2021年04月のサッカー

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  1. 04/03 ● 浦和2-1鹿島 (J1・第7節)
  2. 04/07 ○ 鹿島2-1柏 (J1・第8節)
  3. 04/11 △ 札幌2-2鹿島 (J1・第9節)
  4. 04/17 ○ 徳島0-1鹿島 (J1・第10節)
  5. 04/24 △ 鹿島1-1神戸 (J1・第11節)

浦和レッズ2-1鹿島アントラーズ

J1・第7節/2021年4月3日(土)/埼玉スタジアム2002/DAZN

 痛恨の3連敗……。あぁ、今年もやはり駄目なのか……。
 これまでは勝てなくてもザーゴの采配にはそれほど不満はなかったのだけれど、この試合の敗因は完全にザーゴの選手起用ミスだと思った。
 犬飼を前節のレッドカードによる出場停止で、土居を故障で欠いたこの日のスタメンは、沖、常本佳吾、関川、町田、永戸、レオ・シルバ、三竿、荒木、白崎、上田綺世、エヴェラウドという11人だった。
 大卒ルーキーの常本が初スタメン――これがこの試合のいちばんの間違いだと思う。常本はあまりにプレーに安定感がなさすぎた。犬飼がいない右サイドで、関川との若いコンビでは相手の攻撃をきちんと止められない。先制点の場面では得点者の明本がノーマーク、決勝点となったPKも常本が明本を倒して与えたものだった。
 攻撃での貢献もほとんどないし、守備は不安定って。きょうの常本はとても鹿島の右サイドを任せられるレベルじゃないでしょう? なぜに小泉、広瀬、永木ではなく、常本がスタメンなんだか、まったくわからなかった。彼ら三人ともベンチ外だったけれど、よもや三人そろって怪我しているわけではないよな? そもそも初スタメンの選手を起用しておきながら、そのバックアップのメンバーがベンチ入りしていない時点でNGでしょう。
 もうひとつの疑問は白崎の起用。白崎がひどかったというわけではなく――まぁ、いまいち存在感はなかったけれど――ファン・アラーノが今年は成長の跡がうかがえると思っていたので、なぜここで彼ではなく白崎がスタメンなのかが疑問だった。とはいえ、こちらは後半途中から出てきたファン・アラーノの出来がそれほどよくなかったので、だから白崎だったのかと思いはしたけれど……。
 なんにしろ、土居と犬飼という好守の要をふたり欠いた状態で、ルーキーのサイドバックと出場機会が少なくて連携いまいちなMFを加えて強くなるはずがない。
 前節までは負け試合でも基本的にボールを保持して、試合を作れていたから、あとはフィニッシュの精度だけだと思っていたけれど、この試合ではレッズにセカンド・ボールを拾われまくって、終始後手にまわっていた。こんなんで勝てるわけがない。試合後のインタビューでザーゴが自ら「就任以来もっとも出来の悪い試合」だと断言していたけれど、なんだやっぱ本人もそう思ったのかと膝を打ってしまった。
 そうそう、もうひとつこの日のザーゴ采配で疑問だったのが、後半の選手交替。途中から出てきたのは松村、遠藤、ファン・アラーノと、そしてユース上がりのルーキー舩橋佑だった。で、これがJリーグ・デビューの船橋がなんと、三竿と交替でボランチに入った。
 これまでもザーゴが負けている試合で三竿を下げることはあったけれど、それはたいていボランチを一枚にして、攻撃の枚数を増やすためだった。でもこの日はなんと三竿のポジションにそのまま船橋が入った。
 これがよくわからない。それでなにが変わったかというと、なにも変わらなかった。――というか、逆に中盤の構成力が下がって、勝ち目が減ったようにしか思えなかった。船橋はゴールキックからのつなぎのボールを相手に奪われて、あわやってピンチを招いたりしていたし、いったいザーゴは負けている試合で18歳のルーキーになにを期待していたのやら。現時点でキャプテン三竿を上回るなにかを持っているような子には見えなかったんだけれど。ほんとこの日のザーゴの采配は謎だらけだった。負けが混んできて焦るあまり、冷静な判断ができなくなっているんじゃなかろうか。
 対するレッズも、今年はリカルド・ロドリゲス監督のもと新体制となって、ここまで成績が上がらず。補強に失敗したんだかなんなんだか、ベンチ入り含めてスタメンは全員日本人だし、興梠や杉本がベンチを温めている一方で、明本、小泉、武田といった「誰それ?」って選手らがスタメンに名を連ねていたので、きっといまだ試行錯誤を繰り返している状態で、鹿島同様、出来はいまいちなんだろうと思っていたら、意外や意外、そうでもない。きちんとパスをつないで積極的に攻撃を仕掛けてくる。なんだよ、去年よりぜんぜんいいじゃん! でもって、誰それって思った明本にまさか1ゴール1アシストを喫しようとは……。でもってそれをアシストしたのが神戸から移籍してきたばかりの西大伍という……。怪我で出遅れてこの日が初スタメンだったという西に先制アシストを許すあたりも残念ポイントだ。
 殊勲の明本は栃木、小泉は琉球からの移籍組だそうだ(武田は高卒2年目)。浦和みたいな金持ちクラブがなんで外国人ではなくJ2の選手を獲得しているんだって思ったけれど、ちゃんと使える選手選んでるのね……。そういや、ロドリゲス氏って去年まで徳島の監督だったんだっけ。もしかしてJ2の対戦相手だったクラブから目をつけた選手を直接ひっぱってきたのか。そりゃ侮れないな。
 なんにしろ、鹿島にとっては駄目だめな試合でした。スコア上は2失点で済んでいるけれど、それは関根に決められた3点目がVARで取り消しになったからだ(途中で武藤がハンド)。槙野のゴールが興梠のオフサイドで取り消されもした。あれらが決まっていたら、ほんともう目もあてられなかったよ。せっかく関川がプロ初ゴールを決めたのに、これでは喜びも半減以下だろう。
 この日は上田が開幕戦以来のスタメンに復帰したけれど、やっぱ彼とエヴェラウドのツートップがいまだノーゴールではなぁ……。やっぱ勝てないよなぁ。
 とりあえず、次だ次。次節、犬飼が帰ってきてどうなるかに注目だ。これ以上負けが混むようだと、今シーズンは最後まで観ないで途中で離脱するかも……。
(Apr. 03, 2021)

鹿島アントラーズ2-1柏レイソル

J1・第3節/2021年4月7日(水)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 いやー、リーグ戦では5試合ぶりの勝利。前回勝ったのは3月10日とかいっちゃって。もう一ヵ月近く前じゃん……。なんか喜んでいいのやら、嘆いていいのやら、複雑な気分。
 ひさびさの白星を飾ったスタメンは、沖、小泉、犬飼、町田、永戸、船橋、レオ・シルバ、ファン・アラーノ、荒木、上田、エヴェラウドというメンツだった。
 なんと、前節でどこがよかったんだかわからないルーキー船橋が三竿を押しのけて初スタメン。まぁ、三竿も今季は最初からぴりっとしないので、活を入れる意味もあるのかもしれない。
 船橋はルヴァン杯で福岡に5-1で大勝した試合で活躍したらしいのだけれど、いったいどんなにすごいプレーをしたのやら。この試合では序盤に、柴崎っぽいスルーパスを通すシーンがあって、なるほど、こういうセンスがザーゴのお気に召したのかと思った。でも、やっぱ守備面ではまだまだものたりない。現状では三竿や永木を差し置いてのスタメンは時期尚早ではないかと思うんだが。
 まぁ、なんでも噂の新外国人ピトゥカが先週ようやく来日したそうなので(祝)、今月の後半にになればその人が出てきて、ボランチのレギュラー争いはなおさら熾烈になるんだろう。そうなると三竿の立場もどうなることやら。
 対するレイソルは得点王オルンガをオイルマネーで引き抜かれて得点力半減、今年はわかりやすく苦境に陥っている。順位は降格圏内の17位。でもって鹿島がその上の16位。つまりこの試合は降格争いのボーダーラインを跨いでの直接対決だったわけだ(ちと情けない)。
 ということで、ともに今季は得点力不足に悩む実力チームどうし。この日の試合もなかなか点が入らない渋い内容になった。
 試合が動いたのは後半18分。DFラインの裏をとってファン・アラーノからのスルーパスを受けた上田綺世がGKのキム・スンギュをかわして技ありの今季初ゴール! ようやくエースの片方が大きな仕事をしてくれた――と喜んだのもつかの間。
 そのわずか2分後に、自軍まで下がってボールを受けたエヴェの不用意なバックパスからピンチを招き、途中出場の仲間隼斗という選手に見事なゴールを決められてしまう。
 この試合ではエヴェラウドに限らず、そういう危なっかしいパスがすごく多かった。その後もサイドからクロスを入れられて間一髪!――ってシーンが二度、三度。もういつ逆転ゴールを奪われてもおかしくないような感じだったから、きょうもまた駄目なのかも……と思った。そんな試合を救ったのは、そこから途中出場で出てきた選手たち。
 まずは同点ゴールの直後に登場したのが故障明けの土居聖真。そして残り時間10分ちょいという時間帯にいっきに四人替えという荒技で出てきたのが、白崎、三竿、永木、染野ら。まぁ、彼らが出てきたから極端に内容がよくなった、なんてこともないんだけれど、やはり三竿と永木のダブル・ボランチには守備的な面での安心感があるし、中盤のつなぎ役として土居の存在感はとても大きかった。
 そして、ここぞで重要な決勝ゴールを決めてくれたのが白崎! 前節で僕がくさした白崎がチームに勝利をもたらし、逆に僕が先発出場を期待したファン・アラーノがこの日は球離れの悪い、視野の狭いプレーで失望の的となるという。サッカーって難しいよねぇって思わせる試合でした。
 まぁ、とりあえず勝ててよかった。でも、すでに首位との勝ち点差が18とかいって、洒落になっていないけれど。
(Apr. 07, 2021)

北海道コンサドーレ札幌2-2鹿島アントラーズ

J1・第9節/2021年4月11日(日)/札幌ドーム/DAZN

 前半20分までに2-0とリードしながら、結局同点に追いつかれて終わってしまったアウェイの札幌戦。あぁ、勝っておきたかった……。
 この日のスタメンは沖、小泉、犬飼、町田、永戸、三竿、レオ・シルバ、ファン・アラーノ、土居、上田、エヴェラウドの11人。途中出場は白崎、永木、遠藤、荒木の4人。
 スタメンは土居が復帰して、現時点でのベスト・メンバーだと思う。でもって、そんな期待にたがわず、前半途中までにあっけないほど簡単に点が取れて、ひさびさの楽勝ムードが漂った。先制点はファン・アラーノが強引に打ったシュートのディフレクションを、左サイドにフリーでつめていた永戸が右足で豪快に決めたもの。2点目は右CKから、一度は跳ね返されたボールを(たぶん小泉が)ヘディングでゴール前に放り込んで、最後は綺世が胸トラップから技ありのシュートを決めたもの。
 よし、これできょうの勝ち点3はもらった! あとはスコアレスで勝てるかどうかが課題だ――と思ったら、そのわずか6分後に失点してしまうんだからがっかりだ。セットプレーからのこぼれ球を田中駿汰に決められてしまった。
 あそこでこぼれ球が田中の足元にきれいに納まってしまったのは不運だけれど、それにしても守り切れないよなぁ……。まぁ、なにはともあれ、田中のDFらしからぬ落ち着いたゴールはお見事でした。
 このゴールでとたんに展開があやしくなった。もとより、序盤から内容的によかったのは札幌で、たまたま鹿島が運よく2点を先行できたから、そのまま守れれば……と思っていたけれど、正直なところ1点差で勝ち切れるだけの安定感はいまのチームにはない。
 実際にいつ同点にされてもおかしくないような際どいシーンがいくつもあった。それでもなんとか後半途中までリードを守っていられたのは、沖がファイン・セーブを連続してピンチをしのいでくれたからこそ。沖は本当に反応がいいわ。素晴らしい。
 でもそんな沖の奮闘むなしく。後半25分に永戸がペナルティ・エリアぎりぎりでファールを与えてしまい、PKの判定。きわどかったからVARのオンフィールド・レビューがあったけれど判定はくつがえらず(でもやっぱあれは外だと思うぞ?)。これを現在得点王ランキングトップのアンデルソン・ロペス――8得点のうち半分がPKらしい――にきっちりと決められ、勝ち点3が手からこぼれ落ちてしまった。
 永戸は先制点と同点のPKの両方に絡んだので結果はイーヴン。どちらかというと永戸より、彼のファールの直前で相手のドリブル突破を止めそこなった町田の守備の軽さが問題だと思った。あそこは町田がファールをしてでも止めないと駄目でしょう? そんな守備してたら五輪代表に選ばれるのは無理だと思うぞ。
 まぁ、ということでこの試合はそのPKの同点弾で打ち止め。上田綺世のヘディングがポストをたたいたり、途中出場の荒木のシュートが菅野に止められたりと、惜しいシーンもあったけれど、でも追加点が取れそうだったシーンはそれくらい(いまだエヴェラウドが不発のままってのが痛い)。どちらかというと相手に3点目を決められそうなシーンのほうが多かった気がする。
 ということで、内容的には互角か、相手がやや優勢って試合だったので、結果は順当だといわざるをえない。勝敗を問わずに観られれば、とても内容のあるおもしろい試合だったと思う。まぁ、そういうわけにはいかないんだけれどねぇ。
 ちなみにこの試合が始まる前の順位は13位と14位(札幌が上)。前節につづいて下位争いの直接対決だったわけだ。で、ドローに終わってともに順位をひとつずつ下げるという結末。うーん、まじで勝って終わりたかった……。
(Apr. 11, 2021)

徳島ヴォルティス0-1鹿島アントラーズ

J1・第10節/2021年4月17日(土)/鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム/DAZN

 ザーゴ監督が解任されてしまった。
 ピトゥカとカイキが合流するまでは我慢するかと思っていたけれど、Jリーグがこの週末から5月末までにルヴァン杯を含めて週2試合ずつ計13試合をこなす過密日程に入るので、決断するとするならばこのタイミングしかなかったということらしい。
 まぁ、ザーゴはこの一年ちょいでの勝率が5割に満たないというのだから、解任も致し方ないかなぁと思う(公式戦通算48試合で23勝7分18敗だそうだから勝率48%)。3回に1回は負けているようでは、常勝を語るのはおこがましい。
 後任にはコーチだった相馬直樹がそのままスライドで就任した。つまりセレーゾのあとを受けた石井監督のときと同じパターン(鹿島の伝統?)。今井のときは2ステージ制だったこともあり、それが功を奏したけれど、今年も川崎がここまで無敗で首位を独走している状況なので、巻き返しの困難さはあの年の比較にならない。そもそも町田や川崎で結果を出せなかった相馬の監督としての手腕も疑問だし。でもまあ、もう舵を切ってしまったんだから致し方なし。ここから少しでも成績をあげていってもらえるよう期待するっきゃない。
 ということで、相馬監督のもと再出発することとなったアウェイでの徳島戦。
 徳島も監督人事ではごたついていて、J1昇格を成し遂げたロドリゲス監督を浦和に引き抜かれ、同じスペイン人の後任監督のポヤトス氏はコロナの入国規制でずっと日本に入国できず、この日が初采配ということだった。つまりこの日の試合は偶然にも初監督どうしの初陣だったわけだ。
 でもって、結果は1-0で鹿島の勝ち。ザーゴ監督のもと、リーグ戦では今季はこれまで一度も無失点での勝利がなかったことを考えると、相馬監督の初勝利が鹿島の伝統ともいうべきウノゼロだったのには、僕なんかには理解できない、それなりのわけがあるのかもしれない。まぁ、内容はいまいちだったけれど、とりあえず初戦を制したのはめでたい。
 この日のスタメンで驚いたのは、エヴェラウドとファン・アラーノがベンチ入りさえしていなかったこと。
 もしやザーゴ解任を受けてのボイコットか――もしくは結果が出せないエヴェに対する相馬の意思表示か、いずれにせよ、すわ一大事!――と思ったりもしたけれど、その後にググって鹿島では今週あたまに新型コロナ感染者が二名出ていたことを思い出した。感染者は先週の札幌戦に帯同していた選手とのことなので――でもって、このご時世に試合に出ない選手をわざわざ北海道まで連れてゆくとも思えないので――その試合にベンチ入りして、今回欠場しているブラジル人ふたり(または小泉)の可能性が大。火曜日のルヴァン杯でもふたりが欠場するようならば、ほぼ確定でしょう。
 ということで、相馬監督の初陣の先発を飾ったのは、沖、常本、犬飼、町田、永戸、三竿、レオ・シルバ、白崎、荒木、土居、綺世の11人。途中出場は遠藤、広瀬、染野、永木の4人だった。
 浦和戦ですっかり僕個人の信頼を失った常本がスタメンだというので、おいおい大丈夫かと思ったけれど、この日は前回よりはマシだった。少なくてもいくつかは好プレーがあったし。でも現時点では広瀬のほうが上だと思うんだけど。伊東幸敏を放出したのも、常本の将来性に期待するところが大きいからなのか。よくわからない。
 試合が動いたのは前半31分。永戸の右からのコーナーキックを町田がヘディングで決めた。CBがヘディングで決めた1点を守り切っての勝利ってパターンがやたらと懐かしい。――というか、なんでザーゴにはこれができなかったんだか。
 対する徳島はここまで4勝(鹿島の倍)しているというだけあって、なかなかいいサッカーをしていた。内容だけならば、あちらのほうが上だったんじゃないかと思う。去年までにロドリゲス監督が植えつけた戦術がきちんと浸透していて、今年になってもぶれがないってことなんでしょう。新監督のもとでもその好調さを維持できるかが今後の課題とみた。
 まぁ、なんにしろ相馬監督の白星発進はめでたい。この先どれだけ白星を積み重ねてゆけるのか、お手並み拝見だ。
(Apr. 18, 2021)

鹿島アントラーズ1-1ヴィッセル神戸

J1・第11節/2021年4月24日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 相馬監督就任後のリーグ戦2試合目は神戸とドローという結果に終わった。
 スタメンは沖、常本、犬飼、町田、永戸、三竿、レオ・シルバ、白崎、土居、荒木、上田という11人。途中出場は遠藤、小泉、染野、小泉の4人。
 札幌戦のあと出番がなかった小泉が戻ってきたので、ルヴァン杯を含めて3試合連続でベンチ外のエヴェラウドとファン・アラーノが新型コロナで陽性だったのは決定的。となると復帰まで一ヵ月くらいは覚悟しないとなんないんだろう。
 そんなエヴェラウドがいない状況で、困ったことにこの試合では綺世が右腕を傷めてしまった。ヒーローインタビューで具合を聞かれて「リリースが出ると思うのでそれまで待って」というようなことをいっていたので、次節以上は欠場の可能性が濃厚。もう使えるFWは染野ひとりしかいないじゃん。危惧していたFW不足が早くも問題化している。リスク管理がなってない。
 まぁ、ピトゥカとカイキが合流して、この日はスタンドで試合を観戦していたので、来週は彼らもベンチ入りするだろう。それでFW不足が解消するわけではないけれど、新戦力が加わるのは単純に楽しみだ。
 神戸も去年怪我をしたイニエスタがいまだ復帰せず。でも古橋はすっかりFWとして覚醒した感があるし、サンペールはやたらと視野が広くてパスの精度も高くて厄介だし、最近評判のDF菊池流帆はなるほどいい選手で、フェルマーレン(なぜいないんだ?)の穴を感じさせない。新外国人のアユブ・マシカはやたら腿が太いし(あまり関係ない)、GK前川はベテランっぽい顔して意外と若い(26歳)。さすが現時点で6位と健闘しているだけある。今年の神戸はひと味違うかもと思わせた。
 先制点はそんな神戸。マシカのアシストから古橋が技ありのループを決めた。
 あの場面は常本がカバーに入ったことでオフサイドが取れなかったのが痛かった。この日の常本はけっこう攻撃に絡んでいて、意外とまわりから信頼されているのはわかったけれど、やっぱ守備の面でいまいち信用しきれないんだよなぁ……。
 古橋にはもう一本、カウンターから見事なシュートを決められて、これで万事休すかと思ったら、そちらはオフサイドで助かった。
 対するこちらは荒木がGKとの一対一のチャンスを止められたり、土居が永戸の絶妙なクロスからヘディングを打ったけれど、枠をとらえきれなかったりして、前半はスコアレスのまま終了。
 後半も試合内容は悪くないんだけれど、決定的なチャンスは作れない展開がつづいて、こりゃ相馬初黒星か――と思った試合をなんとか救ったのは綺世。三竿からのスルーパスを受けて、競りあいながら打ったシュートが神戸のCB小林(なんと2000年生まれの背番号3)にあたってゴールネットを揺らした。すでにその時点で腕を痛めていたのに、交替の直前に結果を残して去っていったのが偉かった。
 なんでも神戸にはここ数年カシマスタジアムで勝てていないんだそうだ。この日もそんな相性の悪さが出てしまった一戦だった。
 まぁ、とりあえず勝ち点1を積み上げたのがせめてもの救いだ。
(Apr. 25, 2021)