるのが、今季降格候補ナンバー・ワンとの呼び声の高いアビスパ福岡。アウェイとはいえ、この試合は負けられない。というか、引き分けさえ許されない。昇格組にさえ勝てないようじゃ、優勝どころか、マジで降格レースに名乗り出てしまうことになりかけない。
 とはいえ、ACLによる過密日程への配慮に加え、さすがに相手が格下だという意識が、オリヴェイラさんにもあったんだろう。いつもはあまりスタメンをいじらない氏が、今回はいっぺんに3人を替えてきた。この試合、中田浩二、新井場、カルロンはベンチにさえ入らず、かわりに伊野波、西、大迫がスタメン。
 お~、そうだ、今年は新潟から移籍してきた西大伍という選手がいたんだった。怪我で開幕に間にあわなかったため、すっかり彼の存在を忘れていた(駄目なやつ)。
 でもその西くん、前半はほとんどいいところを見せられず。チーム自体もなんだかちぐはぐで、スタメンが流動的なせいか、はたまた早くも過密日程の疲れが出たのか、いまいちボールがうまくつながらない。苦しまぎれに、トップの興梠にロングボールを放り込んでは跳ね返される、みたいなパターンが多すぎた。
 それに対して、相手のアビスパが意外といい。あまりチャンスは作れないものの、局面で蜂の一刺しという感じの鋭い攻撃を仕掛けてくる(まさしくアビスパのマスコットは蜂)。攻めの形がシンプルで、バイタル・エリアでのワンタッチ・プレーが多いところに好感が持てた。
 そしたら前半40分。右サイドから上げられたクロスにファーサイドであわされて、まさかの先制点を献上することに……。GKの曽ヶ端がジャンプして止めにいったものの、少しだけ手が届かず。彼の指先をすり抜けたボールの先には、ジャストのタイミングで相手選手が飛び込んできていた。見事なダイビング・ヘッド。あぁ、やられた~。
 そうそう、この試合では、スタメンのアレックスが開始わずか10分強で足首を痛めて途中交代してしまうアクシデントがあったんだった。この日は新井場もベンチ入りしていなかったから、そこから先、左サイドバックのポジションに入ったのは増田。で、失点の場面で相手のクロスを止めきれなかったのも、まさにその増田。
 まあ、もともと守備的な選手ではないから、あの場面でのプレーを責めるのは気の毒な気もする。でもリプレイで見ると、チェックがかなり緩かった。いまのチーム事情からすれば、攻撃的MFというよりも、ボランチやサイドでのプレーを要求されることが多い彼だけに、あそこはもっと激しくチェックにいって欲しかった。
 なんにしろ、アビスパに非常にきれいな得点を許して、前半は0-1で折り返すことになった。この時点で、いやー、こりゃまずい。もしかして最下位も射程圏内か……と思った僕がバカだった。後半、相手の運動量が落ちたところを見逃さず、アントラーズはきっちり2点を奪って、今季リーグ戦初白星を飾ってみせる。
 貴重な同点ゴールは59分。右サイドの西を起点にして、野沢がペナルティ・エリアへとドリブルでボールを持ち込み、遠藤、興梠も絡んで、最後は大迫が決めたもの。きれいなゴールではなかったけれど、新加入の西の攻撃参加から始まって、前線の選手が総がかりで奪い取ったところに価値があった。大迫のゴールはこれが今季初。
 で、その後、それほど時間をあけずに、野沢の左CKから岩政のヘッドという得意の形で逆転(僕がちょっと目を離している隙に決まってしまった)。これで勝負あり──ではあったけれど、この試合で盛りあがったのはここから先だった。
 勝ち越して、あとは逃げきればいいという状況になったことから、オリヴェイラさんは遠藤、大迫を順番に下げて、かわりに本田拓也、柴崎を投入。
 お~、きた~、超高校級ルーキー、柴崎のJデビュー!
 そう、この試合、新井場や中田浩二、そして本山までもがベンチをはずれたかわりに、柴崎がベンチ入りしていたんだった(あとアルシンドの息子イゴールもいた。ただしこちらは出番なし)。僕は高校時代の柴崎を一度も観たことがないので、どんな選手なのか、そのプレーが観られる日をとても楽しみにしていたのだけれど、いや、さすがに評判が高いだけあって、すごいよさそう。プレー時間は10分ほどだったし、ボールタッチもそれほど多くなかったけれど、それでもボールを持ったときの落ちつき払ったプレーぶりや、そのキープ力の高さに大器の片鱗をかいま見た気がした。いやはや、これからが楽しみだ(ま、ファースト・タッチでいきなりイエローカードをもらったりしていたけれど、そこんところはご愛嬌)。
 この柴崎くんに加え、わざわざ清水のレギュラーの座を捨てて移籍してきたというのに、ここまで出番に恵まれていないのが気にかかっていた本田拓也もひさしぶりに見られたし、西大伍の鹿島デビュー戦でもあったしで、この試合、アントラーズ・サポーター(というか、少なくても僕)にとっては見どころが多い、なおかつ記念すべき試合だった。いやはや、逆転勝利を飾れてよかった。
(Apr 29, 2011)