鹿島0-1甲府
J1・1stステージ第9節/2015年5月2日(土)/カシマサッカースタジアム/スカパー!
ACLのグループリーグ突破のかかったソウルとの対戦まで中二日。そして相手はリーグ最下位に沈む甲府ということで、この試合、トニーニョ・セレーゾはスタメンに大胆なローテーション制をとってきた。
GKはいつも通り曽ヶ端ながら、DFは伊東、植田、青木、山本の4バック、ボランチは柴崎、梅鉢、その前に杉本太郎(これがJ1初スタメンとのこと)、中村充孝、カイオ、そして高崎のワントップという布陣。なんと金崎、遠藤はベンチにさえ入っていなかった。
サポーター目線からすれば、めったに見れない興味津々の組み合わせ――ではあるんだけれど、結果から言ってしまえば、それであっさりと結果が出るほど、昨今のJリーグは甘くなかった。ここまで勝ち点3の最下位・甲府に黒星たぁ、痛恨の極み……。
この試合、やたらとトラブルが多かったのは事実だ。植田が前半22分に接触プレーで口の中を切って出血が止まらずに交替を余儀なくされたり、後半は後半で、青木が同じように唇を切って──このときはすでに交替カードを使い切っていたため──止血のために長いことピッチを離れていたりもした。
あと、オーストラリアから審判交流プログラムとやらで来て、この試合を担当した主審のクリストファー・ビースという人が、後半途中に原因不明のままピッチを離れて、そのあとは第四審判が笛を吹く、なんて珍事もあった(なんなんだかな)。
まぁ、そんなこんなでリズムに乗れなかった感はあるけれど、結局はアントラーズがいつもと違うメンバーで戦って、攻撃の形をうまく作れなかったのが敗因。いまのチームは攻めて勝つがコンセプトだと思うので、攻撃の手数が少なければ勝てないのも道理。
あと、失点がまたもやミスからってのがよくない。それもなんだそりゃってプレーだった。後半開始早々のソガからのゴールキックを高崎がセンターライン付近で胸トラップしたところ、そのボールがぽーんと跳ねて自陣にいた相手に渡ってしまい、そこからわずかパス一本でDFラインの裏を取られて、あっという間にシュートを決められてしまった。
決めたのは伊東純也というルーキーのFWで、この人にはその後、カウンターから何度も左サイドの突破を許して、あわやというシーンを作られていた。彼のクロスから少なくても3本はフリーでシュートを打たれている(相手のミスに助けられた。甲府のブラジル人、決定力ね~)。最下位のクラブにも生きのいい選手っているもんですね。
まぁ、とにかくそんな調子で、結果は0-1だけれど、0-3とかで負けていてもおかしくない内容だった。今季ここまでわずか2得点って相手に、そこまで攻め込まれてしまった守備も大いに問題。──とはいえ、この試合を見ているかぎりでは、なんで甲府が極端な得点力不足に悩んでいるのか、よくわからなかったけれど。アドリアーノやマルキーニョス・パラナがいつもあんな調子で決定機をはずしているんでしょうか。そもそもスタメンでは使えないほど、コンディションが悪いのか(両者とも途中出場で、スタメンはオール日本人だった)。だとしたら樋口監督もさぞや頭が痛かろう。
失点の場面ではソガのGKもよくなかったけれど(この数年の彼はキックの精度の低さが目立つ)、高崎も無理して胸トラップでバックパスするってプレーの選択がどうかしている。神戸での敗戦にも絡んでいるし、高崎、失点に絡みすぎ。よくも悪くも、キミは鹿島で今季もっとも目立っている選手のひとりだわ。
そういや、後半は山村(植田と交替で前半から出ていた)を前線に上げてのパワープレーなんて、珍しい戦法も見せた。そこから惜しい場面も2、3作ったけれど、残念ながら山村のシュートはどれもGK真正面。それを見て、あぁ、こりゃ負けパターンだなぁと思った。後半の頭から小笠原を使ったのも、結果が出なかっただけにもったいなかった(あとひとりの途中出場は豊川)。
なにはともあれ、この日で首位・浦和との勝ち点差は12と広がってしまった。ファースト・ステージ優勝は実質的にもう無理でしょう。これで残りはもう消化試合。あーあ、やっぱ2ステージ制はつまらん。
(May 03, 2015)