鹿島アントラーズ3-2横浜F・マリノス
J1・第17節/2024年6月1日(土)/国立競技場/DAZN
5月を無敗で乗り切ったアントラーズは、6月初日のこの試合でF・マリノスに逆転勝ちして、リーグ戦での無敗記録を8に伸ばした。あっぱれ。
6月に入ってもポポヴィッチのスタメン固定方針は変わらない。スタメンはこの日も早川、濃野、植田、関川、安西、海舟、知念、師岡、仲間、名古、優磨の11人だった。途中出場はチャヴリッチ、樋口、柴崎、須貝、松村の5人。
対する横浜はエウレルが不在で、アンデルソン・ロペス、ヤン・マテウスに、井上健太という25歳の選手(意外とよかった)を加えたスリートップ。GKは開幕からスタメンだったポープ・ウィリアムが怪我したとかで、飯倉が務めていた。
最終ラインはエドゥアルドと去年柏から移籍してきた上島拓巳がコンビを組み、右に24歳の加藤蓮、左が永戸。中盤はキャプテン喜田に、6番の渡辺皓太、そして韓国からの出戻り天野純という布陣だった。
横浜は準優勝に終わったACLの日程の都合で水曜日にも試合があったから、ベテランの松原がお休みで、右サイドは加藤だったんだと思う。まぁ、知らない若手もいるけれど、全体的に駒がそろっていて手強い印象なのは間違いなし。後半途中からは宮市とか水沼とかも出てきた。今季からチームを率いる監督は豪州のレジェンド、ハリー・キューウェル。
そんなマリノス相手に、鹿島はなかなかいい感じの試合の入りをみせたと思ったら、前半10分にミスからまさかの先制点を献上してしまう。
関川がイージーにクリアすればいいところを、色気を出してパスをつなごうとして、出しどころを見つけられずに、苦しまぎれに出した横パスが相手に引っかかってしまう。そこから打たれたシュートのこぼれ球をアンデルソン・ロペスに決められた。今年はこうやってミスからシュートを打たれて、それを早川が止めたにもかかわらず、こぼれ球を押し込まれるってパターンがやたらと多い気がする。
まぁ、それだけ早川がナイスセーブを見せているってことなんだろう。
その後セットプレーから関川のヘディングが決まって同点かと思わせる場面があったものの、VARにオフサイドの判定を受けて取り消され(まぁ、あきらかにオフサイドだった)、前半はそのまま0-1で終了。ひさびさに先制を許す展開に、今年もマリノス戦は厳しいかと思った。
でもこの難しい試合を頼れるエースとルーキーが打開してくれる。
師岡をスーパーサブのチャヴリッチと交替させて臨んだ後半12分。
名古が右サイドから入れたクロスがファーに流れて優磨につながり、同点ゴールが生まれる。ひさびさに流れの中から生まれたエースのナイスゴールだった。
この場面、鹿島陣内で攻撃の起点になったプレーで横浜勢がハンドをアピールしていたので、もしもそこまで遡ってVARが介入しやしないかとひやひやしたものの、無事なにごともなくゴールが認められてなによりだった。キューウェルが試合後に審判団への不満をぶちまけていたのはその場面への不満もあったんだろう。
その後の逆転弾を決めたのはルーキー濃野。優磨が起点になって左サイドから作ったチャンスを、最後はファーにフリーで攻めあがってきた濃野が豪快に決めた。ディフレクションでコースが変わったのはラッキーだったけれど、なによりサイドバックがあそこへ攻めあがっていたのが素晴らしい。
濃野はこれで今季5ゴール目。もはや彼の攻撃参加はオプションなどではなく、欠かすことのできない戦術の一部となりつつある。
さらに残り5分を切ってから生まれた駄目押しの3点目は関川。途中出場の樋口からのFKを再度ヘディングで決めた。今度はオフサイドなし。これぞ鹿島のCBと思わせる見事なゴールで、汚名返上には十分な活躍だった。
まぁ、後半ロスタイムに加藤にダイビングヘッドを決められて1点差に詰め寄られ、最後はちょっとしんどい感じで終わってしまったのは残念だったけれど、最終的には勝ったのだから結果オーライ。
それにしてもロスタイムになって交替で出てきた須貝が、宮市を止められずにやすやすとクロスを上げさせてしまったところからの失点だったのはなぁ……。須貝のプレーの軽さは残念すぎた。毎試合ベンチ入りはしているので、ポポヴィッチには気に入られているのかもしれないけれど、いまの状態ではとうてい鹿島の右サイドを任しきれない。彼のプレーがぴりっとしないのは本当に残念だ。
まぁなんにしろ、これで去年ダブルを食らったクラブすべてに雪辱を果たしたことになる。今年はなんかもうそれだけで十分満足って気がしてしまう。
この試合にはゲスト解説者としてベルギーから帰国中の三竿健斗が来ていて、試合後に安西と談笑を交わしていた(MCはなぜかハリー杉山)。安西は「健斗が帰ってくるまで俺たちが鹿島を守る」みたいなことをいっていた。
ちなみにこの試合、国立での鹿島のホームゲームだったから観にゆこうかとも思ったんだけれど、先月から老後を見据えた節約モード発動中なのでやめておいた。観客は五万人を超えたらしい。
(Jun. 03, 2024)