2022年5月のサッカー

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  1. 05/03 ○ 鹿島3-1磐田 (J1・第11節)
  2. 05/07 ● 広島3-0鹿島 (J1・第12節)
  3. 05/14 ○ 鹿島4-1札幌 (J1・第13節)
  4. 05/21 △ 浦和1-1鹿島 (J1・第14節)
  5. 05/25 △ 鹿島4-4鳥栖 (J1・第15節)
  6. 05/29 ● F東京3-1鹿島 (J1・第16節)

鹿島アントラーズ3-1ジュビロ磐田

J1・第11節/2022年5月3日(火)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 ゴールデンウィーク特別企画で友人と昼間っから飲んでいたので、今季二度目の見逃し配信のお世話になったジュビロ磐田戦。
 出場停止明けのピトゥカのスタメン復帰が期待された試合だけれど、ヴァイラーが選んだスタメンは、クォン・スンテ、常本、関川、三竿、安西、樋口、和泉、松村、カイキ、綺世、優磨の11人で、ピトゥカは途中出場の一番手だった。あとの途中出場選手はファン・アラーノ、聖真、染野の3人。
 対するジュビロでは遠藤保仁が今季ここまで全試合でスタメン出場。もうひとり個人的に好きな大津祐樹は途中出場だった。
 そのほかだと大森晃太郎が背番号8で、GKがコシェレフというモルドバ人、DFにグラッサというブラジル人がいるのが目を引くくらい。ここまで5ゴールと活躍している鈴木雄斗という選手に不思議な存在感があったり、途中出場でジャーメイン良が出てきたりもしたけれど、全体的にネームバリューは低め。去年クラブをJ1昇格に導いた鈴木政一監督は退任していて、現在は伊東彰という人が指揮を取っていた。
 そんな磐田が最強のライバルだったのもいまは昔。首位に立つ絶好調の鹿島とJ2上がりで下位に低迷したままのいまのジュビロでは地力が違う。前半だけで2点を奪った鹿島が、後半に1点を奪われたものの、その後に1点を追加して、3-1で快勝。前節につづいて首位をキープした。
 先制点はカイキ。樋口の右からのCKを頭で決めた。カイキはそれまでにも二、三度、ヘディングで惜しいシーンを作っていたし、こんなにヘディングが強い選手だとは思わなかった。
 そのゴールが前半29分で、その6分後には上田綺世の追加点が決まる。優磨からの見事なスルーパスを受けて、相手DFの裏を取り、左足で見事なシュートを決めてみせた。
 綺世は後半にも個人技で追加点を奪ってみせたけれど、その豪快なシュートも左足。利き足でないほうで2得点ってのがすごい。前の試合とこの試合の序盤でいまいちボールに触れていなかったので、ちょっと調子を落としているのかと思ったら、どうやらいらぬ心配だったらしい。
 とにかく2点をリードした前半は文句なしの内容だった。
 ジュビロは後半の頭から大津とファビアン・ゴンザレスというコロンビア人のFWを入れてきて、それで前半よりも出来がよくなった。セットプレーからゴンザレスにヘディングを決められ、1点差となったときには雲行きがあやしくなったかと思ったけれど、その後に綺世が豪快なシュートで試合を決定づけてくれた。
 失点の場面はヤットからのショートコーナーで、クォン・スンテがよそを向いているあいだにプレーが始まってしまったので、チームとしてはやや集中力を欠いていた感あり。まぁでもあれは相手の隙を見逃さなかったヤットが上手かったってことにしておこう。
 あと、その失点シーンのすこし前に、クォン・スンテのパント・キックにファビオ・ゴンザレスが足を出して、あたったボールがゴールに入るという珍事があったけれど、あれがなんでノーゴールなのか、サッカーのルールに疎い僕にはわかりませんでした。ジャッジリプレイでの解説を請う。
 試合は前節同様、後半になって流れを相手に握られていた時間が長かったのが反省点かなって。あと土居聖真がゴール前のシーンでシュートを打ち損ねたのも残念だった(決めていてもオフサイドだったけれど)。荒木がまたもやベンチ外だったのも心配の種。
 まぁ、でも気がかりはそれくらい。こんなに好調なのに、これ以上を望んだら罰があたる。
(May. 04, 2022)

サンフレッチェ広島3-0鹿島アントラーズ

J1・第12節/2022年5月7日(土)/エディオンスタジアム広島/DAZN

 油断大敵。ゴールデンウィーク最後の試合は今季最悪の内容だった。
 スタメンはひとつ前の磐田戦とまったく一緒。中3日だし適度な入れ替えがあってもいいと思うのだけれど、替えないということは、つまり現状ではこれがヴァイラーの考えるベストメンバーということになるんだろう。
 でも、この日はこのメンツでのサッカーがまったく機能しない。的確にボールをつないでカウンターを仕掛けてくる広島に対して、受け身のままで90分が過ぎてしまった感じ。跳ね返したボールはほぼ相手に渡ってしまうし、こちらの自慢のツートップにもほとんどボールが入らない。
 鹿島の公式サイトに広島は5バックだったという優磨のコメントがあるけれど、両サイドの柏好文・藤井智也は要所要所でちゃんと攻めあがっていた。先制点と3点目を決めたのは柏だったし――今季ここまで1ゴールの柏に1試合で2ゴールも許すなんて。なぜこの人にはこうも相性が悪いのか――あとの得点は藤井の攻め上がりが起点だった。だからべったりと5枚で引いていたってわけでもない。少なくても僕はそういう印象は受けなかった。
 3失点はどれもカウンターが見事に決まった形で、広島は縦へのパスがとにかくきれいにつながっていた。要するに、それを分断できなかった鹿島の守備に問題があったってことなのかもしれない。
 話がやや先走ってしまったけれど、前半を1-0で折り返したことで、後半の頭からヴァイラーが動く。常本、松村に替えて、広瀬、ピトゥカを投入。でもこれもとくに効果はなかったようで、後半18分には大卒ルーキーの満田{みつた}誠という選手に個人技から豪快なミドルシュートを決められて突き放された。残り30分で2点のリードを許す苦しい展開。
 わからないのはそのあとの選手交替だ。樋口と関川を下げ、ファン・アラーノとキム・ミンテを入れたのはいいけれど、キムのポジションはこの日もボランチ。交替で下がったのはCBの関川だよ? なぜにかわりに入れたDFを中盤でプレーさせるんだ。かわりにCBのポジションに下がったのはピトゥカだった。なにそれ? 意味がわからない。
 試合後の記者会見でヴァイラーは、ピトゥカは練習ではCBを務めたこともあるので、最後列からの押し上げに期待したと語っていたようだけれど、結果的にその交替から10分もせずに3点目を奪われて勝負が決まってしまったんだから、これはもう采配ミス以外のなにものでもないでしょう?
 同じように0-3で負けたマリノス戦でもキム・ミンテを入れてから失点しているし、キムをボランチに入れて守備が破綻したのはこれで何度目なんだって話だ。
 キム・ミンテを使うならばCBとして使ってくれ。ボランチが手薄だというのならばともかく、鹿島には中村亮太朗や名古や船橋がいるのだから。攻撃力のあるピトゥカを最後尾で使うなんてのは問題外。彼らを差し置いてCBが本職の選手を中盤で起用して、結果守備の破綻を招くようなことは本当にやめてもらいたい。正直センスを疑いたくなる。
 なんにしろ守れない、攻められないでは勝てるわけがない。最後に綺世を染野に替えてみたけれど、なにも変わらない。最終的なシュート数がわずか6本で(うち枠内2って……)、相手の約三分の一だというのだから、この試合がどれだけ駄目だったかわかろうってもんだ。
 広島はGKが大迫、DFが塩谷、荒木、佐々木の3バック、両サイドが前述のふたりで、ボランチに野津田がいて、トップ下に森島司、そして前線には新外国人のベン・カリファ(スイス人)と満田、あと広島は2シーズン目のジュニオール・サントスという布陣だった。途中出場では五輪代表で聞いた名前がいくつか出てきたし、思ったよりもタレントが揃っている印象だった。監督はドイツからきたミヒャエル・スキッベという人。きょうの結果だけで語るならば、この人は名監督だ。
 そういや、この試合は判定もひどかった。岡部というレフェリーに当然カードだろうってチャージを二度三度と流されたので――常本と関川の交替はそれで怪我をした影響だったんだろうと思う――判定に苦しめられた部分もあったけれど、それにしても本当にここまで出来の悪い試合をみせられるとは思わなかった。
 とりあえずまだ暫定首位ながら、ACL勢の試合数が逆転してひとつ少ない状況になっているので、実質は2位の川崎に抜かれたも同然。せっかくのトップも三日天下に終わってしまった。あーあ……。
(May. 08, 2022)

鹿島アントラーズ4-1北海道コンサドーレ札幌

J1・第13節/2022年5月15日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 惨敗した前節の広島戦から、ヴァイラーがいかにチームを修正してくるかが注目されたこの試合。スタメンの変更はひとりだけだった。松村(前節で怪我をしたらしい)に替えてピトゥカを投入。で、この交替がこの日のいちばんのポイントだった。
 前半わずか6分にそのピトゥカからのスルーパスを綺世が決めて先制。30分にはふたたびピトゥカのスルーパスから、最終ラインの裏へと抜けだしたカイキを札幌GK菅野が倒してPK獲得。優磨が蹴ったこのPKは一度は菅野に止められるも、VARが介入して蹴り直し。二度目はきっちりと決めて2-0とリードした。
 先制点の場面では、札幌の最終ラインからのフィードが鹿島の中盤に引っかかってカウンターをくらう形だったから、札幌にとっては痛恨のミス絡み。PKもGKがゴールラインから出たのが早いのか、その他の選手がペナルティエリアに入ったのが早いのか、どちらかわからないけれど、せっかく止めたのに蹴り直しになってしまったのは不運だった。
 いずれにせよ退場事件以来のスタメン出場となったピトゥカの試合を決定づける2本のスルーパスは見事のひとことだった。
 さらに前半のロスタイムには右サイドをドリブルで攻めあがったカイキからのマイナスのパスを優磨がフリーで決めて3点目。後半に入ってもわずか2分で樋口の右サイドからのFKをカイキがこの日も頭で決めて4点目で完璧に勝負あり。
 その後はやや相手ペースになってしまい、札幌の菅のゴラッソで1点を失ったのは反省点だけれど、マイナス要素はそれくらいのナイス・ゲームだった。
 そういやカイキは1点目のシーンでも綺世よりも先に反応していたし(残念ながらボールに触れず)、PK奪取にアシストにゴールにと、この日の4ゴールのすべてに絡んでいるわけだ。スルーパスがあまりに見事だったからピトゥカばかりに目がいっていたけれど、もしかしてこの日のMVPはカイキだったのかもしれない。
 途中交替は関川→キム・ミンテ、綺世→アラーノ、樋口→中村亮太朗、優磨→染野、ピトゥカ→聖真の5人。
 関川は前節の怪我のため黒いヘッドバンドを巻いてプレーしていたので、大事を取っての交替だと思う。キム・ミンテはさすがにこの日はCBでの起用だった。やっぱそうでないと。ピトゥカも交替時にペットボトルを蹴ったりしなかった。まぁ、こちらも当然。ひさびさのスタメンだったからか、その時間帯にはちょっと疲れて見えたし、この日の試合内容だったら途中で下げられても文句はないだろう。
 札幌はこのところ5試合連続で無失点だったというし、広島と同じ3バックで、田中駿汰、宮澤、福森というメンツは技術力が高そうだから、またもやロースコアでの苦戦必至かと思っていたのに、結果は予想外の大勝になった。今年の鹿島は負けた試合はすべてスコアレスで、点さえ取れれば負けなしって感じだ。
 あと、札幌では浦和からレンタル中の興梠が怪我のため欠場(観たかったのに残念)。このところ目立っていた荒野もいなかった。ジェイも引退してしまったし、名古屋から移籍してきたガブリエル・シャビエルが加わったとはいえ、攻撃面ではそれほど脅威を感じなかった。
 そういや、酒井宏樹にレギュラーを奪われてレッズから古巣に戻った西大伍もベンチ入りしていたけれど出番はなし(今季はまだスタメンがないらしい)。どんな気分でこの古巣対決を見ていたのやら。
(May. 15, 2022)

浦和レッズ1-1鹿島アントラーズ

J1・第14節/2022年5月21日(土)/埼玉スタジアム2002/DAZN

 前半の早い時間帯にあっさり先制したので「この試合ももらったな」と思ったのに、前半の終りにアンラッキーな形で失点を許し、後半はそこから試合を動かせないままでドローに終わってしまったアウェイでのレッズ戦。埼玉ではここ5年リーグ戦での白星がないという話なので、先制したこの試合はきちんと勝っておきたかった……。
 鹿島のスタメンはこの日も先週と同じ。
 で、前半わずか6分に、この日も縦横無尽の活躍をみせる優磨が起点となり、和泉からのスルーパスに抜け出した綺世が打ったシュートは西川に止められたものの、弾いたボールをカイオがどんぴしゃのボレーシュートで決めて先制点をもたらした。見事な連係から生まれたナイスゴールだった。
 残念だったのは前半も終わり近くに許したPK。明本がゴールラインぎりぎりから上げようとしたクロスが、スライディングで止めにいった関川の腕にあたってしまった。
 最初はオンプレーのまま流されたのだけれど、プレーが切れたあとでVARが介入。オン・フィールド・レビューでPKという結果になった。まぁ、あれはしゃあない。これをショルツに決められて同点。
 後半は家庭の都合で途中から食事をすることになってしまい、あまり集中して観れなかった。
 でも今年の鹿島ならもう1点くらい取れるだろうと思っていたのに、そうは問屋が卸さない。前半に先制してからは相手にボールを持たれる時間が増えたので――今年は得点したあと、たいていそういう展開になる気がする――後半もその流れのままで、先制するまでのようないいサッカーはできなくなってしまった。
 後半も残り10分になってカイキ→土居、ピトゥカ→中村亮太朗、和泉→キム・ミンテと交替のカードを切ったけれど効果なし。土居は水曜のルヴァン杯で2ゴールと気を吐いたそうなのだけれど、残念ながらこの日は不発に終わった。
 ヴァイラー采配については、動くのが遅いんじゃないかとか、なんで3人しか替えなかったんだとか、なんで最後の交替カードがキム・ミンテなんだとか、疑問に感じるところがなくはないんだけれど、酒を飲みながら集中せずに観ていたので、あまりこの試合についてはつべこべいわない。
 とりあえず首位の川崎――水曜日に試合数が並んだ時点で追い抜かれた――も引き分けたので、勝ち点差が開かなかったのがせめてもの救いだ。終了間際にはクロスバーをたたくシュートを打たれたりもしたので、勝ち点1でも取れてよかった。
 レッズではPKを獲得した明本が、いつの間にかDFにコンバートされていて、岩波、シュルツと並んで3バックの左に入っていた(なのにあの場面であそこにいたのはなぜだ)。そういや移籍した犬飼は怪我のため長期離脱中。プレーが観れなくて残念だった。
(May. 22, 2022)

鹿島アントラーズ4-4サガン鳥栖

J1・第15節/2022年5月25日(水)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 0-3という悲劇的なスコアから、4点を奪ってよもやの大逆転!――と喜んだのもつかの間。最後にセットプレーから同点弾をくらってドローに終わった悲喜こもごもなホームでの鳥栖戦。
 この試合に関しては前半の鳥栖の出来が最高だった。
 これといって有名な選手がいるわけではないものの、元鹿島の小泉とファン・ソッコ、神戸から出戻りの藤田直之、GKの朴一圭{パク・イルギュ}、五輪代表だった岩崎、途中出場の小野裕二(10番つけてた。でもってもう29歳なのね)など、なかなか渋めの優良選手がそろっていた。
 でもって全体的に運動量がすごい。ハイプレスが尋常じゃない迫力。高い位置でボールを奪ってショートカウンターで一気に得点というパターンが戦術として浸透しているのかもしれない。
 監督は川井健太という人。現役時代のプロ生活はわずか3年(しかもJFLとJ2)という無名の40歳だけれど、仮にもJ1クラブの監督を任されるのだから、きっといい監督なんだろう。少なくてもきょうのサッカーに関しては見事な内容だった。だてに6位なんて好位置につけちゃいないなって思った。
 鳥栖の先制点は藤田のCKから田代雅也というスキンヘッドのDFのヘディング。ぐうの音も出ないほどきれいに決められた。藤田、セットプレーの精度高すぎ。
 2点目は小泉がドリブルでするするっと敵陣深くに潜り込んで入れたクロスからの、宮代大聖という21歳のFWのゴール。ワンタッチで打った最初のシュートはクォン・スンテが止めたものの、こぼれ球をすぐに押し込まれた。
 でもって、後半に入るとすぐに小泉にミドルを決められてあっという間に3点差にされる。小泉はこれが鳥栖での初ゴールですって。そんな恩返しはいらない。
 鹿島の先発は3節連続で同じメンバーで、中3日なのに疲れはどうなんだと思っていたら、そんな風にいいところなく0-3にされたので、やっぱ疲れてんじゃないかと思った。さすがにここからの逆転は想像できなかったので、今年は負けるときには大量得点ってジンクスでもあるのかと思ってがっくりきていたら、なんとその3分後から怒涛の巻き返しが始まる。前半の不出来は疲労のせいじゃなかったのか?
 口火を切ったのは樋口の移籍後初ゴール! 次が綺世の得点王ランキングトップとなる今季9点目。そして後半ロスタイムには途中出場の土居と染野の今季リーグ戦初得点が生まれてついに逆転! そのうち3点は優磨のアシスト!
 すっげー、なにこの試合。これであとはカシマるだけ――と思ったのに、その劇的な逆転劇からわずか3分後――ロスタイムの最後の最後――に、またもや藤田のCKから田代にヘディングを決められて同点で決着となってしまう。あぁ……。
 同点のシーンは藤田がクォン・スンテのちょっとした隙を見逃さず、直接ゴールを狙って蹴ったCKが起点。そのシュートはクォンがぎりぎりでかき出したものの、こぼれ球を頭から飛び込んできた田代に押し込まれてしまった。
 解説ではクォンのポジショニングのミスではと言っていたけれど、それ以前にあの時間帯にCKを与えてしまった守備がNGだと思う。
 後半の選手交替は、常本→土居、ピトゥカ→アラーノ、安西→染野、関川→ブエノという、なにやら得体のしれないものだった。両サイドバックとボランチをさげて攻撃的な選手ばかりを入れ、CBを入れ替えるという。なにそれ? 意味がわからない。
 そのうちのふたりのゴールで逆転を果たしてはいるのだから名采配と褒めるべきなのかもしれないけれど、リプレイで確認したら最後に相手のセットプレーにつながるボールをロストしたのがブエノだったので、関川を下げた采配には疑問が残った。ヴァイラーの選手交替はその意図に謎が多いのがちょっとばかりストレスだ。
 まぁ、とりえず途中までは完全な負け試合だったのに、勝ち点1を積み上げられたのだからよしとしよう。裏では川崎が湘南相手に4-0という「なにそれ?」ってスコアで大敗したので、得失点差で鹿島が首位に返り咲いた。湘南、グッジョブ。
(May. 25, 2022)

FC東京3-1鹿島アントラーズ

J1・第16節/2022年5月29日(日)/味の素スタジアム/DAZN

 2試合連続で50分ちょいで3失点って。そんな試合をしていて勝てるわけがない。
 前節の鳥栖戦では0-3からの怒涛の逆転劇に驚いたけれど、さすがにこの日はその再現はならなかった。1点こそ返したものの、反撃もそこまで。3-1でFC東京に屈したアウェイの一戦。今年もマスクを嫌ってDAZNで済ませてしまったけれど、来年は味スタでいい試合を観られるといいなぁ……。
 このところずっとスタメンを固定していたヴァイラーだけれど、この日はひさしぶりにメンバーをいじってきた。先発はクォン・スンテ、常本、ブエノ、三竿、安西、樋口、ピトゥカ、ファン・アラーノ、カイキ、綺世、優磨の11人。
 要するに関川、和泉をさげて、ブエノ、アラーノを入れた形。関川は後半途中から出てきていたので、交替の理由は怪我とかではないはず。前節でいきなり3失点を喫したDFラインに喝を入れたかったのかもしれない。
 でも結果的にはこのDFラインの変更――というかブエノの起用が大失敗だった。
 1点目はともかく、2点目はセイフティーにクリアしていれば防げた場面で、下手にボールをキープしにいったブエノが、アダイウトンに振り切られたところからの失点。3点目も彼がアダイウトンを倒して与えたPKだった。ほんとこの日のブエノはアダイウトンにやられっぱなしだった。
 ずっとレギュラーをはってきた関川がやられたならば仕方ないと諦めもつくけれど、ひさびさにスタメンに抜擢したブエノが原因となっての2失点だ。ヴァイラーも采配ミスのそしりを免れまい。
 あと、アダイウトンに好き勝手を許してしまったのは、和泉をファン・アラーノと替えたのも一因なのではと思う。ずっとスタメンを任せてきた和泉のままならば、常本との連係の面でも、もう少し右サイドが締まったんじゃないだろうか。
 いずれにせよ、この日の敗因は意味不明で中途半端なスタメンの入れ替えだったのではって気がした。
 FC東京の得点は1、2点目が渡邊凌磨という25歳のMF。去年からいるらしいけれど、まったく認識していなかった。
 今年は開幕デビューを果たした高卒ルーキーの松木玖生と、仙台から獲得したGKのスウォビィク(舌がまわらん)、あと新潟から監督のアルベルを招聘したことくらいが話題だと思っていたら、そんな伏兵にこてんぱんにされようとは……。
 でもまぁ、ディエゴ・オリヴェイラとのワンツーからの1点目の崩しとか、本当にお見事でした。お手上げ状態。
 渡邊の2得点は前半で、ディエゴ・オリヴェイラにPKを決められたのが後半の7分。その直後に綺世がゴールを決めて(はやくも二桁得点達成!)、そこまでの流れがまったく前節と同じだったので、この日ももしかして……と期待したけれど、やっぱあんな調子のいい逆転劇はそうそうあり得ない。この日はそれで打ち止め。そのままFC東京に鹿島のお株を奪うような形で逃げ切られて、3試合連続で白星なしとなった。
 いやしかし、2試合連続で後半の頭に0-3とされるってのは、やはり守備に問題がある証拠でしょう? ここのところ攻撃陣が好調だったから忘れていたけれど、そうだよ、今年は最初から守備に不安があったんだった……。
 途中出場は和泉、聖真、染野、関川の4人だったけれど、染野と関川とかわって下がったのが安西と三竿だったので、最後はどういうフォーメーションで戦っていたのか、さっぱりわからなかった。ほんとヴァイラーの選手交替は謎だらけだ。
 そういや、このところ名前を聞かないから心配だった荒木遼太郎は、椎間板ヘルニアの手術をして全治三ヵ月だそうだ。どうしたのかと思っていた名古もほぼ同時期にどこぞを手術をして復帰に同じくらいかかるらしい。
 一日も早くふたりが帰ってこられますように――。
(May. 30, 2022)