2024年2月のサッカー

Index

  1. 02/17   神戸0-1川崎 (スーパー杯)
  2. 02/23 ○ 名古屋0-3鹿島 (J1・第1節)

ヴィッセル神戸0-1川崎フロンターレ

FUJIFILM SUPER CUP/2024年2月17日(土)/国立競技場/日本テレビ

 Jリーグ開幕一週間前の恒例行事、スーパーカップ。
 日本代表を観るのをやめたから、去年の天皇杯決勝以来二ヵ月ぶり。今年はこれが初サッカーだっ!――って、それなりに楽しみにしていたのに。
 午前中からマンガを読みふけっていたせいで、前半をまるまる観逃しました。
 キックオフは一時半だから、そろそろ始まるかと思って本を閉じ、テレビの横に置いてある時計をみたら、針が妙な角度を差している。ん? なに……二時半??
 えぇ、嘘でしょう?
 あわててテレビをつけると、ハーフタイムのCM中だった。
 まぁ、うちの奥さんが熱を出して寝込んでいたりして、いまいち落ち着かない状況ではあったんだけれど。それにしても、こんなの初めてだわ。
 まぁ、とりあえずアントラーズの試合じゃなくてよかった。
 ということで、半分しか観てない試合の感想を書くのもなんなんだけれど、書いておかないと、あとで「なんでこの年は書いてないんだ?」ということになりそうなので、後半だけの印象だけれど、とりあえず記録を残しときます。
 昨年度J1王者・ヴィッセル神戸に関しては、それほど印象が変わらず。なぜか武藤がいなかったり、今季鹿島から移籍した広瀬が後半途中から出てきて、SBではなく攻撃的なポジションで使われていたのには意外性があったけれど、あとは去年のままって感じ。キーマンは今年も大迫っぽかった。
 対する川崎は脇坂や家長がいなかったりして、ずいぶんとメンツが入れ替わっていたけれど、なんでも中三日でACLを戦ったあとなので、大幅なローテーションで臨んだという話だった。それでも勝っちゃうんだから、今年もここは難敵っぽい。
 決勝点は山口蛍がクリアしようと蹴ったボールが、川崎に新加入したSBファン・ウェルメスケルケン・際(名前なげー)の足にあたってシュートになるという――え、それが入っちゃうの?って感じの――ふわっとした印象のゴールだった。
 止めにいったDFの足にあたってコースが変わってなければ、前川が止められたんじゃないかって気がしたし、神戸にとってはアンラッキーな失点だった。
 それでも、ああいうラッキーゴールを呼び寄せちゃうところが昨今の川崎の強さの証明って気がする。
 ――とか思っていたのに、そのあとすぐにACLで敗退する川崎の内弁慶ぶりっときたら、ほんとまったく。
(Feb. 21, 2024)

名古屋グランパス0-3鹿島アントラーズ

J1・第1節/2024年2月23日(金)/豊田スタジアム/DAZN

 2024年シーズン待望の開幕!
 今年の鹿島の開幕戦は、フライデーナイトJリーグと称して、金曜の夜に行われた。
 祝日だったので、昼間には広島-浦和戦があったから、オープニングマッチはそちらってことになるけれど(結果は広島が2-0で浦和を撃破)、それでも好きなクラブの開幕戦を一日早く観られたのはラッキーだった。そもそも開幕戦がナイトゲームなのって、なにげにレアな気がする
 さて、ランコ・ポポヴィッチ監督のもと新体制でスタートした鹿島アントラーズ初の公式戦はどうだったかというと――。
 結果は名古屋グランパス相手に文句なしの快勝だった。
 ポポヴィッチが記念すべきこの試合で選んだ11人は、GKが早川(引退したクォン・スンテから背番号1を引きついだ)、4バックは植田、関川の不動のCBコンビに、右が大卒ルーキーの濃野公人{のうのきみと}、左が安西。MFはダブルボランチが知念と佐野海舟、右に樋口、左に仲間。でもって、FWが土居と新外国人チャヴリッチのツートップという布陣だった。
 二週間前の水戸とのプレシーズンマッチでは優磨、柴崎、関川というセンターラインの中心選手たちが軒並み欠場していたというので、開幕戦はどうなることかと思っていたんだけれど、キャプテン柴崎こそベンチ外だったものの、関川はスタメン、練習試合で顔面を骨折して開幕が危ぶまれていた優磨もベンチ入りして途中出場を果たしたので、一安心だった(まぁ、黒いフェイスガードはしていたけれど)。
 途中出場は後半頭から土居に替えて藤井、その後は濃野&チャヴリッチ→須貝&優磨、仲間→ギリェルメ・パレジ、知念→名古という5人。
 ポポヴィッチ新体制でいちばんの注目はなんといっても知念のボランチ起用だ。
 移籍一年目の去年は、開幕からしばらくはスタメンで起用されていたものの、怪我での離脱がきっかけで出番を失い、以降はサブに甘んじてしまった知念が、今年はポジションを替えてふたたびスタメンに名を連ねた。
 もともと足元のうまい選手だし、サブはもったいないと思っていたので、このボランチでの起用はポポヴィッチの英断ではと思う。まぁ、今後柴崎が戻ってきたらどうなるかは未知数だけれども、それでもボランチとしての知念はとても好印象だった。佐野海舟との組み合わせは見ていて楽しかった。
 もうひとり注目選手は大卒ルーキーで開幕から即スタメンを勝ち獲った濃野。なるほど、この子もとてもよさそうだ。まぁ、おかげで今年もサブに甘んじることになりそうな須貝は気の毒でならないけれども……。
 新加入の選手といえば、鹿島初のセルビア人選手・チャヴリッチ(通称はチャッキーだそうだ)も1ゴール1アシストと上々のデビューを果たした。得点に絡んだ場面以外ではそんなに目立っていた印象がないので、どんな選手かはまだよくわからないけれど、初出場でしっかり結果を残すくらいだから、今後も期待していいんだろう。
 もうひとりの新外国人パレジは、出番が短すぎていいも悪いもなし。
 注目のシーズン・ファースト・ゴールは仲間。前半19分に右CKから、一度は跳ね返されたボールを植田が競りあって頭で押し込んだところへ、ボールの落下地点にするっと入り込んで見事なダイレクト・ボレーを決めてみせた。シーズンそうそう、なんて素晴らしいゴール!!
 その後の追加点は、後半わずか2分。右から安西が入れたクロスを、DF二枚に挟まれたチャヴリッチが下がりながら頭で合わせてファーサイドへと流し込んだ。さらに62分にはそのチャヴリッチがゴールライン間際で相手GKを引きつけて、ファーへ折り返したボールを仲間がヘディングで無人のゴールへと押し込んで3点目。
 以上の3ゴール+クリーンシートでアウェイの鹿島が快勝した。
 過去にJリーグでこれといった結果を残していないポポヴィッチが新監督に就任すると聞いたときには「大丈夫か?」と疑問に思ったものだけれど、少なくてもこの試合に関しては予想外の素晴らしさだった。なにより、セットプレーのバリエーションが豊富なのがいい。去年もセットプレーからのゴールがリーグ最多だったという噂だけれど、今年はもっと増えそうな予感。
 いやでも、岩政体制の過去二年間の結果として、荒木遼太郎、昌子源、広瀬、沖ら、かつてはチームの主軸としてプレーした才能ある選手たちの流出を招くことになってしまったのは、つくづくも残念だ。FC東京へ移籍した荒木が開幕戦でいきなり2ゴールを決めるのを見ちゃうとなぁ……。
 やっぱ背番号10を託した荒木や、わざわざ呼び戻して3番をつけさせた昌子は、ちょっとくらい調子があがらなくても我慢して使わないといけなかったと思うんだよねぇ。主力として認めたからこそ、その背番号を与えたんだろうに。
 彼らがプレー時間の少なさに不満を持ってチームを離れてしまったのは、フロントと岩政の方針がずれていた証拠のように思える。今年もまた失敗してさらなる流出を招くようだと、クラブの先行きがさらに暗くなってしまいそうなので、ポポヴィッチには起死回生の新シーズンを期待しないではいられない。
 対する名古屋(監督は今年も健太さん)は中谷、丸山のCBふたりが移籍してしまい、今年はベテランの野上を右に配し、あとは23歳の三國ケネディエブスと井上詩音という若い選手を起用しての3バックだった。
 三國は193センチの長身と黒い肌ですごく存在感があったので、序盤はもしかして次の代表候補かと思ったりしたんだけれども、結果は3失点と散々。調べてみたら東京五輪世代なのに、当時の森保の目に留まらなかったみたいなので、やはりそれなりだったのかと残念に思った。見た目はすごく強そうなんだけれどなぁ……。
 そのほかGKは今年もランゲラックだし、中盤には稲垣、和泉、森島司、山中亮輔らがいて、FWはユンカーと今季から加わったパトリックのツートップという顔ぶれは、じゅうぶん迫力があった。それでもやはり最終ラインが安定を欠くのは苦しい。新加入の韓国人DFが怪我で出遅れているみたいなので、次に戦うときにはけっこう顔ぶれが変わっていそうな気がする。
(Feb. 27, 2024)

鹿島アントラーズ1-1セレッソ大阪

J1・第2節/2024年3月2日(土)/カシマサッカースタジアム/DAZN

 新シーズンのカシマスタジアムでのホーム開幕戦。
 前節大活躍した仲間はその試合がJ通算100試合目だったとのことで、試合前にご両親(ずいぶんご高齢っぽかった)とともに表彰を受けていた。節目の試合であの活躍。しかも奥さんの誕生日だったとかいうし。いろいろとおめでとー。
 さて、この日の鹿島のスタメンは早川、濃野、植田、関川、安西、知念、海舟、藤井、仲間、樋口、チャヴリッチという11人だった。
 要するに、前節のメンバーから土居を外して藤井を入れた形。樋口がFW登録されていたけれど、フォーメーションはチャヴリッチをワントップに据えた4-2-3-1だった。
 でも残念ながらこの形がまるで機能しない。前半はほとんどいいところがないまま、スコアレスに抑え込まれた。まぁ、こちらも守備は安定しているから、失点も許さなかったけれども。
 試合の様相が変わったのは、後半開始とともに、藤井をさげて優磨を入れてから。前線に起点ができたことで、確実に攻撃が活性化した。やっぱいまのチームの要は優磨なんだってことを再認識させられた。
 そういやまだ柴崎も戻ってこないしねぇ。一日も早く優磨と柴崎がそろってスタメンに名を連ねる完成形の2024年版アントラーズが見たい。
 とにかく、後半に入ってからはすっかり鹿島ペースになったから、これならばゆけるかと思ったら、予想に反して先制したのはセレッソだった。
 左サイドからのカウンター。途中出場の為田という選手がドリブルで攻め上がって入れたクロスを、ゴール前に入り込んだレオ・セアラがワントラップして、ファーへと豪快に蹴り込んだ。
 セレッソはルーカス・フェルナンデス、レオ・セアラ、カピシャーバという強面{こわもて}なブラジル人スリートップがド迫力だったのだけれど、あいにくルーカス・フェルナンデスが前半のうちに足を痛めて交替。かわりに出てきたのが為田だった。
 そこまではほとんど存在感がなかったから、やっぱルーカス・フェルナンデスの代役としては役不足なのではと思っていたのに、まさか先制アシストを決めてくれちゃうとは……。やすやすと為田の突破を許した濃野の守備も難ありだったかもしれない。
 セレッソにとって不運だったのは、その後、レオ・セアラまで脚を痛めて交替してしまったこと。スタメンの3トップのうち、ふたりが怪我で交替を余儀なくされてしまったのは計算外もいいところだろう。
 そんなトラブルもあってか、小菊監督は後半途中からフォーメーションを3バックに変えて守りに入る。
 あぁ、このまま逃げ切られてしまうのか……と思った試合を振り出しに戻したのは、今季の鹿島の強力な武器になりそうなセットプレーだった。
 途中出場の名古のFKからのボールを、ゴール前に飛び込んでフリーになった植田がどかん! なにそれ、オフサイドじゃないの?――って誰もがびっくりするくらいどフリーだった。植田すげー。柴崎の代理とはいえ、キャプテンマークは伊達じゃない。名古のキックの精度も見事だった。
 結局そのゴールでこの日は打ち止め。試合は勝ち点1を分け合う結果に終わった。
 ポポヴィッチ采配でおもしろかったのが、後半の選手交替。関川と樋口をさげてパレジと名古を入れ、最後に仲間を垣田に替えて、計4人の選手を入れ替えたのだけれど、CBの控えがいない状態で関川をさげてどうするのかと思ったら、佐野海舟をCBに起用する奇策に出た。
 えぇ? 佐野は身長176センチだよ? 大丈夫か?――と心配だったけれど、まぁ、なんとか難なく試合終了の笛を迎えることができてなによりだった。
 相手のFWにも背の高い選手がいないから大丈夫だという判断だったのか、はたまた危機察知能力の高い海舟ならば、CBを任せてもある程度やってくれるという信頼なのか。いずれにせよ、ずいぶんと大胆な采配で驚いた。
 ちなみに関川の交替は、その直前に彼がイエローをもらったので、大事を取ったということなんだろうと思う。この日の鹿島はそのほかに樋口と優磨、計3枚もイエローをもらってしまったのだけれど、どれもリプレーを見たら、「え、それでイエローはひどくない?」というカードばかりだった。やれやれだ。清水主審はどうにも印象がよろしくない。
 対するセレッソは試合前のコイントスに見慣れない選手が出てきていたので、誰かと思ったらCBの西尾だった。若干22歳でキャプテンを任されていてびっくり。香川とかキム・ジンヒョンとかのベテランや、日本代表の毎熊らもいるのに。
 コンビを組むもうひとりのCBの船木も24歳だし、前節の名古屋といい、Jリーグでもどんどん若いDFが育っているみたいでいい感じだ。もちろん鹿島にも23歳の関川がいる。
 そうそう、DFといえば、セレッソの左サイドはフロンターレから移籍してきた登里だった。今回はアウェイの白いユニフォームだったから、それほどでもなかったけれど、前節ホームでピンクのユニフォームを着た彼はそうとう違和感があった。
 もうひとつ、その開幕戦で驚いたのは、札幌から移籍してきた田中駿汰が、背番号10をつけてボランチとしてプレーしていたこと。
 田中のことは典型的なCBだと思っていたから、まさかセレッソでボランチを勤めることになるなんて思ってもみなかった。
 まぁ、そんなこといったら知念のボランチ起用も一緒かもしれないけれど。知念は左CKのキッカーも任されていたし、彼の起用方法がポポヴィッチ体制になってのいちばんのサプライズかもしれない。
 なんにせよ、この日は拮抗した試合内容のせいか、それほど目立った活躍はしていなかったけれど、田中駿汰という大型ボランチがこの先どういうプレーを見せてゆくのか、よそのチームのことながら、ちょっと楽しみだ。
(Mar. 03, 2024)