2014年7月のサッカー

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  1. 07/19 △ F東京1-1鹿島 (J1・第15節)
  2. 07/23 △ 鹿島2-2大宮 (J1・第16節)

FC東京1-1鹿島アントラーズ

J1・第15節/2014年7月19日(土)/味の素スタジアム

 W杯が終わって一週間もたたないのに、J1再開の最初の試合が味スタでのFC東京戦という。僕にとってはすっかり毎年恒例になった年に一度の味スタ参りがこのタイミング。生観戦のインパクトでW杯の余韻はあっという間に過去の記憶に……。
 それにしても、毎回W杯明けにJリーグを観るたびに思っているけれど、やっぱレベルは低かろうと、慣れ親しんだ自分たちの好きなクラブのサッカーが観られるってのは、それだけで幸せだなと。まわりはほとんどがFC東京サポーターだったから、盛りあがりどころが真逆なのはちょっとなんだけれど、それでも目の前で繰り広げられているサッカーを、大勢の人たちと一緒に一喜一憂しながら観ていると、あぁ、こういうのっていいなぁと思う。そこには絶対にテレビで観るW杯以上の喜びがある。この楽しさを知らずしてサッカーを語ることなかれとか言いたくなる。われらのJリーグに幸あれ。
 さて、去年の国立につづき、2年連続であいにくの雨模様となったこの日の試合(とはいえ、僕自身は屋根のあるスタンドで観られたし、移動中は一度も降られずにすんでラッキーだった。選手も涼しくて動きやすかったろうと思う)。
 アントラーズのスタメンは、GK曽ヶ端、DF西、昌子、植田、山本、MF柴崎、小笠原、遠藤、土居、カイオ、FWダヴィという布陣。途中出場は野沢、豊田、ルイス・アルベルト。
 対するFC東京はGK権田、DF徳永、森重、吉本一謙、太田宏介、MF高橋秀人、米本、三田啓貴、FW河野、エドゥー、武藤嘉紀で、フォーメーションは4-3-3。
 渡邉千真や東慶悟をベンチに控えさせて、三田や武藤といった若い選手がスタメンに名を連ねているのが目を引いた。とくに東がベンチってのが意外だったので、三田って子はそんなにいいのかいと、チケットを手配してくれたFC東京サポーターの某氏に尋ねたりしていたんだったが、はたしてこの日の先制ゴールはその三田くんでした。僕らの席からだとゴールへとシュートの軌跡がばっちり見える角度のミドルシュートに、まわりのFC東京サポーターは歓喜爆発。なるほど、背番号8は伊達じゃない。
 どちらもあまりチャンスらしいチャンスを作れずに終わった感じの前半のあと(いや、エドゥーが絶好機をはずしたシーンがあった)、後半途中にその三田のゴールで先制を許して、アントラーズ側からすると、試合はどうも敗色濃厚な印象だった。
 終盤になってペースをつかんだものの、途中出場の豊川が決めたと思ったヘディングがハンドの判定で取り消されたりして(録画で見たら徳永のオウン・ゴールじゃん!)、どうにも流れが負け試合。この展開じゃきょうは負けかなぁ……と思って観ていたんでしたが、ところがどっこい、残り5分に豊川が今度はちゃんと決めてくれました。ゴール前の混戦から落ちてきたボールをダイレクト・ボレーで叩き込む同点ゴール! ナイス! 赤崎が怪我でリタイア中とのことなので、彼にとってはスタメンをアピールする絶好の機会になったことだろう。
 その後、アディショナル・タイムがなぜか5分もあり(そんなに中断していた記憶なし)、その間にCKの位置取りでやたらと時間がかかったりして、録画で確認したら、結局アディショナル・タイムだけで8分以上もあった。で、その間には、オガサに替わって途中出場していたルイス・アルベルトが謎の一発レッドカードで退場をくらってしまう、なんてシーンもあったりした。残り時間がほとんどなかったから助かったけれど、あれがもっと早い時間帯だったら、かなりやばかったと思う。
 豊川へのハンドの判定もそうだけれど、この日の笛を吹いた山本雄大というレフェリー(自衛官出身の31歳という変わり種らしい)はまだ若いせいか、いまいち判定が安定していなくて困ったもんだった。まぁ、どちらかというとFC東京に不利な笛が多かった気がしたけど。
 なにはともあれ、ルイス・アルベルトと交替でオガサがベンチに下がったあと、なにげに柴崎がキャプテンマークを巻いていたのには、ぐっときた。個人的にはこの日のいちばんの感動ポイントだったかもしれない。
 それにしても、FC東京はこういう試合で勝ち切れないってのはきつい。東にベンチを温めさせるほどの選手層の厚さがあってなぜに二桁順位かと思っていたけれど、こういう試合をしていたら順位が上がらないのもわかる気がした。
 新外国人のエドゥーは前半にどフリーのチャンスをふかしてしまったのを見たときには、これなら渡邉千真のほうがいいんじゃないかと思ったものだけれど、その後のプレーを見ていたら、それなりにスピードがあるし、なによりポスト・プレーが強くて、意外と好印象だった。FC東京の雲行きが怪しくなったのも、彼が引っ込んでからだったし。代わりに出てきた平山や、東、羽生ら、途中出場の選手があまり存在感がなかったのも気にかかった。
 まぁ、とりあえず東京都民としては、FC東京にはもうちょっとがんばって、首位争いに加わってきてもらいたいところです。
 あ、とはいえ、この試合の一週間前に行われた天皇杯の初戦では、J3の秋田を8-0で一蹴したFCに対して、アントラーズはJFL(いまや3ランクも下)のソニー仙台FCに2点を先制されたあげく、なんとか同点には追いついたものの逆転ゴールが奪えずに、PK戦で敗れるという失態を演じていたんだった。つまり今シーズンは7月にして、すでにナビスコ杯も天皇杯も終わってしまっているという……。
 FC東京のことをつべこべいってちゃいけない気がする。
(Jul 21, 2014)

鹿島アントラーズ2-2大宮アルディージャ

J1・第16節/2014年7月23日(水)/カシマサッカースタジアム/スカパー!

 前節からわずか中3日で、今度はテレビ放送あり。W杯のことなんてさっさと忘れなさいと言わんばかりのわがサッカーライフだった。この日の相手は大宮アルディージャ。スタメンは前節と一緒で、途中出場は本山、梅鉢、豊川の3人。
 前節のFC東京戦は負け試合を拾った感があったけれど、この日は逆に勝てる試合を落とした感が否めない。
 なんたって1-0で折り返した前半は、シュート数が鹿島9に対して大宮0と、相手にほとんどサッカーらしいサッカーをさせていなかった。ボール保持率は70%とかだったんじゃないだろうか(W杯はインターネットでその手の統計情報がリアルタイムで見られたのがよかった。J1でもどこかでやってくんないかな)。
 セットプレーからの遠藤からのラストバス(というかあれは多分シュート)をバシッとトラップして、くるっとターンして、ズドンと決めたダヴィの先制点も見事のひとことだったし、これで勝てなきゃどうかしているって内容だった。
 大宮はズラタンと中断期間に加入した新外国人ムルジャ(スロベニア人とセルビア人)、家長に韓国帰りの増田誓志と、攻撃力のありそうな選手が揃っているので、ちょっとやっかいかなと思っていたのだけれど、前半に関していえば、まったく怖いところがなかった。楽しみにしていた増田もこの日は残念ながらベンチスタートだったし。
 ところが後半になって、負けている大宮がいくぶん前がかりになり、早めの時間帯から(満を持して?)増田が投入されると、前半の一方的な内容とは確実に流れが変わり始める。そして、CKから曽ヶ端がパンチングでクリアしようとしたボールが味方にあたり、これがゴール前に詰めていた家長に渡って、あっけなく同点ゴールを許してしまう。ミス+アンラッキーって感じの同点弾だった。
 でもそのわずか1分後には、土居がねばって上げたクロスから、カイオのバイシクル気味のボレーシュート(お見事!)が決まって再び勝ち越し。
 よし今度こそもらった!──と思ったのに、その10分後には、今度はズラタンに同点ゴールを決められてしまう。これもなんか、ゴール前にいたズラタンにたまたまボールが渡っちゃいました、みたいなアンラッキー感の漂うゴールだった。まぁ、あそこにいて、ちゃんとトラップして、きちんと決めたズラタンも上手かった。
 その後もアントラーズは三度目の勝ち越しを狙って攻め立てるも、結局それ以上ゴールネットは揺らせず。結局2試合連続のドローに終わった。あいたた。
 でもまぁ、ダヴィとカイオのゴールはどちらも素晴らしかったし、前節殊勲の同点ゴールを決めた豊川は、この日も途中出場ではあったけれど、わずか10分たらずのあいだに何度も惜しいシュートを打って試合を盛り上げてくれたし、ひさしぶりに本山のプレーも観られたしで、ファンとしてはなかなか楽しい試合でした。
(Jul 23, 2014)