浦和レッズ2-1鹿島アントラーズ
J1・第7節/2021年4月3日(土)/埼玉スタジアム2002/DAZN
痛恨の3連敗……。あぁ、今年もやはり駄目なのか……。
これまでは勝てなくてもザーゴの采配にはそれほど不満はなかったのだけれど、この試合の敗因は完全にザーゴの選手起用ミスだと思った。
犬飼を前節のレッドカードによる出場停止で、土居を故障で欠いたこの日のスタメンは、沖、常本佳吾、関川、町田、永戸、レオ・シルバ、三竿、荒木、白崎、上田綺世、エヴェラウドという11人だった。
大卒ルーキーの常本が初スタメン――これがこの試合のいちばんの間違いだと思う。常本はあまりにプレーに安定感がなさすぎた。犬飼がいない右サイドで、関川との若いコンビでは相手の攻撃をきちんと止められない。先制点の場面では得点者の明本がノーマーク、決勝点となったPKも常本が明本を倒して与えたものだった。
攻撃での貢献もほとんどないし、守備は不安定って。きょうの常本はとても鹿島の右サイドを任せられるレベルじゃないでしょう? なぜに小泉、広瀬、永木ではなく、常本がスタメンなんだか、まったくわからなかった。彼ら三人ともベンチ外だったけれど、よもや三人そろって怪我しているわけではないよな? そもそも初スタメンの選手を起用しておきながら、そのバックアップのメンバーがベンチ入りしていない時点でNGでしょう。
もうひとつの疑問は白崎の起用。白崎がひどかったというわけではなく――まぁ、いまいち存在感はなかったけれど――ファン・アラーノが今年は成長の跡がうかがえると思っていたので、なぜここで彼ではなく白崎がスタメンなのかが疑問だった。とはいえ、こちらは後半途中から出てきたファン・アラーノの出来がそれほどよくなかったので、だから白崎だったのかと思いはしたけれど……。
なんにしろ、土居と犬飼という好守の要をふたり欠いた状態で、ルーキーのサイドバックと出場機会が少なくて連携いまいちなMFを加えて強くなるはずがない。
前節までは負け試合でも基本的にボールを保持して、試合を作れていたから、あとはフィニッシュの精度だけだと思っていたけれど、この試合ではレッズにセカンド・ボールを拾われまくって、終始後手にまわっていた。こんなんで勝てるわけがない。試合後のインタビューでザーゴが自ら「就任以来もっとも出来の悪い試合」だと断言していたけれど、なんだやっぱ本人もそう思ったのかと膝を打ってしまった。
そうそう、もうひとつこの日のザーゴ采配で疑問だったのが、後半の選手交替。途中から出てきたのは松村、遠藤、ファン・アラーノと、そしてユース上がりのルーキー舩橋佑だった。で、これがJリーグ・デビューの船橋がなんと、三竿と交替でボランチに入った。
これまでもザーゴが負けている試合で三竿を下げることはあったけれど、それはたいていボランチを一枚にして、攻撃の枚数を増やすためだった。でもこの日はなんと三竿のポジションにそのまま船橋が入った。
これがよくわからない。それでなにが変わったかというと、なにも変わらなかった。――というか、逆に中盤の構成力が下がって、勝ち目が減ったようにしか思えなかった。船橋はゴールキックからのつなぎのボールを相手に奪われて、あわやってピンチを招いたりしていたし、いったいザーゴは負けている試合で18歳のルーキーになにを期待していたのやら。現時点でキャプテン三竿を上回るなにかを持っているような子には見えなかったんだけれど。ほんとこの日のザーゴの采配は謎だらけだった。負けが混んできて焦るあまり、冷静な判断ができなくなっているんじゃなかろうか。
対するレッズも、今年はリカルド・ロドリゲス監督のもと新体制となって、ここまで成績が上がらず。補強に失敗したんだかなんなんだか、ベンチ入り含めてスタメンは全員日本人だし、興梠や杉本がベンチを温めている一方で、明本、小泉、武田といった「誰それ?」って選手らがスタメンに名を連ねていたので、きっといまだ試行錯誤を繰り返している状態で、鹿島同様、出来はいまいちなんだろうと思っていたら、意外や意外、そうでもない。きちんとパスをつないで積極的に攻撃を仕掛けてくる。なんだよ、去年よりぜんぜんいいじゃん! でもって、誰それって思った明本にまさか1ゴール1アシストを喫しようとは……。でもってそれをアシストしたのが神戸から移籍してきたばかりの西大伍という……。怪我で出遅れてこの日が初スタメンだったという西に先制アシストを許すあたりも残念ポイントだ。
殊勲の明本は栃木、小泉は琉球からの移籍組だそうだ(武田は高卒2年目)。浦和みたいな金持ちクラブがなんで外国人ではなくJ2の選手を獲得しているんだって思ったけれど、ちゃんと使える選手選んでるのね……。そういや、ロドリゲス氏って去年まで徳島の監督だったんだっけ。もしかしてJ2の対戦相手だったクラブから目をつけた選手を直接ひっぱってきたのか。そりゃ侮れないな。
なんにしろ、鹿島にとっては駄目だめな試合でした。スコア上は2失点で済んでいるけれど、それは関根に決められた3点目がVARで取り消しになったからだ(途中で武藤がハンド)。槙野のゴールが興梠のオフサイドで取り消されもした。あれらが決まっていたら、ほんともう目もあてられなかったよ。せっかく関川がプロ初ゴールを決めたのに、これでは喜びも半減以下だろう。
この日は上田が開幕戦以来のスタメンに復帰したけれど、やっぱ彼とエヴェラウドのツートップがいまだノーゴールではなぁ……。やっぱ勝てないよなぁ。
とりあえず、次だ次。次節、犬飼が帰ってきてどうなるかに注目だ。これ以上負けが混むようだと、今シーズンは最後まで観ないで途中で離脱するかも……。
(Apr. 03, 2021)