2022年11月のサッカー

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  1. 11/05 △ 鹿島0-0G大阪 (J1・第34節)
  2. 11/17 ● 日本1-2カナダ (親善試合@ドバイ)

鹿島アントラーズ0-0ガンバ大阪

J1・第34節/2022年11月5日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 前節と同じく、テレビを三画面分割して、優勝の行方を気にかけながら観戦したJ1最終節・ガンバ大阪戦。
 2022年最後の試合で鹿島のスタメンに名を連ねたのは、GK早川、DF広瀬、関川、キム・ミンテ、和泉、MF三竿、樋口、ピトゥカ、FWカイキ、松村、鈴木優磨の11人だった。途中出場は荒木、常本、船橋、名古、仲間の5人。
 前節左SBとして緊急出場した和泉が、なんとこの試合でもそのままSBとしてスタメン出場。これには驚いた。どんだけ今年の鹿島は人材不足なんだ。
 普通に考えれば、左に広瀬、右は常本でいいでしょうに。なぜにそういう普通のことができないかな。
 まぁ、結果的に和泉の守備力が問われるような場面はほとんどなく、クリーンシートで試合を終えているのだから、別に悪い采配ではないんだろうか。旗手のSB起用が成功した川崎のような例もあるわけだし。
 それでも本職のSBが、本来はMFの選手にポジションを奪われるのは、チーム全体でのメンタル面でのしこりを残さないかとか、そういう細かいことの積み重ねがチームの歯車を狂わせてゆきやしないかと心配になる。
 来季も岩政体制が継続するという噂なので、この最終節に勝って最後を連勝で終えて、来季のはなむけにして欲しいと思っていたけれど、試合はスコアレス・ドローに終わってしまってその期待も叶わなかったし、トリッキーな用兵に対しての疑問を感じてしまったりしたこともあり、岩政体制の初年度は最後まですっきりとした気分になれずに終わってしまった。
 そういやこの試合、エヴェラウドはベンチにも入っていなかった。試合後のセレモニーでも浮かない顔をしていたし、おそらく今年でお別れなんだろうなぁ。おととしの記憶が鮮やかだけに、この二年間エヴェラウドにきちんと活躍の場をもうけてあげられなかったのは本当に残念だった。
 対するガンバは昌子、ファン・アラーノがいて、怪我で戦列を離れていた宇佐美も戻ってきていたけれど、やはり残留争いをしているだけあって、出来はさっぱり。まぁ、昌子と三浦玄太という元代表のCBがいるから守備は固いけれど、シュート2本ではさすがに勝てないだろうって思った。
 片野坂監督は大分のような小さなクラブを率いてそれなりの結果を残してきたのだから、ガンバの監督に就任したらかなり厄介なことになるのではと思っていたのだけれど、意外やまったく結果を出せず下位に低迷したあげく八月に解任されてしまい、この試合は松田浩という人が指揮を取っていた。監督って難しいねぇ。
 まぁ、なんにしろパスはまわせど決定機が作れない今の鹿島と、守備は安定しているけれどまったく攻撃に迫力がないガンバの対戦だったので、結果がスコアレス・ドローに終わったのはいたって順当な印象だった。残念ながらいまいちおもしろみのない最終節でした。
 とりあえず最後に勝ち点1を積み上げたガンバは無事残留確定、鹿島も勝ち点1のおかげで、ひとつ上にいたセレッソ大阪(名古屋に負けた)を上回り、去年と同じく年間4位でシーズンを終えた。
 うーん、2年連続で4位かぁ。決して悪い成績じゃないんだけれどねぇ……。
 裏ではF・マリノスが3-1で神戸に打ち勝って自力で優勝を決めた。川崎も前半にGKのチョン・ソンリョンが一発レッドで退場になる苦しい展開を跳ねのけてFC東京に勝利。最後までディフェンディング・チャンピオンの意地をみせた(FC東京、勝っていれば4位だったのに……)。
 ということで、今年のJ1は例年より一ヵ月早い11月の頭で全日程終了。優勝は横浜F・マリノス、2位・川崎、3位・広島。降格は磐田と清水。この静岡勢のふたつのクラブが揃ってJ2に落ちるのは史上初だそうだ。あと16位の京都にはこのあとJ1参入プレーオフが待っている。
 得点王は清水のチアゴ・サンタナ。わずか14ゴールしか決めていない、J2降格クラブの選手が得点王って……。でもまぁ、途中加入で序盤戦はプレーしていないことを考えると立派な成績なのか――というか、単に他の選手がだらしなかっただけか。
 それをいうならば、年間優秀選手にも選ばれていない、このままだと来年はJ2でプレーすることになるGKがW杯で日本代表のゴールを守ることになるかもしれないってものなぁ……。
 なんかあれこれ微妙な2022年シーズンの終幕だった。
(Nov. 06, 2022)

日本1-2カナダ

親善試合/2022年11月17日(木)/アルマクトゥームスタジアム(ドバイ)/NHK総合

 ワールドカップ開幕の三日前。日本の初戦・ドイツ戦まであと6日というタイミングで行われたカナダとの親善試合。
 まずは森保がW杯で戦うために選んだ26人を書き記しておく。JFAの公式サイトだと森保の発表にならってGK以外のフィールド・プレーヤーが全員いっしょくたになってしまっているので、FIFAのW杯公式サイトを参照してポジションごとに分けた(余計な手間をかけさせられてなおさら腹が立つ)。順番は背番号順。
 GK:川島、権田、シュミット・ダニエル
 DF:山根、谷口、板倉、長友、冨安、酒井宏樹、吉田麻也、伊藤洋樹
 MF:遠藤航、柴崎、堂安、三笘、南野、久保建英、守田、伊東純也、鎌田、田中碧、相馬
 FW:浅野、町野、上田、前田大然
 よもやの大迫、原口、古橋、旗手が落選で、柴崎や故障明けの浅野が入るというサプライズ。あと、中山雄太が怪我で辞退したため、追加で町野が加わった。なんで手薄な左SBのレギュラー候補が離脱した穴をFWで埋めるんだか。
 まぁ、もうどうぞ勝手にしてくれって気分。なんでもこの大会で好成績を収めたら、次の四年も森保体制のままでゆくという噂があるけれど、僕個人はもうこれ以上、森保のサッカーとつきあう気がないので、もし本当にそうなったら日本代表を観るのは今回の大会が最後かもしれない。少なくても次の代表監督が決まるまではさよならだ。
 さて、ということで上記の26人からこの日のスタメンに森保が選んだのは、権田、酒井、谷口、板倉、柴崎、田中碧、相馬、南野、久保、浅野の11人だった。途中出場は上田綺世、山根、堂安、長友、鎌田、麻也の6人。
 日本代表の中盤の要である遠藤、守田の両ボランチがそろって欠場せざるを得ないコンディションだったので、ベスト・メンバーで戦えないならと開き直ったのか、はたまた最初からそのつもりだったのかは知らないけれど、森保は本番を約一週間後にひかえたこの試合をほぼサブのメンバーだけで戦った。
 この日のスタメンのうち、ドイツ戦で先発起用される可能性があるのって、権田と酒井と久保くらいじゃないだろうか(この試合に出たことで、本番はもしかしたら権田ではなくシュミットかもって気がしてきた)。本番に向けて、できるかぎり手の内をさらしたくないって心情が透けて見える。
 でもそれって完全に弱者の発想だよねぇ。森保ってぜんぜん日本代表の選手たちのポテンシャルを信じていないんじゃないだろうか。
 まぁ、そうなんだろうなぁ。久保や三笘の才能を本気で信じていたら、これまで彼らをあんな風に中途半端な使い方をしてきたはずがない。なんでこんな人が監督になっちゃったんだろうって本気で悲しくなる。
 この試合は前半8分に柴崎がDFラインの裏へと放り込んだ浮き球のパスを相馬がワンタッチしてゴールへ流し込んで先制しこそすれ、得点はその1点だけ。見事なゴールを決めた元鹿島のふたりには悪いけれど、そんな本番で見れるかどうかもわからないホットラインがつながってもなぁって思ってしまった。
 守ってはセットプレーから前半の途中で簡単に同点に追いつかれ、最後は途中出場の山根がPKをとられて敗戦。なんでイーブンの状況で最後に麻也入れて3バックにするんだよ。しかも、そのあとでPKとられて負けるってなんなんだ。
 なぜかJFAの公式記録には現時点でシュート数が記録されていないけれど(試合の公式記録さえ満足にまとめられないJFAって……)、スポーツナビのスコアを見るとシュート数の8-15を始めとして、あらゆる数値で相手を下回っている。カナダが強かったらまぁしかたないと諦めもつくけれど、両チームともこのレベルで本当にW杯に出るのかよって感じだった。
 なんでこんな試合を見せられてんだか。もうマジでうんざりだ。W杯を前にしてこんなにネガティヴな気分になるのならば、もうマジで代表戦なんて観るのやめたほうがましな気がしてきた。
 ということで、先程からBUMP OF CHICKENの『good friends』の歌詞――「好きになれないものを見つけたら/わざわざ嫌わなくていい/そんなもののために時間割かず/そっと離れればいい」――が頭の中でリフレインしています。
 いざ、七回目にして、もしかしたら個人的には最後になるかもしれないW杯へ。
(Nov. 18, 2022)