鹿島アントラーズ2-0清水エスパルス
J1・第32節/2020年12月12日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN
この時期に予定されていたACL出場クラブとの対戦が前倒しで消化済みだったため、今年の過密日程にもかかわらず、二週間ぶりの試合となった清水戦。毎週一、二試合はサッカーを観る生活があたりまえになっていたので、二週間も観る試合がないと、なんか調子が狂ってしまう感あり。
先週末に2位のガンバ大阪が勝ち点を62まで伸ばしたため、アントラーズが2位になる可能性は消滅して、天皇杯出場の夢は果てた。残すはACL出場権を獲得できる順位内に入れるかだけが課題となっている。
なんでも来季からは前年のACL優勝クラブにも出場権が与えられることになったそうで、日本のクラブ(今季はどこもJ1では振るわなかった)が優勝した場合、そのクラブにACL出場権が与えられえて、残る枠は三つとなるとのことだった。つまりその場合は4位になってもACL出場権は得られなかったのだけれど、あいにくFC東京とマリノスはラウンド16で脱落、ヴィッセルも準決勝で敗退したので、結局4位までがACL出場ということになるっぽい。めでたいんだか、めでたくないんだか。
ということで、アントラーズとしては残り2節にしっかり勝って――なおかつ名古屋とC大阪の取りこぼしを期待して――4位までに滑り込むのが最優先課題。現在17位と低迷しているエスパルス相手に取りこぼしている場合じゃない。そういう意味ではきっちりと勝ち点3を取れてなによりの試合だった。
この日のスタメンは沖、小泉、犬飼、町田、山本、三竿、レオ・シルバ、ファン・アラーノ、土居、上田、エヴェラウドの11人。要するに前節とまったく同じ。
コロナで戦線離脱していた永戸が練習に復帰しているという話だけれど、まだコンディションが十分ではないのか、ベンチ入りしていなくて、左サイドは引きつづき山本。右サイドも広瀬がいちどスタメンで出たきり、ふたたび小泉に戻っているし、やはりその辺は現時点でのコンディション的に、ずっとプレーしてきたふたりのほうが上だというザーゴの判断なんだろう。
対するエスパルスは今年就任したばかりのクラモフスキーが成績不振の責任を問われて10月末で解任。現在は平岡宏章という人が指揮を取っていた(僕より三つ年下)。
今季は降格がないから、よほどのことがないと解任なんて話にはならないかと思っていたけれど、やはりあまり負けが込んで最下位に沈んだまま抜け出せないようだと実力を疑われても致し方ないんだろう。
とりあえず清水はこの監督交替が正解だったらしく、11月以降は3勝2分1敗と好調に転じて最下位を脱出しているというので、この日の試合も難しくなるのかと思ったら、そんなことはなかった。前半15分までに上田の2ゴールが決まって、あっという間に勝負あり。その後いくつか危ないシーンもあったけれど、結局は無失点で終わっているし、結果的には順位差通りの楽勝だった。
エスパルスは両SBがエウシーニョとファン・ソッコ、FWにはジュニオール・ドゥトラ(アントラーズにいたときと登録名が違う)というなじみの選手がいて、CBにしては小柄なヴァウド、ボランチにヘナト・アウグストという二人のブラジル人もいた。
要するにフィールド・プレーヤーのうち半数が助っ人だった。外国人枠の五人を使い切っている。残りの日本人プレーヤーは代表歴のあるDF立田を除くと知らない人ばかり。しかも18歳の成岡とか、19歳の鈴木唯人とか、立田も含めて全員が24才以下。スタメンの日本人選手で三十を超えているのはGKの大久保だけだった。
スタメンが経験値の浅い若手と助っ人ばかりというこのいびつなチーム編成に、現在のエスパルスの抱えている問題が透けて見えている気がした。
この日の試合では序盤から幸先よく2ゴールが決まったので、大量得点の予感もあったにもかかわらず、その後は決めきれなかったのが唯一の不満点。綺世にはハットトリックのチャンスが二度ほどあったし、エヴェラウドにも惜しいシュートが二つほどあった。最終的な順位が得失点差で決まる可能性もあるので、できればこの試合で決められるだけ決めておきたかったんだけれどなぁ。まぁしゃあない。
先制点はCKから。ファーに流れたところからエヴェラウドが打ったシュートは大久保に足で止められたものの、その跳ね返りを綺世がきっちりと決めた。
2点目はカウンターからファン・アラーノの絶妙のスルーパスに綺世が抜け出し、GKとの一対一をかわして無人のゴールへボールを流し込んだ。綺世はシュート直後に後ろからきたファン・ソッコにチャージを受けてすっころんでいた。怪我しなくてよかったよ。
怪我といえば、後半にはエヴェラウドが相手との接触プレーで出血して、そのまま鼻血が止まらずに遠藤と交替するという場面もあった。エヴェラウドもお大事に。その他の交替選手は永木、荒木、遠藤の計4人。
さて、ということで今年のアントラーズの試合も残すところあとひとつ。この日の結果で5位以内は確定。でもって、最終節の対戦相手は4位のセレッソ大阪。この局面でACL出場をかけたライバルとの直接対決というのが熱い。
――まぁ、とはいってもセレッソは一試合少ないので、水曜日の鳥栖戦に勝てば勝ち点が62まで伸びて、鹿島が追いつく可能性は消えてしまうのだけれど……。
できればその試合をドロー以下で終わってもらって、直接対決で決着をつけてくれないかなぁと淡い期待を抱いています。
(Dec. 13, 2020)