2022年6月のサッカー

Index

  1. 06/02 ○ 日本4-1パラグアイ (親善試合)
  2. 06/06 ● 日本0-1ブラジル (親善試合)
  3. 06/10 ○ 日本4-1ガーナ (キリン杯)
  4. 06/14 ● 日本0-3チュニジア (キリン杯)
  5. 06/18 ○ 鹿島1-0京都 (J1・第17節)
  6. 06/26 △ 名古屋1-1鹿島 (J1・第18節)

日本4-1パラグアイ

キリンチャレンジカップ/2022年6月2日(木)/札幌ドーム/フジテレビ

 ワールドカップの本番まであと半年を切ったというのに、まるでわくわく感がない。最近は代表戦があっても、感想書くのめんどくせいとしか思えない。
 ならばいっそ観るのをやめちゃえばいいじゃんと思わないでもないけれど、フランスW杯の予選から数えて、かれこれ四半世紀も観つづけている日本代表を、森保がつまらないからという理由で観なくなってしまうのもなぁ……。
 そういう意味では朝ドラの『ちむどんどん』と近いものがある。あれも普通のドラマだったらば絶対すぐに観るのをやめるレベルのひどい作品なのに、生活の一部となっている朝ドラだからという理由でしかたなく観つづけている。なんだかんだ、習慣って拘束力が強いよねぇ……。
(【追記】結局『ちむどんどん』は我慢の限界に達して、この翌週で観るのをやめた)
 ということで、いまいち気乗りがしないのだけれど、ここから日本代表の親善試合が四試合つづく。まず最初の対戦相手はパラグアイ。
 中三日で強豪ブラジルとの対戦が控えているので、森保はこの試合、あえて主力を温存した。スタメンはシュミット・ダニエル、山根、谷口、麻也、伊藤洋輝{ひろき}、遠藤、原口、鎌田、三笘、堂安、浅野の11人。途中出場は、板倉、中山、前田大然、田中碧、久保建英、古橋の6人だった。
 ドイツでの活躍が評価されてA代表に初招集された伊藤が初スタメン。長友の起用で批判を浴びている左SBに起用された。後半からはCBとしてもプレーしていた。初めて観たけれど、とても好印象だった。さすがにシュッツガルドでレギュラーを張っているだけのことはある。
 調べてみたら、伊藤ってU-21のころは世代別の代表にちゃんと呼ばれていたんすね。それが五輪代表の四年間は縁遠くなっていたらしい――って、その世代の五輪代表監督って森保じゃん! ユース世代の晴れ舞台である五輪のときにはそっぽを向いていた選手を、海外で活躍したからってA代表に呼び寄せるあたり、意外と面の皮が厚いな。
 その伊藤のほか、今回ひさびさの招集された鎌田、堂安もよかったし、森保お気に入りの原口、浅野らも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。今回は守田が別調整だそうで、このところの定番だった遠藤航・守田・碧のボランチ三枚のフォーメーションが組めなかったこともあって、どうなるかと思っていたけれど、ひさびさにスタメン起用された選手たちが躍動して――あとW杯出場を逃したパラグアイのモチベーションが低かったこともあって?――結果は4-1という快勝に終わった。
 ゴールは浅野、鎌田、三笘、田中碧の4人。
 浅野は原口からの絶妙のスルーパスに抜け出してループシュートを決め、鎌田は堂安からのクロスに頭であわせた。三笘のゴールも原口からのスルーパス。碧は鎌田のアシストからミドルを決めた。
 相手の7番ゴンザレスに豪快なミドルを決められて一時は2-1とされたけれど、その直後に三笘のゴールが決まったのが大きかった。そのあと、鎌田がもらったPKを堂安が止められていなければ、もう1点入っていたはず。
 なんにしろ、最近の代表戦ではいちばんの出来だったと思う。きょうみたいな試合をつづけられたら森保にケチはつけられない――といいつつ、せっかく過密日程で四試合をこなせるんだから、メンバーを固定してW杯のシミュレーションをしたらどうなのさって思わないでもないけど。
 さぁ、この結果をうけて次のブラジル戦では、南野や伊東純也がどんなプレーを見せてくれるのか、上田綺世のスタメンはあるのか、要注目。次の試合がちょっと楽しみになった。
 お隣の韓国はブラジルにこてんぱんにされたようだけれど、さて日本代表の運命やいかに――。
(Jun. 03, 2022)

日本0-1ブラジル

キリンチャレンジカップ/2022年6月6日(月)/国立競技場/日本テレビ

 やっぱりブラジルには勝てない。0-1という最少得点での負けだったとはいえ、耐えて耐えて、なんとかPKの1点だけに耐え忍んだって90分だった。
 この日の出場選手は、先発が権田、長友、板倉、麻也、中山、田中碧、遠藤航、伊東純也、原口、南野、古橋の11人。途中出場は鎌田、大然、堂安、三笘、山根、柴崎の6人。
 今回は酒井宏樹がいないからって、よもやの長友の右SB起用。まぁ、長友はけっこうよかったけれどさ。それにしたって右かー。でもって、やっぱ後半で替えんのかー。本当に森保は長友が好きなんだな。
 まぁ、なんにしろ、前の試合とつづけてスタメンなのは、麻也、遠藤、原口の3人だけ。これでは連係なんか高まらないのも道理。
 でもって、とにかくブラジルの守備がいい。ワントップの古橋はほとんどボールに触れない。頼りの伊東純也もさすがにブラジルが相手だと自由にはさせてもらえない。先発の南野も、途中からでてきた鎌田も、とくになにもできずに終わる。さすがに三笘のドリブルも通じない。
 ということで、日本は攻撃の形をほとんど作れずに防戦一方。開始2分でいきなりボックス内でシュートを打たれ、かろうじてポストに救われたときには惨敗の予感しかなかった。
 でもこの日の日本のディフェンスはそのあとよくがんばった。攻撃はからきしだったけれど、とりあえず守備はがんばった。ネイマールを中心としたブラジルの強烈な攻撃をなんとかしのぎつづけた。
 残念ながらその努力も及ばず、後半30分にPKを与えてしまい(またもやネイマールに)ゴールを決められて負けてしまったけれど、でも失点はその1点のみ。FIFAランキング1位のブラジル――知らぬ間に復帰していたらしい。でも持ち前の攻撃力に加えてこれだけ守備がよければそれも納得だ――に好き勝手やらせなかったという意味では上出来だったと思う。
 まぁ、いまの日本代表のタレントたちをうまく組み合わせれば、もっといい攻撃だってできるんじゃないかという期待があるんだけれど、監督が森保ではそれはないものねだりってもんだしなぁ……。
 王者ブラジルがエースのネイマールをフル出場させているのに(ちょっと驚いた)、アジア王者にさえなれない日本が毎回のようにスタメンの大半を入れ替えて戦っていて、攻撃の軸がどこにあるんだかさっぱりわからないんだから、そんないきあたりばったりな戦い方で勝てるかって話だ。あーもー、本当に嫌。
 前の試合で使わなかったから絶対に出番があると思っていた上田綺世がまたもや出番なしで終わったのも個人的には許せない。使う気がないんならば呼ぶなよなぁ。おかげで鹿島はルヴァン杯のプレーオフ初戦に負けちゃったじゃん。代表に呼ばれるのが名誉ではなく災難にしか思えなくなってきたよ。ちくしょうめ。
 なんでも、ブラジル代表が日本で試合をするのは20年ぶりなのだそうで――つまり日韓W杯以来?――チケットは完売で観客は6万3千人オーバー(いまだ新型コロナが収束していないのに)。客席では中田英寿と小野伸二が並んで観戦していたりするし、なんかいろいろとレアな試合だったみたいだ。
(Jun. 06, 2022)

日本4-1ガーナ

キリンカップ/2022年6月10日(金)/ノエビアスタジアム神戸/TBS

 6年ぶりに開催されたキリンカップの一試合目。対戦相手はガーナ。
 なぜいまさらキリンカップが復活したのか知らない。おそらく4試合まとめて親善試合ばっかやるのも格好がつかないからとか、そういう大人の事情なんだろう。毎年開催されていれば「歴史ある」という肩書にも箔がつくけれど、こんな風に思いつきみたいに開催されてもなぁ……。
 さて、この日のスタメンはGK川島、DF山根、谷口、麻也、伊藤洋樹、MF遠藤航、柴崎、堂安、久保建英、三笘、FW上田綺世の11人。
 またもやブラジル戦から麻也と遠藤を残して9人の入れ替え。パラグアイ戦でのスタメンからシュミット、原口、鎌田、浅野をはずして、川島、柴崎、久保、綺世の4人を入れ替えた形。森保にはメンバーを固定してコンビネーションを熟成させてゆこうという気はさらさらないらしい。
 途中出場は板倉、伊東純也、田中碧、南野、前田大然、中山の6人だった。
 試合は前半のうちに日本が山根のシュートで先制するも、そのわずか3分後に山根のフィードがガーナの9番の選手に引っかかってしまい、フリーでシュートを打たれてあっという間に同点(山根プラマイゼロ)。あららと思っていると、またその3分後に三笘が斜めに入れたクロスがそのままゴールに入って日本が勝ち越し。で、これが決勝点。
 後半には久保と大然のA代表初ゴールが生まれて、日本が4-1というパラグアイ戦と同じスコアで快勝した。強豪ブラジルにはまったく歯が立たなかったけれど、あまり強くない相手にはとことん強いという。これぞ森保サッカー。
 ブラジル戦で戦ったのがAチームで、こちらがBチームとすると、AよりBのほうが攻撃的に思えるけれど、メンバーが違いすぎて単純な比較ができないのが問題だ。
 個人的には伊東純也と三笘を両サイドに配して、トップ下には南野か久保(または鎌田か原口か堂安)で戦ったら、どれくらい攻撃が機能するのか観たいのに、森保はちっともそういうトライをしてくれようとしない。
 せっかく神戸で試合をしているのに古橋を使わないし。ファンの期待に応えようとしない森保って本当につまらない監督だよなぁって思う。
(Jun. 11, 2022)

日本0-3チュニジア

キリンカップ/2022年6月14日(火)/パナソニックスタジアム吹田/TBS

 なぜにこのタイミングでキリンカップが復活したのか不思議に思っていたけれど、もしかして国内のカップ戦で森保に初のタイトルを獲らせてW杯に送り出そうって、協会の親心だったのかも?
 ――と思ったのに、そこは森保。ここまで代表ではことごとくタイトルを逃しつづけてきた男。今回もものの見事に獲りそこなう。
 いやぁ、本気で駄目だわ、森保。きょうの負けには本当にびっくりした。PK戦とかはあるかもしれないと思ったけれど、まさかここまで完膚なきまでに負けるとは思わなかった。ホームでチュニジアにボロ負けする監督にW杯でなにができるっていうんだろう? JFAにはそこんところを真面目に考えてみて欲しいわ。
 さて、ということで日本代表4連戦の最後の試合。スタメンはシュミット、長友、板倉、麻也、伊藤洋樹、遠藤航、原口、鎌田、伊東純也、南野、浅野の11人。途中出場は田中碧、古橋、三笘、久保、堂安、山根の6人だった。
 前の試合からまたもや8人の入れ替えはまぁ予想通りだけれど、ブラジル戦からも4人を入れ替えてきたのはやや意外だった。権田→シュミット、中山→伊藤、碧→鎌田、古橋→浅野をそれぞれ交替させた形。ブラジル戦から替えたというよりも、パラグアイ戦とブラジル戦のスタメンをミックスしたというのが正しいのかもしれない。
 でも結局、この試合のポイントとなったのは替えたメンバーではなく、替えなかったふたり――吉田麻也と遠藤航――だったのではないかと思う。
 このふたりは4試合とも先発出場している。麻也はパラグアイ戦とガーナ戦は前半だけで退いているけれど、おそらくDFではいちばん出場時間が長いだろう。今年でそろそろ34歳になる最年長CBにそんな負荷をかけたのが惨敗の要因なんじゃないの?
 なんたって、1点目は麻也が与えたPK、2点目は麻也がゴールラインを割らせようとしたボールを奪われての失点、3点目も麻也のフィードミスからのカウンターだ。まぁ、どれも麻也ひとりを責めるのは酷だと思うけれど、とはいえ3失点すべてにヨシダが絡んでしまっているのは紛れもない事実。
 東京五輪でグループリーグでは安定していた守備が破綻して、最後は3位決定戦でメキシコにボコられてメダルを取れずに終わったのは、麻也、酒井、遠藤らのベテランに頼った弊害で、後半に疲れが出た結果なのではないかと思っていたんだけれど(観ていないからあくまで推測)、今回のこのキリンカップで森保は同じことを繰り返していやしないか?
 今回は試合ごとに総入れ替えに近いターンオーバーをしているので、チーム全体としての疲労は考慮しなくても大丈夫だろうけれど、でも麻也と遠藤は一度も休ませなかった。その結果、ふたりのプレーの精度が下がって、最後にゲームが壊れてしまったのでは?
 まぁ、敗因は守備だけだとは思わない。前半に1点でも取れていれば、また話は違っていただろう。この日も攻撃は伊東純也ありきだったけど、でもその伊東が演出した絶好機が活かせない。鎌田はシュートを空振り、浅野はヘディングをあわせきれず、南野のシュートはオフサイドを取られる。結局前半は0-0で終わってしまった。そして後半だけで3失点……。攻められない、守れないでは負けて当然。
 いやでもチュニジアは意外とよかった。この決勝戦の対戦相手はチリ対チュニジアの勝者だというので、勝つのはてっきりチリだろうと思っていたから、チュニジアが勝ったと聞いて意外に思ったのだけれど、聞けばチュニジアここんところずっとクリーンシートなのだそうだ(チリにも2-0で勝っている)。なるほど、守備がしっかりしていて、連係もこなれている。
 選手の所属クラブは欧州、中東、母国が三分の一ずつという感じで、有名なのは途中出場した19歳のメジブリという選手(マンU所属だそうだ)くらいみたいだけれど、少なくても日本よりも組織がまとまっている気がした。FIFAランキングは35位。なんと、ガーナ(60位)より強いんじゃん……。侮るにもほどがあった。
 まぁ、とはいえ、FIFAランキングでは日本が23位と上なわけだし、なによりホームだし、0-3なんてスコアでボコられたら洒落にならない。
 そういや、後半0-2とされた状況で、最後に残った一枚の交替カードの使い道が長友→山根ってのにもびっくりした。5人交替した時点で長友がまだピッチに残っていたので、これはひさびさのフル出場かと思ったら、そこから替えるんだもんなぁ……。
 森保は「長友を絶対に替えなきゃいけない病」とかにかかってんのか。長友は前半にイエローをもらっていたから、もっと早いタイミングで替えるのならば、きょうはまだ納得がいったのに。なぜそこ? もうわけがわからない。森保やることが謎すぎる。いちいち嫌すぎる。まるで応援する気になれない。
 日本サッカー協会には4年前に本大会直前にハリルホジッチを解任した前歴があるのだから、今回もいますぐ森保を見限って欲しいって心底思う。
(Jun. 14, 2022)

鹿島アントラーズ1-0京都サンガ

J1・第17節/2022年6月18日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 代表ウィークが終わって、およそ三週間ぶりのJリーグ。対戦相手は三年前に湘南をパワハラで追われ、禊を済ませて戻ってきた曹貴裁{チョウキジェ}監督率いる京都サンガ。
 鹿島のスタメンはGWクォン・スンテ、DF常本、関川、三竿、安西、MF樋口、ピトゥカ、仲間、カイキ、FW和泉、上田綺世という構成だった。
 綺世が代表戦で負傷したというので、エヴェラウド(祝復活!)がスタメンかと思ったけれど、さいわい大事には至らなかったようで、この日も先発メンバーには上田綺世が名を連ねていた。
 そのかわりにルヴァン杯(残念ながら福岡に負けて敗退……)で怪我をした鈴木優磨が欠場。今年は得点の半分以上が優磨絡みって感じなので、これは痛い。代役でFWとしてプレーした和泉は可もなく不可もなくって感じだったし。最前線で使うならば、土居やエヴェラウドのほうがいいと思うんだけれどなぁ……。
 和泉はザーゴのころからずっと重用されているけれど、その割にはこれといった数字を残していないので、なぜこれほどまでに起用されるのかわからない。多分MFとしては樋口の次に出場時間が長いと思うのだけれど、シーズンの折り返しの現時点でいまだノーゴールだし。3アシストはリーグのトップ10に入る成績みたいだから、まったく貢献していないというわけではないけれど、攻撃的なポジションで起用されている以上、せめて1、2ゴールは欲しいよなぁ。毎年5ゴール以上をコンスタントに決めている聖真にベンチを温めさせているわけだし。
 そんな和泉のスタメン固定とキム・ミンテのボランチ起用(この日も後半途中から出てきた)がヴァイラーの手腕にもっとも疑問を感じるところだ。
 試合は前半を0-0で折り返して、後半5分に樋口の右CKにカイキがフリーであわせて鹿島が先制(カイキ、バク転すげー)。その1点を守り切って、リーグ再開後の初戦をものにした。
 J2上がりの京都に対してシュート12本で1点という内容はものたりないけれど、まぁ、優磨もいないことだし、とりあえず勝ててよかった。
 途中出場はエヴェラウド、キム・ミンテ、広瀬、船橋、染野の5人。注目のエヴェラウドはいまだコンディションがいまいちっぽかった。あぁ、これではスタメンでは使いづらいかなぁって出来でした。
 京都は綺世とJ1ゴールランキングで首位争いをしているピーター・ウタカに、元鹿島の豊川、そして荒木大吾という28歳の選手の3トップ。昇格組とはいえ、9位という順位につけているだけあって、それほどくみしやすい相手ってわけでもなかった。チョウ監督さすが。もうパワハラ事件とか起こしませんように。
 それにしても最近はどこのクラブにも元鹿島の選手がいるなぁと思って調べてみたら、鹿島と縁のある選手や監督がいないのは、柏、広島、C大阪、磐田の4チームだけだった。ちなみに順番は現時点でのJ1の順位。そのうち3クラブが4~6位という。今年は鹿島から流れていった選手がいないクラブが軒並み好調というのがなんとなく皮肉な感じだ。
(Jun. 19, 2022)

名古屋グランパス1-1鹿島アントラーズ

J1・第18節/2022年6月26日(日)/豊田スタジアム/DAZN

 J1もここから後半戦に突入~。最初の対戦相手は名古屋グランパス。
 前回の対戦ではお互いに守りに守ってスコアレス・ドローって試合だったので、今回のポイントはいかに名古屋の堅守を崩すかだと思っていた。だから1-0で先制して前半を終わった時点で勝ったかと思っていたのに……。
 残念ながら後半にPKで1点を返されて、今回もドローに終わる。こういう試合をしていたんでは、残念ながら今年も優勝は無理そうだよなぁって思わずにいられない。
 そんなこの試合のスタメンは、GKクォン・スンテ、DF広瀬、三竿、キム・ミンテ、安西、MFピトゥカ、仲間、和泉、カイキ、FW優磨、綺世という11人。途中出場は常本、樋口、エヴェラウド、関川、土居の5人。
 スタメンの4バックの右が広瀬とキム・ミンテのふたりというのがポイントだ。
 常本がスタメンを外れたのは鼻骨骨折のせいだったようだから(後半途中からフェイスガードをして出てきた)、それならば仕方ないと納得したけれど、キム・ミンテのスタメン起用は疑問。
 いや、正確にいうならば、最後までCBとしてプレーさせていたならば、特に文句はなかった。現時点で関川よりも調子がいいと判断したんだろうって話だから。
 でもヴァイラーは後半途中から関川を投入する。しかもキム・ミンテはそのまま残したまま、またもやボランチに移動させる。なにそれ?
 センターバックを気安く替えるんじゃないよ。運動量が求められるサイドバックならば戦術的に途中で交替させるのもありかもしれないけれど、CBはフル出場させてなんぼでしょう? なぜにスコアがイーヴンの状態で、攻撃的な選手を起用せずに、CBを入れ替えるのかって話だ。しかも攻撃的センスのあるピトゥカを下げて、キム・ミンテをボランチにあげるという謎采配。
 ヴァイラーという人のセンスが俺にはよくわからない。それゆえにストレスを感じずにいられない。いまのところまだ日本代表監督の森保よりはましだけれど、でもなんとなく感覚的に似たものを感じはじめている。
 なまじ岩政が監督代理だったときには選手起用での不満がほとんどなかったので、ヴァイラーが監督に就任した途端になにそれって起用が増えたせいで、どうにも彼に対する不信感が強まってしまっている気がする。
 まぁ、この試合に関しては山本雄大というレフェリーに泣かされたところもあった。
 上田綺世の先制ゴールが見事に決まったかと思ったのに、VARが介入してハンドで取り消されたシーンは、胸トラップのあとで腕にあたったのがハンドなのって疑問だったし、同点ゴールにつながったピトゥカのハンドもそう。スライディングにいって不可抗力で腕にあたった場合はPKじゃなかったりしません?
 どちらにしてもレフェリーの判断によってはPKにならないかもってシーンだっただけに、その二つの得失点のせいでドローに終わってしまったのは、なんともついてないなぁって感じだった。
 鹿島の1点は仲間。水曜日の天皇杯のダイジェストを観たら見事なゴールを決めていたけれど、この日も一瞬のチャンスに反応して、相手GKと接触しそうな、ぎりぎりのところで競りかってループ・シュートを決めてみせた。仲間は本当にセンスがよさそうだ。彼を中3日で起用したヴァイラー采配には納得。
 その一方で、和泉をフル出場させて、仲間や優磨をさげた点は大いに疑問。まぁ、仲間は今年でもう三十だから、スタミナ的に替えても仕方ないかなと思わなくもないけれど、優磨をさげてどうすんだ。でもって、ここまで無得点の和泉を残すというのは本当に謎だ。
 和泉を使うなとはいわない。中盤のバランサーとしては評価できるのかもしれないし。とはいえ、決定的な仕事の量からすれば、交替のファースト・チョイスだと僕は思っていたので、その和泉をフル出場させてドローで終わってしまったこの試合には不満しかない。
 対する名古屋は、故障中だった正GKのランゲラックがこの試合から復活(ってあたりが鹿島としてはついてない)。最終ラインが丸山、藤井、中谷の3バック、さらに稲垣、レオ・シルバという優秀なボランチがいる点も前回と一緒。仙頭も(攻撃的なポジションなのかもしれないけれど)ボランチ的なイメージがあるし、このメンツならば、そりゃ備は固いよなぁって思った。おまけにあいかわらずマテウスは効きまくりだし、柿谷や右SWの森下が決定機でシュートをふかしていなければ、もしかしたら負けていたかも……って試合だったような気がする。
 ――いやもとい。
 同点ゴールは不運なPKからだったし、やっぱ負けはないな。後半の迷采配のせいで勝てる試合を勝ちそこなった。そんな印象の試合。
 このままヴァイラーで大丈夫なのか疑問が深まった。
(Jun. 26, 2022)