2017年3月のサッカー

Index

  1. 03/04 ○ 甲府0-1鹿島 (J1・第2節)
  2. 03/10 ○ 鹿島1-0横浜M (J1・第3節)
  3. 03/14 ○ 鹿島3-0ブリスベン (AFCチャンピオンズリーグ)
  4. 03/18 ○ 清水2-3鹿島 (J1・第4節)
  5. 03/23 ○ UEA0-2日本 (W杯・最終予選)
  6. 03/28 ○ 日本4-0タイ (W杯・最終予選)

ヴァンフォーレ甲府0-1鹿島アントラーズ

J1・第2節/2017年3月4日(土)/山梨中銀スタジアム/DAZN

 あっぶね~、あわや勝ち点1で終わりそうになった甲府戦。
 この日もアントラーズのユニフォームは白。ほんとピンクはどこいったんだ。なんでも前半はペドロ・ジュニオールのユニフォームが見つからず、17番の子のやつを借りて「1」と名前の部分を白いビニールテープで隠して、着用していたという珍事があったとのことだから、もしかしたらそのせいで全員白で統一したんでしょうかね? そんなわきゃないか。まぁいいですが。
 この日のスタメンはクォン・スンテ、伊東、植田、昌子、山本、小笠原、レオ・シルバ、遠藤、土居、金崎、ペドロ・ジュニオール。ACLで怪我をした西にかわって伊東が出てきたことを除けば、開幕戦と一緒。J1ではこれがベースとなるメンツらしい。
 対する甲府には仙台との契約が満了となって移籍してきたウィルソンと、かつて清水にいた兵藤、あとは田中佑昌{ゆうすけ}の顔に見覚えがあったくらいで、残りは知らない選手ばかり。実況ではガンバを戦力外となった小椋という選手が注目されていて、たしかにボールタッチは多かったようだけれど、画面が小さくてよくわからなかった。
 そう、僕はこの試合、ついにDAZNと契約して、初めてネット配信で観た(まぁ一ヶ月の無料体験期間だけでお別れすることになると思うけど)。で、最初は Apple TV に AirPlay でつないでテレビで観るつもりだったんだけれど、どうもそうすると画像がカクカクしてしまって、いまいちだったので、仕方なくMacBookでそのまま観た(そのほうがまだ自然に観られたので)。
 まぁ、ノートPCでワイアレスで観ていてるにしては画像はきれいだったけれど、あくまでPCでだから満足できるレベルで、テレビとは比べものにならない。画面は小さいし、たまに止まるし、画質もぼんやりしているので、アントラーズの選手は動きや体型である程度だれだかわかるけれど、相手チームとなるとさっぱり。もしもこんな再生環境でしかサッカーが観られなかったら、新しいファンなんか絶対に増えないと思うぞ。Jリーグ、金に目がくらんで、やっちまったなぁ……。
 でもまぁ、無料でアントラーズ戦がフルに観られたのだから、とりあえずきょうのところは文句なし。どれだけ画僧が悪かろうと、少なくても公式サイトの音声中継よりはそれなりにきれいな画像が観られるだけ十倍上等だ……なんて思うのは、おそらく金を払わないでサッカーを楽しもうとする不届きな{やから}だけ。スカパーと契約してサッカー観戦してきた人たちにしてみれば噴飯ものだろう。困ったもんだ。
 肝心の試合内容はといえば、相手が万年降格候補だけあって──そのわりにはこのところ降格していないのがすごい──ひさしぶりにこちらのほうがボール保持率の高い、鹿島ペースの試合だった。
 でもやはり、どうにもチャンスが少なくて、なかなか点が入らない。前半をスコアレスのまま折り返し、もしやこのままスコアレス・ドローなんてこたぁないよな?……と不安を感じはじめたころに、レオ・シルバがやってくれました。移籍後初ゴールで鹿島先制~。
 でもその後も追加点は遠い。こういう試合って意外と同点にされちゃったりするんだよなぁ……とか思っていると、不安的中。後半ロスタイムももう終わりってころに、相手のカウンター攻撃で山本が痛恨のPKを献上してしまう。あいたた……。
 こりゃ駄目だ。開発二戦目にして、甲府に土壇場で同点に追いつかれるようじゃ、今年は優勝争いなんて無理だろう……と思ったこの絶体絶命のピンチを救ってくれたのがクォン・スンテだった。ウィルソンのPK(ちょっとコースが甘かった)を見事阻止! クォン、えらいっ!
 ということで、レオ・シルバとクォンの新加入組ふたりのおかげで、なんとか今季初の勝ち点3を獲得できたのがすべてって試合だった。
 うーん、いつまでたっても攻撃のギアが入らないのが問題だな。いつになったら改善されるんだろうか。このままずるずるいくようだとまずかろう。メンバーの顔ぶれにはまったく問題ないんだけどなぁ。でもうまくいかない。サッカーって難しい……。
(Mar 04, 2017)

鹿島アントラーズ1-0横浜F・マリノス

J1・第3節/2017年3月10日(金)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 DAZNでのサッカー観戦2試合目。
 前回は昼間の試合だったから、MacBookで観たけれど、今回は平日の夕食どき。PC横目に食事ってのもなぁ、でもAirPlayだと映像がカクカクするしなぁ……と思ったところで、しばらく前にHDMIでの有線接続って手があるなと思ったことを思い出した。MacBookをHDMIケーブルでつなげば、無線で飛ばすより安定して大画面の映像が楽しめるんじゃないか?
 とはいえ、MacBook本体にはHDMI端子がついていない。しかたなく買いましたHDMIアダプター。あとから、どうせ五千円以上出すんならば AmazonのFire TV Stick を買ってもよかったんじゃないかと思ったけれど、でもまぁ、Macのマルチディスプレイ機能にも興味があったし、コンピュータの周辺機器ならば経費で落ちるのでよしとする。
 ということで、この試合はMacBookにつないだテレビで観ました。期待通りAirPlayよりも映像は安定していたと思う。でもなぁ……。やっぱり画像はぼやけてはいるし、動きの滑らかさも足りない。MacBookの12インチのディスプレイで観ているとあまり気にならない映像の質の低さも、画面が大きくなった分、やはり気になる。なんか画質の悪さが気になって、いまひとつ試合に集中し切れない感じもあった。やっぱ駄目だと思うなぁ、DAZN……。
 なにより致命的だったのは、後半途中でちょっとMacBook本体のディスプレイでブラウザを立ち上げてネット検索なんかしていたら、テレビの側の映像が止まってしまい、よりによってそのタイミングで鈴木優磨の決勝ゴールが決まってしまったこと。おいおい、余計なことをして、この試合唯一のゴールシーン見逃しちゃったよ……。
 というような、とほほな結果となったF・マリノスとの一戦。
 アントラーズのスタメンはこの日も前節と一緒。途中出場は優磨と永木と充孝。対するマリノスは開幕から絶好調という噂の齋藤学が怪我で欠場していた。齋藤のことは観たかったけれど、現状の鹿島の状況だと、いないでくれて助かった。俊輔がいなくなり、齋藤も不在のマリノスには、そうそう負けないだろう。
 とはいえ、攻撃が不活発なのはあいかわらず。終わってみれば、シュートがわずか8本(相手も7本)だってんだから、その数字の通り、いまいち見どころの少ない試合だった。まあ、守備は安定しているけれどねぇ。どうせならもっと攻撃的なサッカーが見たい。
 以上、ほとんどがDAZNへの愚痴で終わってしまう駄目な一文。
(Mar 11, 2017)

鹿島アントラーズ3-0ブリスベン・ロアーFC

AFCチャンピオンズリーグ/2017年3月14日(火)/カシマサッカースタジアム/日テレNEWS24@スカパー!

 スコアは3-0と快勝だけれど、観ている限りそんなに楽な試合じゃなかった(とくに前半は)。なんかアジアめんどくせ~。グループリーグくらいもっと楽に勝ちたい。
 この日の試合では曽ヶ端が今季初登場。あとは伊東、植田、昌子、山本、永木、レオ・シルバ、遠藤、土居、金崎、鈴木優磨という11人。
 ACLなのにFWに優磨を起用した以外はフルメンバー。やっぱホームだけにきっちりと勝ち点3を取っとかないとまずいって計算なんだろう。今年に入ってからのゴール数を見れば、鈴木優磨がスタメンってのはある意味順当だし。西(この試合の後半途中から出てきた)が使えない状態なら、これが現状のベスト・メンバーだと思う。
 とはいえやっぱ前半は冴えない──というか、去年からずーっとやっている、前半守りまくって後半で一気にけりをつけるってパターンはなんなんすかね。強いクラブ相手ならばともかく、平均的なところが相手だとけっこうストレスがたまんだけど。もっとスカッとする戦い方をしてくんないもんだろうか──なんてのは贅沢な話か。まぁ、きちんと勝ち点を積み上げているのだからよしとしよう。
 とにかくこの日も前半は守ってばっかって印象だった。曽ヶ端のファイン・セーブがなければ2点くらい取られてたんじゃないかって内容(ひさびさの出番なのにソガえらい)。それでも無失点でしのいで、前半のうちに先制したのは救いだった。
 この日の先制点は鈴木優磨。前半の終わりごろに伊東があげた右サイドからのクロスにボレーできっちりあわせた。マークについた相手選手にあてずにクロスを配給した伊東も、そのボールにワンタッチでしっかり対応した優磨もうまかった。若いふたり、ナイス。
 前半のうちに先制したのはよかったものの、後半にはいってもなかなかスコアは動かず。途中で永木をさげてオガサ投入。その効果なのかどうか、そのあとに2点を奪ってみせて、ようやく気分が晴れた。
 2点目は植田。セットプレーからの混戦のなかで相手GKと接触しながら強引に押し込んだ。キーパーチャージじゃなかったのがちょっと不思議なくらいのゴールだった。ナイス・レフェリー。
 最後の得点は遠藤が得意の角度から決めたもの。あそこで遠藤をフリーにするたぁ、ブリスベン研究が足りない。
 ということで、前半こそ気分的にもやもやしたけれど、3点もとって終わってみればまぁ満足って。そんな一戦。勝ってあたりまえって内容ではなかったので、アウェイで取りこぼさないようお願いしたい。
(Mar 14, 2017)

清水エスパルス2-3鹿島アントラーズ

J1・第4節/2017年3月18日(土)/IAIスタジアム日本平/DAZN

 なんだかやたらとひさしぶりの代表戦。W杯最終予選が後半戦の二順目に突入して、この日は初戦で黒星を喫したUAEとアウェイで再戦した。
 この日のスタメンはクォン、伊東、植田、昌子、山本、永木、小笠原、遠藤、土居、鈴木、ペドロ・ジュニオールの11人。
 なんと金崎がベンチで優磨スタメン。お~、ついに下剋上か? と思ったら、金崎は足をねん挫しているため大事を取ったとのことだった。まぁ、いくら優磨の調子がいいからって、そう簡単に金崎がスタメンを明け渡すとは思えない。というか、現状で鈴木優磨をスタメンで使うならば──使わないのがおかしなくらいゴールを量産しているけど──外すべきなのはペドロ・ジュニオールじゃなかろうか。この調子じゃレアンドロや金森にはまったく出番がまわってきそうにないな。いやぁ、なんか贅沢な悩みだな。
 まぁ、ということで贅沢なFW陣のそろった今シーズンの鹿島だけれども、かといって顔ぶれが豪華ならば点が入るかというと、やはりそう簡単ではないってのは、このところの結果が証明するところ。いまんところ、いまいち歯車が噛みあっていない感じで、チャンスがほとんど作れていない。
 それでもこの日の試合では、相手が守備的なこともあって、序盤からけっこうボールは回せていた。あれ、攻撃陣の連係もけっこうスムーズになってきたかなって。そう思いながら観ていた。
 とはいえ、相手のエスパルスの守備が堅い。この頃トレンドのハイ・プレスがきっちり効いていて、攻めにくいったらなかった。少なくても前半に関してはまったく破綻なし。ひさびさにボール保持率はこちらのほうが高いし、なんだかふだんは鹿島がやっていることを相手にやられているようないや~な感じだった。
 そしたら前半の終わりには、こちらの一瞬のミスから先制点を奪われてしまう。植田がクリアしようとしたボールが相手の金子という22歳の選手にあたって、そのままゴール前へのパスのようになり、フリーでシュートを打たれてしまったもの。まさかというくらい突然の、たまたま僕がほんのちょっと目を離していた間の出来事だったので、不覚にもそのゴールの瞬間を見逃した。
 後半の頭から石井は山本脩斗を西に替えてきた(理由は不明)。でもしばらくは特に状況が変わることなく、清水に猛攻を浴びる時間帯などもある苦しい展開がつづいた。あげくにペドロ・ジュニオールを金崎に替えて、さぁここから反撃と思った矢先に2点目まで奪われてしまうんだから、こりゃ駄目だと思った。
 でもそこからが王者の底力というかなんというか。
 失点のわずか3分後に遠藤のFKから植田のヘディングが決まって1点差。その5分後には優磨が流血しながらヘディングで同点弾。さらにその6分後に金崎が決勝点と。わずか11分で試合をひっくり返してしまった。
 ゴールはどれもセットプレーかそれに近い形で、植田と金崎のアシストは遠藤、優磨は永木だった。このふたりのプレースキックの精度の高さも鹿島の大きな武器だ。
 そうそう、この日は移籍以来初のベンチスタートだったレオ・シルバが優磨のゴールが決まるちょっと前に小笠原と交替でピッチに立っていたのだけれど、この交替が状況を変えた感もあり。やっぱレオ・シルバが真ん中にいるとすげー。安定感が違う。相手もあの時間帯からレオ・シルバが出てきちゃうのって嫌だろう。
 ま、というわけで選手層の厚さを生かして鹿島が劇的な逆転劇を演じた一戦でした。
 清水は大前とか本田拓也とか、チームの顔だと思っていた選手が去ってしまってどうかと思ったけれど、チョン・テセ(ひさしぶり~)、野津田、六反に、出戻りの枝村などの実力派の移籍組に、金子、白崎、松原などの若手が絡んで、なかなか好印象なサッカーを見せてくれていた。中でも若干二十の松原が夢生との接触プレーのあとでタメで睨みあっていたのにはちょっとびっくりした(生意気だなぁ)。監督は小林伸二氏。見た目の通りに堅実なサッカーを志向する人らしい。だてになんチームも渡り歩いちゃいないな。今年は清水の降格はないと見た。
 次節はNHKでの放送があるらしいので、DAZNで観るのはおそらくこれが最後でしょう。この日の放送はうちの通信環境の問題かもしれないけれど、やたらと音声が途切れがちだったし、やっぱこの品質では金を払って観つづける気になれない。
 バイバイ、DAZN。次に会うときにはもっと品質全般が向上していることを願ってやみません。
(Mar 19, 2017)

アラブ首長国連邦0-2日本

ワールドカップ・最終予選/2017年3月23日(木)/アブダビ/テレビ朝日

 なんだかやたらとひさしぶりの代表戦。W杯最終予選が後半戦の二順目に突入して、この日は初戦で黒星を喫したUAEにアウェイでリベンジを果たした。
 この試合については、スタメンのサプライズが大きかった。
 なんたってGKが川島だ。おいおい、いつ以来だ、川島。いまどこでプレーしているかも知らないぞ。
 でもまぁ、ハリルホジッチのこれまでの言動からすると、体の大きさ、強気な性格、さらには自らの母国語であるフランス語を話せる点と、どこをとっても西川より川島をひいきにしたくなるのかなぁという気がする。
 そのほかはDFが酒井宏樹、吉田麻也、森重、長友、MFが山口蛍、今野、香川、FW久保、原口、大迫で、フォーメーションは4-3-3(または4-1-3-1)とのことだった。
 不動のキャプテン長谷部が足の大怪我で離脱したために、ボランチに2年ぶりに今野が復帰したのが川島と並ぶ最大のサプライズ。大事な試合だし、信頼できるキャプテンがいないので、守備力の高い蛍と今野のダブル・ボランチでしっかりと守りたい。そういうハリル氏の意向なのかと思っていたのだけれど、実際には蛍をアンカーにして今野と香川が並ぶ形だったらしい(よくわかっていないやつ)。
 いやでも、その今野がすごかった。守備力の高さはもとより、攻撃でも貢献度が高いこと。よもや貴重な2点目のゴールまで決めてくれようとは思ってもみなかった。
 今野と同様、経験値の高さを重視して起用したという川島もUAEの同点のチャンスをみごとなファイン・セーブで防いでみせたし、僕があまりそのよさをわかっていなかった久保がみごとな先制ゴールを決めてみせるし。途中交代で香川に替わって出てきた倉田も切れきれだった。クラブで出番のない本田に途中出場の機会をあたえてプライドをくすぐってみせるあたりの気配りもあった。この日のハリルホジッチの選手起用には脱帽のひとことだった。
 先制点は酒井のスルーパスを久保が電光石火で決めたもの。酒井のパスも久保もシュートも完璧だった。
 2点目は久保のアシストからディフェンス・ラインの裏に抜け出した今野が胸トラップで落としたボールを反応よくゴールへ蹴りこんだ。どこのFWかと思った。
 これで久保は1ゴール1アシスト。攻撃的な面だけみれば文句なしのMVPだ(僕は今野のほうがすごかったと思うけど)。
 大迫はゴールこそなかったものの、斜めのクロスにあわせたみごとなヘディングもあった(GKに止められた)。ポストプレーでは何度となく見せ場を作ったし、ボールを相手と競り合う際の身体の使い方がすごく上手くなっているのに感心した。最後のほうで相手のラフプレーで足を傷めて途中交替を余儀なくされたのが心配。大事にいたらないといいのだけれど。
 あと、印象的だったのは、長谷部にかわってキャプテンマークをまいた吉田麻也の安定度。イングランドでも評価を上げているという話だけれど、ほんといままででいちばんよかった。麻也のプレーをこんなに頼もしく思ったのは初めてかもしれない。
 いやぁ、とにかくいい試合でした。最初の15分くらい見ただけで、あ、きょうは全員すごく集中して守れているから、これなら負けないかもと思ったその印象のまま、最後まで戦いきってくれた。まぁ、2、3危ないシーンはあったけれど、それでももう文句なしの快勝。まだまだ先は長いけれど、こういうサッカーができていれば、W杯出場を逃すことはまずないでしょう。おみごとでした。
(Mar 24, 2017)

日本4-0タイ

ワールドカップ・最終予選/2017年3月28日(火)/埼玉スタジアム2002/テレビ朝日

 4点も取ったのにこんなことをいうのもなんだけれど、なんとも釈然としない試合だった。
 まずはスタメン。川島、酒井宏、吉田、森重、長友、酒井高、山口、香川、久保、原口、岡崎──って、DFが5人もいるじゃん!
 よもや3バックかと思ったら、酒井高がボランチでの起用だった。なんでも最近はクラブでもボランチで使われているそうなので、それを知ったハリルホジッチが今野のときと同じように、クラブと同じような好プレーを期待して起用してきたんだろう。
 うん、たしかに高徳のボランチは悪くなかった。中盤の潰し役としてなかなかの存在感を発揮していた。でもパスはやっぱ粗い。細かなつなぎ役として見るともの足りない。
 だって相手はタイだよ? そこに蛍と高徳のダブル・ボランチってさぁ。守備的にくる相手にこっちまで守備的でどうするんだと思う。
 でもってそれできちんと守れていたならばともかく。やたらとあぶなっかしいシーンを連発するんだから嫌になる。いったい何本シュートを打たれたんだかわからない。ひどい守備から長友がPKを取られたシーンもあったし(川島ナイス・セーヴ)。この試合の日本の守備は本当にぶざますぎた。こんなメンツで試合してタイにあそこまで攻め込まれる日本代表なんて見たくない。
 得点はどれも見事だった。久保のクロスを香川がゴール真正面で切りかえして相手3枚の狭い隙間を縫うように決めた1点目。岡崎がこれまた久保のクロスにピンポイントであわせた見事な2点目(代表通算50ゴールおめでとう~)。久保が個人技で決めた3点目(この日も1ゴール2アシスト。久保すごすぎ)。途中出場の清武のCKから麻也がヘディングで決めた4点目。
 どれもけちのつけようのないファイン・ゴールだった。これだけいいゴールが決まったのに──なおかつ無失点で終えたのに──こんなにすっきりしない気分のゲームも珍しかろう。
 もとより今回の二連戦ではホームとタイと戦うのがわかっているわけだから、ボランチには柏木とか大島とか憲剛とか、もっと攻撃的な選手を呼んで欲しかった。それだったらきっともっともっと楽しい試合になっていたんじゃないかと思えてしかたない。
 べつに高徳が嫌いなわけじゃないけれどさ。使うんなら使うで、今回の2試合の長友の出来だったら、高徳には左SBをまかせて、もっと攻撃的な選手を使ってほしかった。途中出場が本田と清武と宇佐美ってのもおもしろみがないし(いや、清武と宇佐美はもっと観たかったかな。出すの遅すぎ)。どうせならば浅野とか使ってりゃ、もっと点が取れたんじゃないかという気がしてしかたない。
 ハリルホジッチとはどうにも趣味があわないんじゃないかって気がしてしょうがない今日このごろだった。
 そういえば前の試合でいいプレーを見せてくれた大迫と今野はともに怪我で離脱。大迫はともかく、今野が骨折ってのはびっくりだ。いつ怪我をしたんだろう。
(Mar 28, 2017)