川崎フロンターレ3-1鹿島アントラーズ
J1・第22節/2017年8月13日(日)/等々力競技場/BS1
ひさびさ、およそひと月のアントラーズ戦、それも大岩監督就任以来9試合負けなしでリーグ首位に立った絶好調のアントラーズと、4位のフロンターレの上位対決!――ってことで、とても楽しみにしていた一戦だったのだけれど……。
みごと負けました。もうこてんぱん。
この日の鹿島はGK曽ヶ端、DF西、植田、昌子、山本、MF三竿健、レオ・シルバ、遠藤、レアンドロ、FW金崎、中村充孝というスタメン。いまだペドロ・ジュニオールが復帰しない状況で、三竿と充孝とレアンドロを重用した、大岩体制ではほぼ定番って印象のメンバー構成だった。
対する川崎は、小林悠こそ故障明けだかでベンチ・スタートだったけれど、中村憲剛に大島、ガンバから移籍してきて活躍めざましい阿部、こちらも移籍組の家長ら、代表級の選手が顔を揃えている。もとより相性のわるい相手だけに、もう前半に関しては押されっぱなしだった。
でもまぁ、前半の出来が悪いのは去年から恒例だから、後半までしのげばなんとかなるか……と期待していたら、この日は前半の終わりに失点を許してしまう。それもきれ~な崩しから。
前半アディショナル・タイムの失点なんて、鹿島が好調なときならあり得ないだろうってところだけれど、このシーンではあまりに相手のパスまわしが見事だった。記録上は西のオウン・ゴールだけれど、観ているときには大島のフィニッシュだと思った。それくらいきれいにパスがつながっていたし、あそこで西が触っていなければ、おそらく大島がきっちりと決めていただろうって失点だった。
まぁその1点も痛かったけれど、試合を決定づけてしまったのはそのあと。後半開始わずか1分で決められた阿部の2点目。これも簡単にパスがつながって、最後はここしかないってコースに阿部のシュートが決まってしまった。阿部、半年足らずでチームにフィットしすぎ。
さらには後半なかばには、故障がちでここまであまりプレーをしてこなかったという噂の家長にまで、ループ気味の技ありのミドルを決められて3-0にされてしまう。
いやぁ、川崎はどの得点にしても、とにかくその攻撃のスムーズさがすごかった。そんなにたやすく点を決められたら、ぐうの音もでねぇって感じの素敵なゴールばかり。もう手も足もでない感じだった。
でもまぁ、さすがに首位がそのままやられっぱなしってのは情けないから、とりあえず1点だけでも返せたのが救い。得点は残り時間が5分を切ってから。途中出場の鈴木優磨のヘディング。アシストは右サイドからの三竿だった。
三竿が右サイドでプレーしていたのは、後半から遠藤がボランチの位置まで下がってプレーしていたから。FC東京戦でもそうだったけれど、最近はこうやって試合の途中から遠藤をボランチの位置に下げるのが恒例なのかもしれない。
でも僕はこの采配には疑問。遠藤は技術が高いのでそりゃボランチだってある程度つとまるだろうけれど、でも低いポジションで使うことで、彼の得点力を生かせなくしてどうするんだといいたい。なかなか点の取れない試合だっただけになおさら。
大岩体制になってから三竿がレギュラーに定着したことで、この日は永木がベンチにさえ入っていなかった。日本代表にも選ばれるボランチがいるのに、その彼をベンチから外して、攻撃的MFの遠藤をボランチで起用するって采配になんとも納得がゆかない。
そういや、うろんな僕は気がつかなかったけれど、この日は前半の終わりごろから──おそらく遠藤のポジションをさげたのにあわせて──フォーメーションを3バックに変えたんだそうだ。なんでそういうことする? 鹿島といえば4バックでしょう?
負けている状況なのに、優磨、安部裕葵(このふたりはとてもよかった)につづけて、3枚目の交替カードで伊東を入れた采配にも疑問が残ったし(なぜ土居ではない?)、就任以来ここまで負けなしってことで大岩の監督としての評価は高まっているのかもしれないけれど、どうにも僕にはいまだ彼の手腕に対しては疑問を感じるところがある。この日の試合にしろ、FC東京戦にしろ、観た試合では勝ってくれてないんだから、それも当然だろう。
しかしまぁ、大岩監督になって10試合を戦って勝てなかったのは2試合だけだというのに、よりによってその2試合だけを観ているってのもどういうもんですかね。なんだか巡りあわせが悪くてやだなぁ……。
(Aug 18, 2017)