大分トリニータ1-4鹿島アントラーズ
J1・第8節/2020年8月1日(土)/昭和電工ドーム大分/DAZN
今年初めて、勝てるだろうと思った試合にちゃんと勝ってくれた。先制されたときにはどうなることかと思ったけれど、その後にエヴェラウドがよもやのハットトリック。最後は後半ロスタイムに途中出場の3人の連携から伊藤翔のゴールが決まり、4-1という大勝で終わった大分でのアウェイの一戦。
この日のスタメンに名を連ねた11人は曽ヶ端、広瀬、犬飼、町田、永戸、三竿、レオ・シルバ、遠藤、和泉、土居、エヴェラウドというメンツ。途中出場は白崎、永木、荒木、伊藤翔の4人だった。
なぜかクォン・スンテがいなくて、曽ヶ端が今季初スタメン。あとファン・アラーノもベンチに入っていなかった。ここ半月くらいは週一試合しかないから、それなりに楽なのになぜいないのか。怪我でしょうかね。真相は不明。
対する大分では、知っている名前は元鹿島の三竿雄斗と五輪代表の岩田智輝、川崎からレンタル中の知念慶の3人だけ。今年は天敵・藤本もいないし、さすがに2年連続じゃ負けないだろうと思っていたのに、いきなり開始5分で失点を許してしまう。
決めたのはFWの高澤という23歳の選手(そんなに若く見えなかったけど)。ゴール向かって左寄りの高い位置でフリーでボールを持つと、思い切りよくミドルを打ってきた。これに曽ヶ端が逆をつかれ、あっさり失点。
曽ヶ端、あそこで逆をとられるとは、やっぱ年齢的にもうそろそろ限界じゃないか……。
彼がJリーグでプレーするのにふさわしくないとまでは言わないけれど、でもさすがにいまでも一流だというには無理がある。でもって、優勝を狙うチームのGKは一流でなくてはいけないでしょう。鹿島が必ず優勝しなくてはいけないチームだとするならば、曽ヶ端にはそろそろ身の振り方を考えてもらったほうがいいと思う。
でもまあ、GKということでいうと、この日の大分の高木駿というGKもすごく安定感がなかった。和泉を倒してPKを与えた場面とか、あからさまに体当たりしているし。ヴェルディのユースから明大経由で川崎に入り、その後は川崎と千葉を行ったり来たりしてきたらしいけれど、さすがにこの日みたいなプレーをしていたら、川崎じゃレギュラー取れないよなぁって思ってしまった。
先制点の場面では曽ヶ端もあれだったけれど、鹿島の守備陣もよくなかった。あの位置で攻撃的な選手をフリーにしたら、失点をGKのせいにはできない。昔は日本代表がよくあのくらいの位置から失点してたよなぁって思った。ああいう失点をあまり見なくなったってことは、それだけ日本のサッカーが進化している証なんだろう。
まぁ、そんなわけで先制されてはしまったものの、幸いリードを許していた時間はそれほど長くなかった。前半15分に相手の不用意なバックパスを奪ったエヴェラウドがGKと一対一のチャンスを冷静に決めて同点に追いつく。
エヴェラウドはその後も和泉がもらったPKを決めて前半のうちに逆転。さらには後半に入って、遠藤の右サイドからのスルーパスから土居のナイスなアシストを受けて、最後は転びそうになりながら(危なっかしい)なんとかシュートを決め、ハットトリックを達成してみせた。
このあいだの試合でエヴェラウドの決定力のなさをまるで日本人のようだと書いたけれど、この日の彼はひとあじ違った。やっぱブラジル人はこうでないと。しかしまぁ、このハットトリックで通算5ゴールとして、いきなり得点王ランキングの2位タイですよ。エヴェラウドが得点王争いに割って入るとは思ってもみなかった。――とはいえ、今年は柏のオルンガがやばいので(すでに8点)、得点王への道は険しいそうだ。
ということで、この日のMVPは間違いなくエヴェラウド。でも後半のロスタイムに取った駄目押しの4点目も意外と大事だと思う。というのも、得点に絡んだのが、荒木、白崎、伊藤翔という、途中出場の3人だったから。しかもみんな出番はわずか10分足らずの一桁台。
白崎が出てきたのは後半39分で、荒木と伊藤翔に至っては、ロスタイムが3分近く過ぎてからだ。プレー時間はわずか2分足らず。勝っている試合でわざわざ時間稼ぎのためにそんな選手交替させなくたっていいじゃん、モチベーションだだ下がりだろうよって、ザーゴ采配ににひとり文句をいっていたら、最後のワンプレーでそんな選手たちが見事な連携を見せてゴールを奪ってみせてくれてしまった。わずか2分でも取れるときには取れるもんすねぇ……。
といことで、この日の試合は伊藤翔の今季初ゴールが決まってすぐに終了の笛。終わりよければすべてよしじゃないけれど、意外性のある結末がエヴェラウドのハットトリックに花を添えた気持ちのいい試合でした。
そういや、試合前のセレモニーで大分の選手が通算100試合出場とかで花束を贈呈されていて、そのあとの記念撮影に奥様と一緒に三竿健斗が加わっていたので、なぜ? と思ったらそれが兄の三竿雄斗だった(そうか、もうそんなに出てるんだ)。節目の試合が兄弟対決ってなかなか感動的だ。
三竿兄弟、ふたり並ぶとさすがによく似ていますね。できれば鹿島でもっと一緒にプレーさせてあげたかった。
(Aug. 02, 2020)