湘南ベルマーレ2-2鹿島アントラーズ
J1・第26節/2023年9月2日(土)/レモンガススタジアム平塚/DAZN
柴崎岳、アントラーズに復帰!
ピトゥカがシーズン終了後に古巣サントスへ戻ることが7月に発表され、来季はどうなることか思っていたところへ、柴崎が帰ってくるという嬉しい知らせが入った。おぉ、ピトゥカの代役として願ってもない補強!
なんでも柴崎のJリーグ復帰は6年半ぶりらしい。三十を過ぎたいまの柴崎にどれくらい期待できるのかはわからないけれど、同じ年の昌子もいることだし、ともに切磋琢磨してチームを支えていってくれるといいなと思う。
さて、そんなわけで柴崎復帰の朗報が届いた翌日に行われた湘南戦。
鈴木優磨が出場停止ということで注目だったこの日のスタメンは、早川、須貝、植田、関川、溝口、ピトゥカ、海舟、土居、仲間、知念、垣田の11人だった。
優磨のかわりに知念が出るところまでは予想通りだったけれど、まさか樋口、安西をベンチから外してくるとは思わなかった。
中3日でルヴァン杯・準々決勝の名古屋戦が控えているので、タイトルのかかったその試合を重要視して温存したのかと思ったけれど、公式サイトのゲームレポートによると、体調不良者が続出したとのことなので、どうやらそういった戦術的な理由ではないらしい(本当かどうかは知らない)。ひとまず不在者の無事を祈っとく。安西はともかく、名古屋相手に樋口抜きは厳しかろう。
ということで、前節とはスタメン4人を入れ替えて臨んだこの試合。序盤から相手を押し込んで、佐野のJ1初ゴールで先制したところまでは上出来だった。
佐野のゴールは前半わずか8分。ドリブルで独力PA内へと切れ込み、右足を振りぬいてのゴラッソ。素晴らしい先制点だった。
相手はいつの間にか最下位に沈んでいる湘南だ。そこまでの内容は鹿島が文句なしに圧倒していたし、この試合はもう楽勝だろうと思った――のでしたが。
なぜだかその先制点以降は受け身になってしまい、徐々に相手ペースに傾いてゆく。そして前半も残り10分というところから、大橋祐紀、
大橋のゴールは杉岡からのスルーパスを小野瀬がワンタッチして落としたボールを大橋がダイレクトで決めたもの。鈴木のゴールは仲間がボールを奪われたところからのショートカウンターを、植田の股抜きシュートで見事に決めたものだった。
元チームメイトの杉岡(キャプテンマークを巻いていた)からの素晴らしいスルーパスから先制を許し、守備の要である植田が20歳の若い子に股抜きされて逆転を許すという、なかなか厳しい展開。
鈴木にはゴールの直前にも絶体絶命のチャンスを与えてしまっていたし、大橋には後半にバー直撃の際どいシュートを打たれている。それらが決まっていたら4失点していてもおかしくない内容だった。
この劣勢に対して、岩政は後半開始から動く。須貝をさげて広瀬を投入。
――でも僕個人はこの采配はどうかと思った。
確かに須貝は可もなく不可もなくという感じだったけれど(いや、惜しいミドルが一本あった)、だからって前半だけで替えられたら彼のメンタルによくないだろう。ひさびさに先発で起用したのだから我慢して使って、後半に挽回のチャンスを与えてあげて欲しかった。岩政はいまいちそういう我慢強さが足りない気がする。
鹿島はその後も垣田→松村、仲間→カイキ、さらには知念→藤井と交替させて、反撃の糸口をうかがう。でもって84分には最後のカードを切って、溝口を昌子と交替。CBを昌子、関川のコンビに変更して、佐野を左SBにコンバート、植田を前線にあげるパワープレーに打って出た。
で、結局このスクランブル体制が功を奏した形。残り時間あとわずかで、広瀬からのクロスに頭から飛び込んだ植田が相手DFに頭を蹴られたということでPKを獲得。これをカイキが決めて、ロスタイムになんとか同点になんとか追いついた。
いやしかし、この日の清水主審の判定にはいろいろ納得がゆかなかった。
逆転ゴールの起点となった仲間のボールロストは、相手に腕で押されて倒れているように見えるのにノーファイルだったし、知念のシュートがバーに当たり、ゴールラインを割って跳ね返ったように見えたシーンもノーゴールのままだった。
最後のPKにしたって、最初はファールの判定さえなかったのが、VARでようやく認められたものだ。頭蹴られて流血しているのにファールなしなんて、そんな馬鹿な話はないでしょう?
誤審といえば、先日ヴィッセルの齊藤未月が全治一年という大怪我を負った試合で、そのシーンをノーファールと判定した今村主審が懲罰を受けて、しばらく主審を外れることが発表されている。
今村って人はこれまでもいい印象がなかったから、ああやっぱりって感じだったけれど、この日の清水さんも以前からいまいち印象がよくない気がする。Jリーグは好きだけれど、レフェリーのレベルだけはどうにも疑問を感じてしまっていけない。
まぁ、なんにしろそんなわけで、最下位のクラブ相手にドローで勝ち点1という、最悪とまではいわないけれど、あまり芳しくない結果に終わった湘南戦だった。
とりあえず前節、今節と上位陣が軒並み勝ち点を取りこぼしてくれたので、今節で首位に返り咲いたヴィッセルとの勝ち点の差が9で収まったのが不幸中の幸い。
現在の順位は6位ながら、上位5チームのうち、直接対決が済んでいるのは名古屋だけだから、残り8節を全勝すれば、まだ逆転優勝の可能性はある。
小笠原の復帰後に9連勝して大逆転優勝を成し遂げた2007年の再現といきたいところだけれど、さあどうなる。柴崎の復帰がそんな奇跡へ向けてのフラグになってくれますように。
(Sep. 03, 2023)