2023年4月のサッカー

Index

  1. 04/01 ● 鹿島1-2広島 (J1・第6節)
  2. 04/09 ● 柏1-0鹿島 (J1・第7節)
  3. 04/15 ● 鹿島1-5神戸 (J1・第8節)
  4. 04/23 ○ 新潟0-2鹿島 (J1・第9節)
  5. 04/29 ○ 鹿島4-0G大阪 (J1・第10節)

鹿島アントラーズ1-2サンフレッチェ広島

J1・第6節/2023年4月1日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 DAZNとの契約再開。無事にJリーグが観られる生活が戻ってきたのに――。
 なぜまた負けるかなぁ?
 結局、去年ダブルをくらった上位3チームとの初戦は3連敗に終わった。
 でも、どの試合も負け方が不運すぎる。
 川崎の決勝点はPKだし、マリノス戦はオウンゴールで、この日も同点弾はPK。
 ここまで不運がつづくってあり? マジで変な呪いがかかっているとしか……。
 まぁ、どの試合ももう1点ずつ取られたから負けたわけだけれど、すべて1-2なのだから、勝敗を分けたのは運だといっても言い過ぎじゃないと思う。
 だってこの日だって残り5分を切るまでは勝ってたんだよ? 内容的にも押していたし、そこから2失点して負けるなんて、誰が思うかって話だ。
 でもそこから負けてしまうのが今年の鹿島。うーん……。
 この現実を真摯に受け止めて、後半戦での巻き返しに期待するっきゃない。後半戦できっちり雪辱を果たせれば、まだまだ優勝は夢じゃないぜっ!
 ――ということで、最悪の逆転負けをくらったホームでのサンフレッチェ広島戦。
 スタメンはGK早川、DF常本、植田、昌子、安西、MF佐野、樋口、土居、FW藤井、優磨、知念の11人。途中出場は垣田、松村、仲間、中村亮太朗の4人。
 前節は現地観戦したから気がつかなかったけれど、その試合から藤井がFW登録になっていた。つまりフォーメーションは4-3-3。まぁ、今期は実質的にずっとそうだったわけだけれど、メンバー表の時点で明確にを変えてきたわけだ。
 試合は前半を0-0で終える拮抗した内容。広島は佐々木、荒木、塩谷という強力な3バックなので、なかなかそう簡単には崩せない。
 それでも後半に入り、樋口のFKから知念がヘディングを決めて先制!
 きょうの内容ならばこのまま逃げ切れるのでは――という期待が途切れたのは後半41分のことだった。
 途中出場の松村が佐々木を倒したということでPKを取られる。
 でもあれでPKは可哀想だ。ブロックしようと出した足に、うしろから佐々木の足が引っかかってしまった事故案件。あれをファールといわれたら、どうしようもない。
 このPKを途中出場のドウグラス・ヴィエイラに決められて同点。さらにはその2分後に左サイドでのボールロストからショートカウンターを食らい、これをまたもやドウグラス・ヴィエイラに見事に決められて、あっという間に逆転。わずか3分足らずのあいだに天国から地獄へ落とされた。
 逆転ゴールの場面は安西がパスミスして相手にボールをカットされ、昌子の横をスルーパスで通されて、なすすべもなくゴールまで持っていかれているので自業自得だ。あの時間帯に攻め急いで、ミスから逆襲をくらうなんて鹿島のサッカーじゃない。
 まぁ、とはいえ、エゼキエウのスルーパスも、ドウグラス・ヴィエイラのトラップからシュートまでの流れも絶品だった。敵ながらあっぱれ。
 あぁ、それにしても、去年とは違うということを証明する意味でも、この広島戦はとても重要だと思っていたので、ここでの逆転負けは痛恨だわ。選手のメンタルに響かないか心配だ。
 でも本当に、ここまで内容は悪くないのだから、ここでめげずに前を向いて欲しい。まだまだシーズンは始まったばかりだ。
(Apr. 02, 2023)

柏レイソル1-0鹿島アントラーズ

J1・第7節/2023年4月9日(日)/三協フロンテア柏スタジアム/DAZN

 今季ここまでリーグ戦・白星なしで、ネルシーニョ解任の噂も取り沙汰されているレイソル戦。
 鹿島がネルシーニョに引導を渡すことになったら気の毒だなぁと思っていたら、まさかの白星献上でこちらもリーグ戦3連敗となり、岩政のほうが解任のピンチじゃないかという笑えない状況になってしまった。やれやれ。
 試合後のインタビューで岩政が、これまででもっとも内容が悪かった、的なことを語っていたけれど、悪いなら悪いなりに試合を作るのが鹿島の伝統ではなかろうか。
 この試合だって、細谷のゴラッソにやられて負けはしたけれど、相手にそれほど押し込まれたわけではないし、まぁ、こちらのチャンスも決して多くはなかったけれど、数少ないシュートのうちのひとつでも決まっていれば、また話は違っていたように思う。どちらかというと内容よりも、指揮官が変に悲観的になってしまっているほうが気がかりだよ。
 この日のスタメンは前節のメンバーから樋口をはずし、出場停止明けのピトゥカに入れ替えただけという形。
 誤算があったのは前半36分に土居が足を痛めて交替してしまったことだろう。あれでリズムが狂った気がする。かわりに荒木が出てくるも、残り10分たらずでのスクランブル発進だったせいか、存在感を発揮できず。
 おまけに岩政は後半の頭からピトゥカ→樋口、常本→広瀬という謎のカードを切る。ピトゥカと常本のどこが悪かったのか、僕にはさっぱりわからなかった。それでなにがどう変わったとも思えなかったし、ずっとレギュラーを託してきたふたりを早々に替えたこの二度目の交替策がこの日の最大の敗因なんじゃなかろうか。
 そのあとも藤井を大卒ルーキーの師岡柊生{もろおかしゅう}と替え、優磨を垣田に替えてみるも、最後まで攻撃は活性化せず。若きエースがあげた虎の子の1点を守り切ったレイソルが念願の今季初勝利をあげた。
 レイソルは元清水の立田悠悟が移籍してきていて、キャプテンの古賀太陽とコンビを組んでいるのをみて、おいちょっと待てと思ったんだよなぁ。なにげに代表歴のあるCBコンビだもん。ちょっといい感じじゃん?
 戸嶋とかいう選手にも存在感があったし、そのほかにも三丸、椎橋、仙頭ら、他のクラブで見知った顔の選手もいる。もしかしてこのクラブはそう簡単には崩せないんじゃないの?――と思ったら案の定。この日のレイソルの守備はとても堅かった。
 決勝点の場面だって、マテウス・サヴィオ(この人が攻守に効いていた)からの見事なスルーパスを、細谷が昌子の裏をとって決めたナイス・ゴールだったし、あれはもうお手上げでしょう。
 この試合に関しては、自軍の不甲斐なさを責めるよりは、少ないチャンスをきちんとものにして、あとはしっかりと堅守を貫いた相手を褒めてもよかったのではと思う。なのに公式の場で愚痴っちゃうんだもんなぁ……。
 岩政はいまいち監督としての器が小さい印象なのが残念だよ。
(Apr. 10, 2023)

鹿島アントラーズ1-5ヴィッセル神戸

J1・第8節/2023年4月15日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 あぁ、ぼっろぼろ……。
 予想外の好調で首位にたつ神戸と、三連敗中の鹿島との対戦ということで、苦戦するのかもとは思っていたけれど、ここまでこてんぱんにやられちゃうとは……。現時点での勢いの差がありすぎた。
 神戸というとイニエスタを中心とした高額外国人中心のチームという印象があるけれど、今回の神戸はひと味違った。なんとスタメンに外国人の名前がない。
 とはいっても、しょぼいかというとそうではない。大迫、武藤のツートップをはじめ、両SBの酒井高徳に初瀬亮、ボランチに山口蛍と新加入の斎藤未月、攻撃的MFには汰木と、年代別を含む代表歴のある実力派がずらり。
 GKの前川やCBの本多、山川、MF井出という名前にこそなじみがないけれど、このメンツに名を連ねているのだから、当然それなりの選手なんでしょう。今年のチームがだてに首位に立っているのではないことはこの日のスコアが物語っていた。吉田孝行、監督として思いのほかいい仕事してるっぽい。
 まぁ、鹿島の出来にも問題はあった。
 前節で土居だけではなく佐野まで怪我で離脱してしまったこともあり、岩政は試合前からスタメンの変更を示唆していたとのことで、選ばれたメンツは早川、広瀬、植田、関川、安西、樋口、ピトゥカ、荒木、松村、優磨、知念という11人だった。
 前節前半だけで交替した常本と「僕が出るようになってから勝ててないので責任を感じる」といっていた昌子、そして藤井をはずしてきた(常本はベンチ外)。
 でもこのスタメンを見た時点ですでに疑問だった。
 昌子は今年のチームにとって生命線となる選手のひとりだと思うし、好不調うんぬんで外しちゃ駄目じゃん?
 常本の欠場は怪我のせいかもしれないけれど、そうでないのならば、佐野がいない試合で彼を外すのも守備力的に疑問だし、藤井にいたっては、彼の存在が攻撃においては今季のストロング・ポイントのひとつなのに、その彼を外してどうする?
 それで結果が出ればまだしも、5失点のていたらくだもんなぁ……。しかも常本をはずした右サイドからいいようにクロスを入れられて、きれいに決められたゴールがうち3本って。唯一の得点は途中出場の藤井が絡んだものだし(藤井が起点となって樋口が打ったシュートを優磨がヒールで流し込んだ)。攻守ともにスタメン変更があだになったのがあきらかでしょう? もう話にならない。
 ベンチ入りの選手の選択にも迷いを感じた。途中出場は藤井、昌子、溝口修平(これがJ1デビュー戦)、中村亮太朗、垣田の5人。前節デビューを飾った師岡はベンチ外。かわりにカイキがベンチ入りしていたのに使わずじまい。守備的な交替カードをより多く切って、でもって後半だけで3失点ではなぁ……。
 後半開始早々に樋口がハンドでPKをとられて(これまた川崎戦の荒木みたいな肩ぎりぎりのハンドだった)0-3とされた直後に、昌子を入れて3バックにしてきた采配にもがっかりだった。
 今回みたいな流れで昌子にベンチを温めさせたのならば、彼は使わないくらいの覚悟がないと。まぁ、ディフェンスがぼろぼろだからどうにかしたかったんだろうけれど。でもってこの展開で関川なり植田なりをさげてしまうと、彼らのメンタルに響くから、あえて3バックという選択をしたのかもしれないけれど、なりふりかまわず3バックにしたあとでさらに2失点したのではなぁ……。
 神戸の得点は大迫、武藤が2点ずつ、途中出場の佐々木大樹{だいじゅ}という若手が1点。大迫のPK以外は練習試合かよってくらいきれいなゴールばかりだった。なんであんなにやすやすとクロス打たせちゃうんだよ。守備がなってねぇ。DF上がりの監督なのに、なんでこんなに守備が崩壊しているんだ。
 まぁ、大迫はすごいよかったし――2点目の起点となったポストプレーとか素晴らしすぎでしょ?――この日の鹿島の出来ではこの大敗も納得するしかない。
 アントラーズがホームで5失点を喫したのは28年ぶりだとかなんとか。まさに歴史的大敗ってやつだった。ある意味すごい試合だった。
(Apr. 16, 2023)

アルビレックス新潟0-2鹿島アントラーズ

J1・第9節/2023年4月23日(日)/デンカビッグスワンスタジアム/DAZN

 ひさびさに勝ちました~。じつに一ヵ月半ぶりの勝利。
 今節の対戦相手は昇格組の新潟だから、勝って当然といいたいところなんだけれど、今季の新潟はとても好調で、ここまで9位と中位につけている。しかも前節は0-2から試合をひっくり返して逆転勝ちしたという。4連敗中のこちらとは勢いが違う。
 まぁ、とはいっても、スタメンで知っている名前はトーマス・デンと舞行龍ジェームズのCBコンビしかいない。あと前節ハットトリックでチームを逆転勝利に導いたという絶賛売り出し中の伊藤涼太郎、それと途中出場の高木家次男くらい。
 要するにネームバリューの高い選手はそれほどいない。そんな新潟に鹿島は一ヵ月前のルヴァン杯で負けている。ここで連敗なんてしたら、本当に洒落にならない。まじで岩政解任もまったなしってことになってしまうだろう。なので本当に勝ててよかった。とりあえず一安心だ。
 この日のスタメンは早川、広瀬、植田、関川、安西、樋口、ピトゥカ、名古、仲間、垣田、優磨の11人。つまり仲間、名古、垣田が今季初スタメン。
 なんと、岩政は藤井につづいて知念までスタメンから外してきた。
 なんだそりゃ? 知念はここまでチームのベストプレーヤーのひとりじゃん。その知念をはずしてどうする――と思ったんだけれど。
 この日の采配については岩政が正しかった。
 いやぁ、かわりに出てきた垣田の出来が素晴らしい。広瀬のアーリークロスに優磨がファーであわせた先制点も、起点となったのは垣田のポストプレーからだったし、優磨の芸術的なラストパスを受けて、左足のダイレクトボレーで泥臭く決めた追加点は今節のベストゴール賞モンだろう。得点機以外でも存在感ありまくりだったし、本当に垣田がここまでいいプレーを見せてくれるとは思わなかった。おみそれしました。
 垣田のみならず、仲間もフル出場して存分に活躍していたし、このふたりのスタメン抜擢は大成功(名古はもっとできる人だと思っているので印象がいまいち)。守ってもクリーンシートだし、前節5失点で負けたのが嘘のようにいい内容だった。
 そうや、フォーメーションをこれまでの3トップから、伝統の4-4-2に戻したのも成功の要因な気がする。攻守ともにとてもバランスよく戦えていた印象だった。やっぱ鹿島にはこの形がいちばんしっくりくる。
 まぁ、とはいえ岩政采配にはちょっと注文を付けたくなる部分もあった。
 ひとつめは後半も優磨をそのまま使ったこと。
 前半に優磨と仲間がイエローを一枚ずつもらっていたので、僕は後半の頭からこのふたりをさげて、知念と荒木あたりを入れるのもありだと思った。2-0とリードしていたし、もう無理して攻める必要はないんだから、ここはサブのメンバーを積極的に起用して、退場のリスクがある主力を休ませるのも、指揮官としてはいい手でしょう?
 でも岩政は後半も同じメンバーのまま戦った。そしたら開始わずか5分で優磨が足をひねって交替するハプニングが……。
 結果論だけれど、後半の頭から優磨をはずしていれば、彼が怪我(ねん挫?)をすることもなかったのに……と思わずにいられない。
 ふたつめは交替カードを知念、藤井、昌子の3人しか使わなかった消極性。連敗中だから下手に交替カードを切って好守のバランスを崩したくなかったんだろうけれど、なまじ前半から優勢に戦えていただけに、使える駒を使わずに終わってしまうのは、指揮官としての引き出しの少なさの証拠に思えてしまった。
 最後にまたもや昌子を入れて3バックにしてきたのもちょっとなぁとは思うけれど、まぁ、今年のチームは昌子、植田、関川のCB3人は等しく大事な存在だから、この3人をできるかぎりうまく併用してゆくための方策としてはありなのかもという気がしなくもない。
 ――ということで若干不満は感じたものの、それでもとりあえず勝ててよかった。噂の伊藤涼太郎も(一本際どいシュートこそ打たれたものの)うまく抑え込んで、これといった仕事はさせなかったし、攻守ともにナイスゲームだった。
 あぁ、ひさびさに試合のあとでうまい酒が飲める。
(Apr. 23, 2023)

鹿島アントラーズ4-0ガンバ大阪

J1・第10節/2023年4月29日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 今季初の連勝~。
 ともに過去のタイトルホルダーながら、今季は下位に低迷していて、試合開始時点での順位は鹿島が15位、G大阪が16位という寂しい成績で並んでいた両チームの対戦。
 アントラーズは前節とまったく同じスタメンでのぞんだこの試合(優磨の前節での負傷が軽くてよかった)。前半は両チームともいいところがなく、見どころの少ない内容で、スコアレスのまま折り返し。
 このままで大丈夫なのかと心配していたら、後半になって試合の様相が一変した。
 後半開始わずか3分、左CKからファーでフリーになった仲間が左足ボレー弾を決めて先制。19分にはカウンターからピトゥカが運んで名古が入れたクロスを優磨がヘディングで叩き込んで追加点。さらには故障明けで途中出場の土居聖真が、41分、42分に立て続けに2ゴールを決めて、そのまま守ってもクリーンシートで、4-0という圧倒的なスコアでガンバを蹴散らした。
 途中出場は土居、藤井、知念、船橋、昌子の5人。
 正直なところ、知念、藤井、昌子をサブにしたままの布陣は気にいらないし、もしも前半の出来のまま、後半のゴールがなかなか生まれなかったら苦戦必至だったんじゃないかって気がするけれど、まぁ勝ったからよし。
 僕にとってのこの試合のMVPは仲間。先制点をもたらしたセットプレーでマークを外してダイレクトでシュートを打った動きは最高だったし、守備でもたえず声出ししてバランスを取っていたのがとても好印象だった。ほんといい選手。
 ガンバはフィールドプレーヤーの半分が外国人だった。――とはいっても、内訳はブラジル人MFがふたり――そのうちのひとりはファン・アラーノ――と韓国人DF、イスラエル人MF、チュニジア人FWという多国籍軍。失礼ながら外様に依存している割にはコスト低めというか、いまいち補強の方向性がみえない。昌子が抜けたDFラインも安定感がなかったし、監督のポヤトス氏も苦労していそう。
 それにしても古巣ガンバとの直接対決なのに昌子をスタメンで使わない岩政は、森保と同じでエンターテイナーとしてはいまいちだと思うんだよねぇ。
 そうそう、なんでも鹿島のホームゲームでの勝利はじつに去年の8月以来なんだそうだ。確認したら、それは岩政が監督に就任した最初の試合だった。あれ以来カシマスタジアムで一度も勝ったことがなかった岩政監督って……。
 以上、今季初のナイトゲームだったため、ワイン片手に観ていたこともあって、今回は感想も短め。
(Apr. 30, 2023)