日本0-1オマーン
FIFAワールドカップ・最終予選/2021年9月2日(木)/パナソニックスタジアム吹田/テレビ朝日
来年のワールドカップ・カタール大会への出場権をかけたアジア最終予選が始まった。
しかしまぁ、最近は日本代表に対する関心が低下しまくりで、この試合があることを一週間前まで知らなかったほどなのに、いざ始まってみれば結果がいきなりの黒星スタートとなると、もうなにをいわんや……。
森保がこの初戦に選んだスタメンは、GKが権田、4バックが右から酒井、植田、麻也、長友、ダブル・ボランチが遠藤航と柴崎岳で、攻撃的なMFが伊東純也、鎌田、原口、そして大迫のワントップという構成だった。
冨安がアーセナル移籍(マジか!)の都合で不在で、守田も所属クラブの事情で合流が遅れ、さらには南野と板倉が怪我のためベンチだったため、こういう顔ぶれになったらしいけれど、それにしても内容がよくなかった。
個人的に不調の原因のひとつは柴崎、植田という元・鹿島の選手たちの起用だったと思うので、鹿島サポーターの身としては非常に残念。
柴崎は中盤の底から攻撃のタクトをふるう役割を期待されていたのだと思うけれど、それにしては不十分。植田はつまらないミスが多くて、冨安の代役はとても任せられないレベルだった。失点の場面ではこのふたりがプレーに絡んでしまっているので――柴崎がマークにいった相手にやすやすクロスをあげさせ、植田の前に入り込んだ選手がヘディングを決めた――なおさら印象が悪くなってしまった。
まぁでも、このふたりだけが特別に出来が悪かったのかというと、そんなこともない。逆によかった選手がいるかと問われると答えられないレベルだったと思う。大迫は持ち前のポストプレーを生かす場面がほとんどなかったし、その下の3枚も存在感なし。伊東純也がかろうじて……という感じだった。
森保は後半頭から原口を古橋に替え、さらには後半途中に伊東→堂安、鎌田→久保とカードを切って、五輪コンビの活躍に活路を見いだそうとしたけれど、この日はふたりとも不発。結局こちらは無得点のまま、後半43分にオマーンにカウンターから決勝点を許してしまった。
オマーンはとくべつ強いって感じではなかったけれど、しっかり守ってカウンターという戦略が徹底していて、日本よりも多くのシュートを打っていた。途中で長友がハンドでPKの判定を受けて、VARに救われる場面もあったし、全体的にどちらがまさっていたかといえばオマーンだったと思う。麻也が試合後のインタビューで「負けるべくして負けた試合」だといっていたけれど、まさしくその通りだった。
オマーンはなんでも一ヵ月にわたる合宿でこの日に備えてきたんだそうだ。それでこの結果は狙ったり叶ったり。そりゃもう嬉しくてたまらなかろう。これまでオマーンとは何度も際どい試合をしてきたけれど、それでいて一度も負けたことがなかったのに、まさかこんなぶざまな試合で土をつけるなんて……。
それにしても森保は二次予選の後半戦で招集を見送っていた柴崎をなぜにこのタイミングで呼び戻したんだか。以前のように信頼して使ってくれるならばいいけれど、なんとなく呼んでみたくなったから呼んだだけ、とかの漠然とした理由で、この試合の結果で今後二度と柴崎を呼ばないようになったら本当に軽蔑するよ。
そもそも麻也、酒井宏樹、遠藤航の3人は先月まで五輪に参加していたんだから、コンビネーションを考えれば、堂安や久保を先発で起用して、五輪代表のバージョンアップ版みたいなメンバー構成で戦う選択肢だってあっだろうし、そうすればサポーターだって大喜びしただろうに、そういう楽しげな采配を振れないところに森保一という監督の限界を感じないではいられない。
そういや、これまではスーツを着ていた森保が、この日はなぜだかジャージ姿で雨に濡れていた。熱くなって雨に濡れるのも厭わずに前に出てきてしまった、とかいうのならばわかるけれど、いつも通りのおだやかな表情で、とてもそんな風ではなかった。涼しい顔して雨に濡れているその姿は、なんかすごく見当違いに見えた。雨なんだから監督はどっしりと落ち着いて構えて、ベンチで観てりゃいいじゃんと思ってしまった。
ほんと森保一という人のやることなすことが僕には意味不明だ。
(Sep. 04, 2021)