鹿島アントラーズ5-1FC東京
J1・第28節/2012年10月6日(土)/カシマサッカースタジアム/スカパー!
三鷹の義妹夫妻のマンションにお邪魔して、FC東京サポーターの旦那とともに観戦したFC東京戦。結果はこちらにとって今季最高、あちらにとっては(おそらく)今季最悪って内容の、いささか申し訳ない試合になってしまった。
この試合のアントラーズは前の試合と同じく、大迫をワントップに据えた4-2-3-1を採用。ただしボランチを本田拓也から柴崎に戻して、攻撃的なポジションには遠藤を起用してきた。
おそらくこれが功を奏したのだと思う。より攻撃的になったこの布陣がバシッとはまった感じ。ポストプレーで随所に輝きを見せる大迫を頂点に、両サイドから遠藤、ドゥトラがドリブルで仕掛け、司令塔としてレナトがバランスを取る。もちろん、オガサ、柴崎もチャンスがあれば攻撃参加を仕掛ける。
前半18分の先制点はそんな風に柴崎が右から攻め上がって、グラウンダーのクロスを入れたのがきっかけとなった。これは権田が反応よく飛び出して弾くも、そのこぼれ球がドゥトラに渡り、ドゥトラがこれを上手にゴールへと蹴り込んでみせた。ナイス!
この先制点で、がぜん楽になった。なにせ、FC東京とは、ことカシマスタジアムでの試合に関しては、これまでに11試合を戦って1敗しかしていないんだそうだ。そんな相性のいい相手に、前半の早いうちに先制できたのだから、これはもう余裕を持って戦える。さらに前半のうちに、またもや右サイドの崩しから柴崎のゴールが生まれて、2-0で前半を折り返すという楽勝な展開に。
実況の人も驚いていたけれど、柴崎はこれがJ1初ゴールなんだそうだ。え~、マジ? けっこうゴール・シーンを見てきた気がするんだけれど、今までのはすべてカップ戦やACLだけ? いやぁ、そりゃマジびっくりだわ。
J1初ゴールといえば、後半にはFC東京の高橋秀人にも、J1初ゴールが生まれた(技ありのヒール・キック)。奇しくも将来の日本代表を背負って立つだろう期待の若手ふたりに、同時にJリーグ初ゴールが生まれたわけだ。ある意味とても貴重な試合かもしれない。とはいえ、後半も3失点を喫して惨敗を喫したFCの高橋にとっては、あまりいい記念にはならなかっただろうけど。
後半のこちらの得点は、遠藤が1ゴールに、ドゥトラが2ゴール。つまりドゥトラはハットトリックを達成しているわけだ。なんでも彼もハットトリックはこれが初めてだったらしい(まだ24歳だったのか……)。つまり人生で初が3つも重なったという、ほんと貴重な試合。
あ、もうひとつ加えれば、大迫はこれがJ1通算100試合目だったそうだ(もうそんなになるのか)。そして、この試合のMVPは、ドゥトラではなく大迫だったらしい。ハットトリックを決めた選手がいるのに、その人を差し置いてMVPに選ばれたってんだから、どれだけこの日の大迫が存在感のあるプレーをしていたか、わかろうってものだ。
まぁ、GKと1対1のチャンスにシュートをふかしたり、パスを出せば1点だろうってカウンターの絶好機に、強引にシュートにいって止められたり、おいおい、まだまだ青いなというプレーもあったけれど、それでもこの試合の大迫がMVPにふさわしい活躍を見せたのは間違いなし。この調子が維持できれば、近い将来、日本代表に呼ばれるの夢ではないかも……と思わせる出来映えだった。
FC東京はスタメンの羽生がまったく存在感を示せないまま、足を痛めたとかで早い時間に交替になったりして、やや不運な部分もあった。とはいえ、こちらのシュートの場面では、ことごとく寄せが甘かったし、本来ボランチの高橋をCBとして使っていたり、こういう展開にもかかわらず、森重がまったく目立っていなかったりして、守備面ではあまりに安定感が感じられなかった。石川直の右サイドからの仕掛けにはとても迫力があったけれど、好印象だったのはそれくらい。なんか、どっちが上位チームだかわからない。
なんにしろ、アントラーズにとっては、今年僕が観た試合のうちでも最高の内容だったと思う。この日みたいな試合ができるんだから、もう残留を心配する必要もないだろう。……って、なんて単純な男なんだか。
(Oct 08, 2012)