鹿島アントラーズ2-1名古屋グランパス
J1・第6節/2019年4月6日(金)/カシマサッカースタジアム/DAZN
本当はこの日は佐野元春のライヴを観に行く予定だったので、この試合はリアルタイムでは観られないはずだったんだけれど、あいにく前日に原因不明の腹痛に見舞われ、二日間寝込むことになってしまったので、チケットは泣く泣く奥さんの友人に譲り、僕はひとり自宅でこの試合を観ることになった。とほほ。
でもまぁ、試合自体は楽しめたからよし──という首位・名古屋との一戦。
鹿島のスタメンはGKクォン、DF平戸、犬飼、町田、安西、MF永木、レオ・シルバ、レアンドロ、土居、FW伊藤、セルジーニョという布陣。
ウッチーがまた足を痛めたとかで平戸がリーグ戦では初の先発。安部裕葵がこの試合もベンチ・スタートだったのは、おそらく次週のACLに向けてだろう。あと最後の守備固めでブエノがひさびさ(おそらく鹿島復帰以来初?)の出番をもらっていたのが特記事項。
対する名古屋は昨年の得点王ジョー、背番号10のガブリエル・シャビエルに加え、新外国人でシミッチというボランチが加入して、存在感を発揮していた。
シミッチはキックオフ前にレオ・シルバらと談笑していたから、おやっと思ったら、名前はクロアチア人っぽいけれど、この人もブラジル人だった。そのほかにもGKがランゲラックという豪州人だし、途中出場でマテウスというブラジル人も出てきた。この日は故障のためベンチ入りしていなかったけれど、去年途中に川崎から移籍したエドゥアルド・ネットもいるそうだから、要するに名古屋には外国人が6人も在籍しているわけだ。ベンチ入り上限の5人を超える外国人を獲っているクラブが神戸以外にもあるとは思わなかった。さすが金持ちクラブ。
あと、名古屋には長谷川アーリア・ジャスール、米本、丸山という、かつてFC東京の主力だった選手たちが在籍しているのが目を引いた(丸山がキャプテンを任されていたのにもびっくりだ)。そのほかでは左サイドの和泉という選手がとても印象的だった。
まぁ、要するに今年のグランパスは外国人選抜+旧FC東京の主力組が中心のチームなわけだ。なるほど、いいサッカーをするのも道理。正直なところ、前半はあちらのサッカーのほうがおもしろいと思った。こりゃ苦戦必死だなと。
そしたらこの試合もまた前節・磐田戦と同じような展開に……。
前半をなんとかスコアレスで終えたと思ったら、後半開始早々にガブリエル・シャビエルが打ったGK真正面のシュートを、クォンがファンブルして得点を許してしまう不味い展開。あぁ、クォン、なんてらしからぬミスを……。
でも首位のクラブ相手にそこから追いついてみせるのだから、今年のチームには意外と底力がある。
まぁ、ビハインドを追ったあとの最初の交替カードが平戸を下げての三竿イン、つづけてレアンドロを下げて安部っていう、まったく前の試合と同じ采配だったから、ほんと大岩は負けてんのになに考えてんだかと思ったもんだったけれど、でもこの試合ではその采配が正解。三竿が入ってからの中盤の押し上げがすごかった。相手に疲れが出始めたってのもあるんだろうけれど、後半は相手を圧倒。
でもって三竿が入ったことで右SBに移動していた永木のクロスに土居が左足でこつんと合わせて同点。土居のプレーがシンプルすぎて、嘘みたいにあっさりした同点ゴールだった。
今年の土居はここまで特に目立っていなかったものの、ボールを持ったときにはつねに質の高いプレーをしていたので、ようやく結果が出てよかった。スタンドで観ていた代表監督の森保にもいいアピールになったんじゃないかと思う。
ということで、土居のゴールも素晴らしかったんだけれど、それよりさらに圧巻だったのが、そのあとのレオ・シルバの決勝弾。右サイドのセンターライン近くでボールを持ったレオ・シルバは、そのままドリブルで斜めに攻め上がり、あれよあれよという間に名古屋の選手を何人もごぼう抜き。自らペナルティ・エリアまで切れ込むと、倒れこみながら左足を振りぬき、ゴールネットを揺らしてみせた。
レオ・シルバすげえーー。あんた、マラドーナかいっ! ってつっこみたくなるくらいの圧巻のプレーだった。2試合連続弾だし、ほんとレオ様々。
ということで後半追い上げ型の最近の鹿島らしい試合運びで名古屋を首位から引きずりおろして、首位まで勝ち点3差という順位をキープした。
磐田戦といい、この名古屋戦といい、先制を許しながらも同点に追いついて勝ち点を積み上げられているので、今年はけっこういい調子かもしれない。開幕戦の大分の黒星は余計だったと思うけれど、なんとその大分がいまだ鹿島より上にいるんだからびっくりだよ。なんだ大分、侮っていたけれど、ふつうに強いじゃないか。
ちなみに今節首位に立ったのは広島。去年は終盤で崩れたので今年は駄目かと思っていたら、予想外に強かった。ここまで失点わずか1だそうだ。やたら守備力が高いらしい。FC東京が勝ち点14で広島と並んで2位。次節は味スタでのFC東京戦なので、どうせならば首位の東京と対戦したかったのに、広島に邪魔をされてしまった。
なんにしろ、今年のJ1はとてもおもしろい。どうしよう、こんな調子でシーズンがつづいていったら、いつまでたってもDAZNやめられない。
(Apr. 06, 2019)