キル・ビル Vol.2
クウェンティン・タランティーノ監督/ユマ・サーマン、デイヴィッド・キャラダイン/2004年/DVD
ザ・ブライド(ユマ・サーマン)の復讐のターゲットは残り三人。手始めにビル(デイヴィッド・キャラダイン)の弟バド(マイケル・マドセン)を狙った彼女だったけれど、返り討ちにあって生き埋めの憂き目にあってしまう。棺の中で彼女の脳裏に浮かぶのはカンフーの師パイ・メイ(ゴードン・リュー)との修行の日の思い出。そのときの過酷な修行で身につけた拳法で窮地を出した彼女は再びバドのもとへと向かう……。
荒唐無稽なスプラッター・チャンバラ劇だった前作に比べると、全編的に落ち着いた雰囲気の漂う続編だった。人間関係をじっくりと描く方が主体で、アクションは比較的おとなしめ。そのアクションもカンフー中心で、チャンバラシーンはもうほとんどなし。前作が日本映画に対するオマージュだったとするなら、今作はジャッキー・チェンなどの香港ムービーを意識した作品ということなのだろう。あと、冒頭のモノクロのドライブ・シーンは50~60年代のヒッチコックあたりの作品を思い出させる。とにかくタランティーノが自分の好きな映画のエッセンスをありったけ注ぎ込んだ作品のようだ。
(Oct 31, 2004)