17歳のカルテ
ジェームズ・マンゴールド監督/ウィノナ・ライダー、アンジェリーナ・ジョリー/1999年/BS録画
舞台は60年代のアメリカ。高校卒業後に睡眠薬で自殺未遂を冒し、精神病院の思春期少女病棟に入院することになったスザンナ(ウィノナ・ライダー)は、そこで脱走の常習犯リサ(アンジェリーナ・ジョリー)と出逢う。彼女は仲間を引き連れて深夜の病院内を探検して回るような型破りの少女だった。スザンナは境界人格障害との診断を下されつつ、リサたちとの交流に今までにない安らぎを見出し始める。
スザンナ・ケイセンという女性作家の回顧録に惚れこんだウィノナ・ライダーが、自ら製作総指揮をとったという作品。時代設定が近いこともあり、先週見た 『今を生きる』 の少女版みたいな印象だった。どちらも拘束の厳しい環境における若者たちの話、という構造が似通っている上に、仲間の自殺というエピソードが重なる。ただ、こっちは精神病院の話なだけあってその分の重みがある。だからというわけではないけれど、僕はこちらの方が好きだった。
アンジェリーナ・ジョリーの映画を見るのはこれが初めて。なるほど、この作品でアカデミー賞助演女優賞を獲得したというだけあって、なんとも迫力のある演技を見せてくれている。こんな子が近くにいたら結構びびっちゃうかもしれない。なんにしろ、とても格好のいい女の子だった。いずれ 『トゥーム・レイダー』 も見よう。
あとびっくりしたのがブリットニー・マーフィ。ぽっちゃりしちゃって 『8 Mile』 でのスレンダーな印象とはぜんぜん違う。あまりに違うので、不覚にもエンド・クレジットを見るまで出ていたことに気がつかなかった。けっこう重要な役だというのに、なってないなあ。
この二人に劣らず、二十代後半にして十代の役を違和感なく見せてしまうウィノナ・ライダーもある意味すごいと思うし、この三人の女の子が共演しているというだけで十分見る価値のある映画だと思う。ちょっと邦題はひどいけれど。
(Mar 01, 2004)