日本2-1ニュージーランド
親善試合/2017年10月6日(金)/豊田スタジアム/日本テレビ
ひさびさの親善試合2連戦──でも対戦相手はきょうがニュージーランドで、次がハイチと聞いたときには、そんなとこと戦ってどうすんだと思ったものだけれど、いざ戦ってみたらニュージーランド、意外と悪くなかった。
さすがにご近所だけあって、オージーのちょっとばかり経験値がたりない異母兄弟みたい。序盤こそ日本の一方的な内容だったけれど、途中からは攻めても攻めても得点にならない日本がいささか攻め飽きて単調になったこともあって、次第に危ないシーンを作られるようになった。
で、後半5分にこちらが大迫のPKで先制したにもかかわらず、そのあとしばらくして左サイドを崩され、見事な同点ゴールを食らってしまう。
決めたのはクリス・ウッドという選手。さすがプレミア・リーガーの肩書は伊達じゃなかった。こちらの得点がPKだっただけに、このままドローで終わっていたら、目もあてられなかった。
まぁでも、日本もそのあとの選手交替が功を奏して徐々に勢いを取り戻し、終盤はだいたいのところ、危なげない試合運びになった。で、残り時間5分を切ってから、途中出場の倉田の代表初ゴールで勝ち越して試合終了。なんとか白星をもぎとった。いやぁ、でもホームでニュージーランド相手にこの調子じゃ、先が思いやられる。
本田、岡崎、長谷部らが招集されていない今回の代表で、この日のスタメンを飾ったのは川島、酒井宏、吉田、槙野、長友、井手口、蛍、香川、久保、武藤嘉紀、そして大迫というメンツだった。
槙野がちょっと意外だったくらいで、あとは順当な印象。ひさびさに武藤が見れたのはうれしかったけど、どうせならば、川島、麻也、酒井、長友、蛍あたりの実力がわかりきっている選手は外して、東口や中村航輔、高徳、車屋(初招集!)、遠藤航あたりをスタメンで使ってほしかった。ハリルホジッチ、いまいちおもしろみが足りない。
本田らの不在で今回のチームでは断トツのネームバリューを誇る香川だけれど、この日は序盤に惜しいシュートがポストをたたいた場面以外、出来はいまいち。あいかわらず代表だと実力を発揮できないのはなぜなんだか。
香川は試合後のインタビューでこのレベルの相手では強化にならない、というようなことを言ったそうだけれど、3ゴールくらい決めたならともかく、ノーゴールに抑え込まれた選手のいうセリフじゃないだろう。いまだW杯予選たけなわのこの時期にわざわざ日本まで遠征してくれる強豪国なんてそう簡単に見つかるわけもないし。少なくても試合がないよりはあったほうがいいのは間違いないのだし、もうちょっと頭を使ったほうがいい。
でもまぁ、香川個人の責任ではないにしろ、内容が不出来だったのは確かだから、愚痴りたくなるのもわからなくはない。少なくても前半のうちはボールは回れど得点にならず、どうにもストレスがたまる内容だった。
ようやく楽しくなったのは、後半途中にそんな香川がひっこんで、乾と小林祐希──小林と聞いて悠かと思ったら祐希だった──が出てきてから。このふたりはよかった(乾はもとより、小林は予想外のよさ)。そのほかに杉本と浅野と倉田と遠藤航が出てきたけれど(順番的には杉本と小林が最初)、殊勲の決勝ゴールを決めた倉田はともかく、あとの人はこれといって存在感がなかった。
いや、というか、ロスタイム3分のうち2分が過ぎてから出場させられた遠藤にはちょっと同情してしまった。親善試合だよ? 1分でなにができるんというんだって話で。なに考えてるんだか、ハリルホジッチ。
この日の1点目は蛍のシュートが相手のハンドを誘って、そのPKを大迫が決めたもの。2点目は乾の左からのクロスをファーで酒井が折り返し、真ん中でそれを倉田がダイビングヘッドで決めた。この見事なゴールがあったおかげで、かろうじて救われた。
まぁ、次の試合がW杯出場をかけての南米の国(もしかしたらアルゼンチン!?)とのプレーオフだというニュージーランドと、本選へ向けての選手選考会でしかない日本とのモチベーションの差がはっきりと出ていた気がする。
なんにしろ、勝ちはしたけれど、全体的に内容はいまいちって試合でした。せっかくだから次はもうちょっとおもしろい試合をみせて欲しい。
(Oct 06, 2017)