上海申花2-2鹿島アントラーズ
AFCチャンピオンズリーグ/2018年4月3日(火)/上海虹口足球場/日テレNEWS24
苦しみながらも、なんとかグループ・リーグ突破を決めたアウェイでの上海申花戦。
この試合、ドローでも決勝トーナメント進出が決まるとのことだったので、僕が期待したのはただひとつ。失点をしないこと、ただそれだけだった。
前回の対戦時に書いたように、上海申花にはW杯で対戦するコロンビアの選手がふたりいる。まぁ、10番のジョバンニ・モレノはハメス・ロドリゲスの控え、グアリンは元コロンビア代表と紹介されていたから、本大会では見ることはないのかもしれないけれど(しかしあんなにでかくて上手いモレノが控えのコロンビアって……)、それでもここで日本のクラブを代表してきっちりと彼らを抑え込み、「おや、日本は思ったより簡単な相手じゃないぞ」と思わせたい。
ということで僕は昌子、植田のコンビが彼らの攻撃を封じ込めて、クリーンシートの試合を見せてくれることを期待していた。それなのに……。
この日のスタメンはGK曽ヶ端、DF伊東、植田、犬飼、山本、MFレオ・シルバ、小笠原、金森、レアンドロ、FWペドロ・ジュニオール、鈴木優磨という布陣だった(途中出場は金崎、安部、永木の3人)。
ということで、スタメンには昌子の名前はなかった。ベンチにも入っていなかったのでコンディションの問題なのかもしれない。でも、かわりが犬飼って、それで大丈夫なの?――と不安に思っていたら不安的中。
犬飼くん、わずか15分足らずでPKを献上。それをよりによってモレノに決められ、上海申花に先制点を与えてしまう。
無失点を期待した試合でPKとはいえ、いきなりコロンビア人にゴールを許してしまうんだから、がっかりするなってのが無理な話だ。
まずは守備ありきということでいうなら、クォン・スンテをはずして曽ヶ端を起用したことも僕は不満だった。GKなんてローテーション必要ないじゃん。べつに曽ヶ端が悪かったとは思わないけれど、少なくても決勝トーナメント進出がかかったこの試合は好調なクォンでいって欲しかった。
PKを与えたファールはナイジェリア人のマルティンスという選手に対してで、前回はコロンビア人に気を取られていて書かなかったけれど、この人は二試合ともけっこう存在感のあるプレーを見せていた。
ただこの人はそのPKのすぐあとに足を痛めて交替してしまう。敵の不幸を喜ぶのもなんだけれど、おっ、こちらにちょっと風が吹いたかと思ったら、そんなことはなかった。彼と交替で出てきた7番の中国人選手にセットプレーからきれいにヘディングを決められ、前半30分までに0-2という劣勢に陥る。まぁでも、2点で済んでまぁよかった。相手のシュートが前半だけで15本とかいうんだから、どれほど攻め込まれていたかわかろうってものだ。
前半も残り少なくなって、ペドロ・ジュニオールが背中の筋肉かなにかを痛めて金崎と交替する羽目になったりもしたし、本当にいいことのない前半の45分だった。こんなにいいところのないサッカーを見せられたのもひさしぶりだ。あぁ、きょうの試合は駄目だと思った。
ところが──。
そんな試合を後半だけでドローに持ち込んでしまうんだから驚く。主役は鈴木優磨、そしてレアンドロだった。
故障明けのレアンドロが帰ってきて、今季初のブラジル人トリオのそろい踏みとなったのがこの試合の注目点のひとつだった。
で、レオ・シルバこそあいかわらずいまいちだけれど(マジで衰えたか)、ペドロ・ジュニオールは積極性が戻ってきていて、いい感じのシュートを打ったりしていたし(だから途中交替は残念だった)、なによりレアンドロがよかった。去年より体感が太くなった感じで(太った?)重量感が増していたけれど、決して動作が鈍かったりすることはなくて、パワフルかつ的確にボールをさばいててとても好印象だった。
1点目のゴールは彼のシュートが相手DFにあたってこぼれたところへ優磨が詰めていたものだったし、2点目は逆に優磨が右からあげたクロスをレアンドロがファーでダイレクトにあわせたものだった(ナイス・シュート!)。
レアンドロ、11ゴールをあげた去年も十分な働きだったけれど、今年はさらなるブレイクを予感させるこの日のプレーぶりだった(でも僕の予感はめったにあたらない)。
あと、鈴木優磨にようやく今季初ゴールが生まれたのもめでたい。今年はここまでいいプレーをしながら結果がついてきていなかったので、これを機に上昇気流に乗ってくれればなと思う。本当にこの日はよかった。フル出場してなおかつ最後まで足を止めないその姿勢にとても感銘を受けた。
ということで、優磨、レアンドロの活躍でなんとかドローに持ち込みはしたものの、反撃もそこまで。まぁでも、前半の出来からしたら、よくぞ引き分けたと思う。グループ・リーグ突破のミッションはクリアしたのだから結果オーライだ。
翌日にはフロンターレとレイソルのグループリーグ敗退が決まってしまった。やっぱACLは難しい。
(Apr 07, 2018)