2021年8月のサッカー

Index

  1. 08/09 ○ 湘南1-2鹿島 (J1・第23節)
  2. 08/15 ○ 鹿島3-0徳島 (J1・第24節)
  3. 08/21 ● 神戸1-0鹿島 (J1・第25節)
  4. 08/25 ○ 清水0-4鹿島 (J1・第26節)
  5. 08/28 ○ 横浜FM0-2鹿島 (J1・第27節)

湘南ベルマーレ1-2鹿島アントラーズ

J1・第23節/2021年8月9日(月)/レモンガススタジアム/DAZN

 東京オリンピックが終わって、祝・Jリーグ再開~。
 この中断期間中に安西、ブエノが海外から戻ってきて、熊谷コーチが突然の退団。そしてこの試合の翌日には杉岡、小泉の移籍が発表されるという、なかなか波乱の後半戦スタートとなっている。
 熊谷がなぜ辞めたかはわからないけれど、G大阪戦で彼ではなくパシェコ氏が指揮をとった時点で、おやっとは思ったんだよな。ブエノはすでにブラジル人が5人もいる状況では、戻ってきてもきっと出番がないまま、また移籍って話になりそうだし。杉岡、小泉も残念だなぁ。あ、あと大迫勇也の神戸への移籍が決まってしまったものなんというか……。なにかといろいろ複雑な気分になる情報の多いこのところだった。
 試合のほうもあいかわらず出来はいまいち。でも、先制こそ許したものの(今季ここまで無得点の大橋という選手に見事なダイレクト・ボレーを決められた)、犬飼のラッキー・ゴール二つで逆転勝利をあげたので、まずは結果オーライという一戦だった。
 この日のスタメンは沖、常本、林、犬飼、永戸、三竿、レオ・シルバ、ファン・アラーノ、荒木、土居、エヴェラウドという構成。途中出場は和泉、松村、遠藤、安西、永木だった。
 ピトゥカがベンチ入りしていなかったのが気にかかるポイントだ。次節は6日後なので、温存したわけではないだろうし。退団した人たちのこともあるし、チームが上手くいっているのか、ちょっと心配になる。
 あと、五輪帰りの上田は欠場、町田もベンチ入りこそすれど出番なし。対する湘南では、五輪で全試合に出場したGKの谷が早速スタメン出場していた。
 谷は五輪で大活躍したようだけれど、個人的には彼をGKに起用した森保采配には納得ゆかない。僕には谷が大迫敬介やそのほかの五輪世代のGKよりも優れていると考える判断材料がないので、それだったらずっと戦ってきた大迫が正GKであるべきだったと思っている。
 その点は五輪のほとんどの試合でワントップに起用された林大地もそう。彼が五輪でどれだけいいプレーをしようとも――まぁ無得点に終わったFWが本当によかったのか疑問だけれど――当初はサポートメンバーとして最終選考から外した選手を大半の試合で起用している時点で、森保にきちんにとした戦略的ビジョンがなかったのは明らかだと思う。
 谷や林にはなんの悪感情もないのだけれど、どうにも僕には彼らふたりが森保の駄目さ加減の象徴に思えてしまって仕方ない。彼らが今後A代表に定着してレギュラーとしてプレーするようになれば、いくらか森保を見直すかもしれない。
 いやしかし、この日の谷はちょっと気の毒だった。犬飼のゴールはどちらも谷にとっては不運でしかなかったから。1点目は思い切りよく打ったミドルシュートがバーをたたいた跳ね返りが谷の腕にあたってゴールインしてしまったものだし、2点目もリフレクションでコースが変わって反応しきれなかった。五輪に大抜擢された幸運さがこの試合で帳尻をあわせに来たんじゃなかろうかって感じだった。お気の毒さま。
 しかしまぁ、犬飼の2ゴールで勝つなんて試合、そうそう観られないでしょう。なんともレアな白星だった。
(Aug. 10, 2021)

鹿島アントラーズ3-0徳島ヴォルティス

J1・第24節/2021年8月15日(日)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 前の試合の感想を書いたその日に、白崎まで鳥栖へのレンタル移籍が発表されてしまった。
 現時点で自分たちより上の順位にいるクラブに、小泉と白崎という確実に戦力アップが計算できる選手たちを譲るってどういうことさ?――という愚痴まじりで観戦した徳島ヴォルティス戦。
 この日のスタメンは沖、常本、犬飼、町田、永戸、三竿、レオ・シルバ、荒木、和泉、土居、エヴェラウドの11人。途中出場は上田、永木、遠藤、カイキ、安西の5人だった。
 またもやピトゥカがいないと思ったら、なんでも鹿島では8月の頭にひとり新型コロナの陽性患者を出しているそうなので、それがピトゥカだったのかもしれない。でも、だとすると、鹿島のブラジル人はいささか感染率が高すぎる気が……。
 そのほかだと五輪代表から戻った町田、上田が出場したのがトピック。次節くらいからようやく通常運転に戻れそうだ。
 試合のほうは荒木のひとり舞台って感じだった。前半5分にFKが壁にあたってコースが変わるラッキーなゴールで先制点をあげると、後半35分には技ありのゴールで2点目。その直後にはあわやハットトリックかというシュートも決めている(惜しくもオフサイド)。得点の場面以外にも見せ場を多く作ったし、この試合のMVPはまちがいなく荒木でしょう。いまの鹿島には欠かすことのできない存在になってきた感がある。やっぱ海外のクラブに引き抜かれるのも時間の問題なんだろうなぁ……。
 鹿島の3点目は途中出場の永木があさっての方向に打ったシュートを、町田がワンタッチで見事にゴールへと流し込んだもの。町田、FW顔負けのナイス・ゴールでした。これが今季5ゴール目。犬飼も前節の2得点で5ゴールだから、CBコンビふたりで合計二桁得点ってのがなにげにすごい。
 徳島は4バックのうちの3人がブラジル人――でもって外国人はそれだけ――という、まずは守備ってチームだったから、攻撃はほとんどふるわず。後半は1本のシュートも打たせなかった。まぁ、特別にこちらの出来がよかったとは思わないけれど、粘り強いディフェンスで無失点に抑えているし、スコア的には文句なしの、ひさしぶりに気持ちのいい快勝だった。
 この日の勝利でなんと順位は3位! 暫定ながらACL出場圏内! 序盤戦での不調を思えば、よくぞここまでがんばった。あとはこの調子をどこまで維持できるかだ。
(Aug. 16, 2021)

ヴィッセル神戸1-0鹿島アントラーズ

J1・第25節/2021年8月21日(土)/ノエビアスタジアム神戸/DAZN

 セルティックに移籍して大活躍している古橋の後釜に、武藤、大迫という日本代表の海外組FWを逆輸入したヴィッセル神戸との一戦。
 いまだ大迫は合流していないけれど、武藤はこの日が初のベンチ入り。でもって後半の頭から出てきて、決勝点の起点となるプレーで勝利に貢献してみせた。あれはオフサイドかと思ったんだけどなぁ。VARが介入しなかったからオンサイドだったんでしょう。ちくしょうめ。
 なんにしろ、ここまでリーグ得点王だった古橋が抜けて、サンペールも出場停止だし、武藤も合流したばかりでまだ未知数だから、いくらイニエスタが上手かろうと、この試合は勝てるだろうと踏んでいたんだけれどなぁ……。3位争いをしている相手との直接対決を落としたのは痛い。鳥栖、名古屋にも再び追い抜かれてしまい、順位は6位に後退。鳥栖は小泉、白崎がそろって出場して快勝してるし。だから移籍させちゃいかんだろうって話だよ……。
 この日の鹿島はスタメンが沖、常本、犬飼、町田、永戸、レオ・シルバ、ピトゥカ、荒木、和泉、土居、エヴェラウドの11人、途中出場は安西、上田綺世、遠藤、カイキ、永木の5人だった。
 新型コロナかと心配されたピトゥカは水曜日の天皇杯で無事復帰して、この日もスタメン(では誰が陽性なんだ)。
 試合内容については、前半は家庭の事情でピザとか食いながら観ていたので、いまいち集中しきれず。でもまぁ、全体的に出来はこの日も決してよくはなかった思う。
 失点は後半の34分。武藤が起点となって最終ラインの裏へと抜けだし、斜めのクロスを放つと、このボールをニアのドウグラスがスルーして、最後は山口蛍に体で押し込まれた。あと一歩だけこちらの守備が速ければ防げたんでは……という気がする、なんとなくもったいない感じの失点だった。
 まぁ、点を取られたのは致し方ないけれど、せめて1点を返して、勝ち点1でも積み上げられなかったのが残念だ。
 残念といえば、神戸はルヴァン杯も天皇杯も敗退してしまっているっぽいので、今年はこれが最後の対戦みたいだ。どうせならば大迫がいる神戸と戦いたかったぜ……。
(Aug. 22, 2021)

清水エスパルス0-4鹿島アントラーズ

J1・第26節/2021年8月25日(水)/IAIスタジアム日本平/DAZN

 開幕戦で惨敗を喫した清水が相手だけど、よもや連敗なんてことはないよな?――といささか不安に思っていたら、予想外の圧勝に終わったアウェイでの一戦。
 前節から中3日ってことで、この日はスタメンがなかなかふるっていた。GK沖はいいとして、右SBに安西がリーグ戦初スタメン、犬飼が出場停止なので、CBのコンビは林と町田で、左が永戸、三竿とディエゴ・ピトゥカのダブル・ボランチに、攻撃的MFが遠藤康とアルトゥール・カイキ(この人もリーグ戦はこれが初スタメン)、そして荒木と上田綺世のツートップという布陣。
 要するにスタメンの約半分がこのところスタメンで出番のなかった選手たちだ。それなのに4ゴールも決まっちゃうという。これだからサッカーはわからない。
 先制点は上田綺世。ピトゥカからのパスを受けて、技ありのミドルをたたき込んだ。
 これが前半18分。早めの得点で楽な展開になったせいか、その後は清水に攻め込まれて危ないシーンも多かったけれど、前半の最後にカイキが追加点をあげた時点できょうはもらったって感じだった。
 後半途中で荒木、上田を土居、エヴェラウドにスイッチ。3点目はそのエヴェがカウンターで右サイドを攻めあがってクロスを上げ、それをファーで遠藤が折り返して、最後は和泉が決めるという形。見事な連携だった。
 残り5分でピトゥカ、永戸をレオ・シルバ、常本に替えて、安西を左SBに移動。そのあとに生まれた駄目押しの4点目は遠藤が得意の角度から決めたものだった。
 ということで、4得点すべてが最近はスタメンで出場していない選手たちの得点という結果。こりゃ次の試合――なんと最近絶好調の2位F・マリノスが相手だ――で相馬がどんな選手起用をしてみせるか楽しみだ。
 そういえば、この日はベンチにブエノの名前があったのも驚きだった(そのため外国人枠の関係でクォン・スンテがベンチ外)。どうせならばプレーを観たかったけれど、大差がついたこともあり、残念ながらDFの出番はなし。それにしてもこの局面で関川ではなくブエノをベンチに入れるってことは、謎のコロナ感染者は関川なのかな。
 対する清水は開幕戦のときとはかなりメンバーが入れ替わっていた。権田、原輝綺、ヴァウド、片山、チアゴ・サンタナはそのままだけれど、あとの半分は知らない選手。ベンジャミン・コロリ(名前がインパクト大)とホナウドとかいう新外国人や、鳥栖から移籍してきた松岡大起(気がつけば20歳)などがいて、おまけに神戸のFW大増強のあおりでレンタルに出された藤本憲明が後半途中から出てきたりする。
 まったく、また藤本にゴール決められんじゃないかとハラハラだったぜ。彼にゴールを許さなかったの、初めてじゃなかろうか。もしかしたら4得点よりも、無失点に抑えたことのほうが価値があるかもって思ってしまった。
 裏ではこの日なんと川崎がついに負けた! しかも相手は伏兵アビスパ! 福岡グッジョブ!! でもってこの結果、なんと2位のF・マリノスと川崎の勝ち点の差はわずか1ですって。なんてこった。今年は川崎の独走だと思っていたのに、いつのまにかそんなことになっているとは。次節のマリノス戦はとても大変そうだ。
(Aug. 25, 2021)

横浜F・マリノス0-2鹿島アントラーズ

J1・第27節/2021年8月28日(土)/日産スタジアム/DAZN

 首位・川崎を勝ち点1の差で猛追している横浜F・マリノスとの対戦。
 去年から破竹の勢いで勝ち続けていて、今年も無双かと思っていたフロンターレとほぼ同じ成績を残しているって、そりゃどういうことだと思ったら、F・マリノスはリーグ戦でここまでわずか2敗しかしていなかった。
 そのうちの1敗が首位・川崎との開幕戦――。
 そしてもう1試合が5月のアウェイでのアントラーズ戦。
 つまり中断期間を挟むとはいえ、前回鹿島に負けて以降、3ヵ月以上も負け知らずだったわけだ。その間にこちらが4敗しているのを考えると、その成績は驚異的。
 しかもマリノスは6月にポステコグルーをセルティックに引き抜かれて監督が変わっている。監督交替をものともせずに好調を維持しているのがなによりびっくりだ。
 なんでも後任監督のケヴィン・マスカット氏は、かつてポステコグルーがメルボルン・ビクトリーの監督だったときに彼の下でコーチをしていて、ポステコグルーが代表監督に引き抜かれたあとを引き継いだ経歴があるとのことで、つまりポステコグルーの後釜を務めるのはこれが二度目らしい。それにしても嘘みたいにスムーズにクラブを引き継いだもんだ。素直に感心しちゃいました。
 そうそう、マリノスでおもしろかったのは、そのマスカット監督がスキンヘッドだったこと。もとよりマリノスにはマルコス・ジュニオールと前田大然がいるから、そこに監督も加わってスキンヘッドがじつに三人。そんなクラブ、珍しくないですか? お寺じゃあるまいし。
 ということで、スキンヘッド三人衆を擁するマリノスは絶好調らしいけれども、とはいえ前回の対決では鹿島が土居聖真のハットトリックなどで大勝している。あの試合で2ゴールを許したオナイウ阿道も海外移籍してしまっていなくなっているし、前回は欠場していた仲川が復帰していたり、レッズから杉本健勇が移籍してきたりしているけれど、相対的にみると成長著しいオナイウが抜けた穴のほうが大きそうに見える。
 だから、意外と恐るるに足らずでは?――と思っていたらずばり。鹿島が2-0で快勝してみせてくれた。
 マリノスの敗因のひとつは守備の要のチアゴ・マルチンスが欠場していたことではと思う。かわりを務めたのは、大分から移籍してきた岩田智輝だったけれど、本来はSBで高さのない岩田をCBとして起用するあたり、守備面での台所事情は意外と苦しいのではないかと思わせた。
 実際に先制点の場面では、土居のクロスが岩田の頭上を通過して荒木のゴールが生まれているわけで。やっぱCBには高さが必要なんだろうなぁって思わされる先制点だった。とはいえ、決めた荒木も背は低いですけどね。荒木のヘディングでのゴールって珍しくない?――って思ったら、やはりこれがプロ初とのこと。
 ということで、荒木の先制ゴールが生まれたのが前半15分のこと。早い時間に先制できたことで、試合はかなり楽になった。
 その15分後には自軍深くでボールを持ったピトゥカが長距離をひとりドリブルで攻め上がり、並走していた綺世に絶妙なラストパス。畠中の裏をとってGKと一対一になった綺世は、落ち着いて高丘の股間を抜く技ありのシュートで追加点を奪ってみせた。これで前半だけで2-0。試合はがぜん優位になった。
 マリノスが気の毒だったのは、その2点目の場面で畠中が脚を痛めて途中退場を余儀なくされてしまったこと。あの感じだと筋肉系の故障だろうから、すぐには戻ってこれないんじゃなかろうか。川崎の独走を阻める唯一のチームが守備の中心選手をつづけて欠く展開は、よそさまのこととはいえ残念だ。
 そうそう、そういえばこの日のマリノスは扇原もいなかったんだった。かわりに喜田(なんとキャプテンだった)とボランチでコンビを組んでいたのは天野。守備力という点ではその点もあきらかにマイナスでしょう。チアゴ・マルチンスと扇原というセンターラインの守備の要をふたりも欠いていた点で、今回の対戦では初めから鹿島に有利だったのではないかと思う。
 ま、なんにしろそんなわけで、この試合は前半のその2点を守り切って、鹿島がそのまま逃げ切り。後半は三竿、ピトゥカを残したままレオ・シルバを入れたり、永戸、常本を残したまま安西を入れたりと、ポジションがかぶる選手たちをあえて併用して、守備力を落とさない戦い方をしていたのが印象的だった。
 この日はスタメンが沖、常本、犬飼、町田、永戸、三竿、ピトゥカ、荒木、和泉、土居、上田で、途中出場がレオ・シルバ、エヴェラウド、カイキ、遠藤の4人。
 中2日なのに三竿、ピトゥカを2試合連続で使用したことと、調子のあがらないエヴェラウドではなく、上田を前節につづけてのスタメンで起用してきたところに意外性があった。個人的にはエヴェと綺世のツートップが観たいんだけれどなぁ……。
 いやぁ、それにしてもマリノスのボール支配率が68%で、鹿島のシュートがわずか3本という数字を見ると、よくぞそれで勝ったなって思う。粘り強い守備が鹿島の伝統だとするならば、まさにこの日の勝利はそんな鹿島の伝統の賜物って気がした。
 このところずっと内容はいまいちって書いてばかりいたけれど、いまいちだと思うのは攻撃面にばかりフォーカスしているからで、じつは守備面ではずっと安定した戦い方ができているんだよな。調べてみたら、相馬監督の就任以降、複数得点を許したのはわずか4試合だし、それに対してクリーンシートはなんと11試合もある。ザーゴが8試合でクリーンシート0だったのとは大違いだ。その結果、気がつけば鹿島の得失点差21は、川崎、マリノスにつぐ第3位となっている(この日の勝利で順位も暫定ながら3位)。
 相馬の監督としての器がどれほどのものか、いまだ判断しきれないけれど、こと守備面に関してはザーゴよりも上なのは間違いなさそうだ。
 願わくば、その手腕をザーゴが監督のうちにコーチとして発揮していてくれていれば、いまごろ首位争いに加われていたのではないかと思うとなんとも残念だよ……。
(Aug. 29, 2021)