浦和レッズ0-1鹿島アントラーズ
J1・第10節/2017年5月4日(水)/ 埼玉スタジアム2002/NHK総合
今年のゴールデンウィークのJリーグは、DAZNでの配信でなるべく多くの試合を観てもらおうという商魂からか、5連休にばらばらと五月雨式に試合が行われる変則日程だった。3日にはルヴァン杯が行われ、その翌日にこの試合がひとつだけあって、翌日から連休最終日の7日までかけて、ばかばらと残りの試合が行われるという趣向。なるほど、観る気になれば毎日Jリーグが観られて、それはそれでちょっと楽しいかもしれない(ま、僕はこの試合しか観てないけど)。
なんにしろ、そんなJリーグのGW興行の皮切りとして行われたレッズとの一戦。首位奪取をかけた序盤戦の大一番。
この日のアントラーズのスタメンは、クォン、伊東、植田、昌子、西、小笠原、レオ・シルバ、遠藤、土居、金崎、ペドロ・ジュニオールの11人。つまり前節と一緒……かと思ったら、ちょっと違った。山本脩斗が体調不良だかなんだかで、かわりに西が左SBに入った(三竿兄、ベンチ入りしたのに出れなくて気の毒)。
でも、怪我の功名というか、西が慣れないサイドで守備重視でプレーしたおかげで、関根を封じられたのが勝因のひとつという気がしないでもない。調子に乗せると嫌らしい関根がこの日はほとんど目立ってなかったので。
ま、西にかぎらず、この日は全員よく守れてました。二、三危ないシーンはあったけれど、全体としてはとても安定していた。とくに昌子は頼もしいったらなし。レオ・シルバはいうまでもなし。後半途中からは遠藤を永木に替えて、さらに左サイドの守備力をアップ。それからペドロ→優磨の交替をはさみ、残り10分でオガサを三竿弟に替えて、そのまま無事に逃げ切った。
攻めては金崎が打ったシュートが相手DFにあたってコースが変わったラッキー・ゴールの1点だけだったけれど、それにしたって積極的にシュートを打っていったからこその得点だから、恥じることなし。
レッズは柏木、遠藤航の主力ふたりが欠場していたのがポイント。まぁ、守備では遠藤のかわりに那須がいいプレーをしていたけれど、やはり柏木の穴は埋まらない感があった。彼がいなかったのは鹿島にとってラッキーだったけれど、まぁ、これまた運も実力のうち。
その点、浦和はやはり勝ち運がない気がする。それもこれも今年最初の顔あわせだったゼロックス杯で、主力を温存して負けたペドロヴィッチが自ら招いた不運のように僕には思える。どんな試合であれ、ちゃんと全力で戦って勝つ姿勢をみせないから、勝利の女神に見放されちゃうんじゃないだろうか。
不運といえば、この試合の残り10分くらいの時間帯にちょっとした中断騒ぎがあった。試合を観ているときにはなぜ小笠原があそこまで興奮しているのかわからなかったけれど、なんでも途中からしゃしゃり出てきた森脇がレオ・シルバに対して暴言を吐いたことでオガサが切れてしまったらしい。森脇は過去にもダヴィやカイオに対して同じような挑発行為を繰り返してきたとかで、小笠原がもう我慢の限界だと、試合後にマスコミを通して森脇を名指しで批判したことで話がおおごとになった。
小笠原はべつに処罰を求めたわけではなく、再発防止を願っての問題提起だと思うのだけれど、これに対して森脇が言い訳じみた反論をしたことで、話がさらに大きくなってしまった感あり(YouTubeでそのときの映像を何度も確認したけれど、森脇の言っていることはつじつまが合わなさすぎる)。試合自体はとてもいい内容だったので、最後にそういうことでケチがついてしまったのが残念だ。
レッズは負けている試合でわざわざ試合の中断が長引くような騒動をひき起こす選手がいるから、なおさら勝ち運が逃げちゃうんじゃなかろうか。騒動のなかで敵味方を問わずなだめ役にまわっていた那須や西川のような人たちにはほんと気の毒だ。
なにはともあれ、翌日の試合で2位ガンバがドローに終わったため、これでアントラーズが単独首位ということに。このまま最後までいけるとは思えないけれど、とりあえず首位はめでたい。
(May 06, 2017)