インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説
スティーヴン・スティルバーグ監督/ハリソン・フォード、ケイト・キャプショー/1984年/アメリカ/DVD
上海マフィアとの取引がトラブって、命からがら逃げ出したインディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)だったけれど、奪った飛行機がインドの山奥に不時着。その地の小村の長老に、奪われた村の秘石、サンカラ・ストーンを取り戻してくれるよう頼み込まれることになる。
あまりに不出来なシリーズ第二弾だ。とにかく冒頭からいい加減な展開のオンパレード。マフィアに毒を飲まされて、その解毒剤を奪い取ろうするどたばたコメディ調のオープニングからしてもう駄目。ジョーンズはなぜあそこでドリンクを飲む? なぜマフィアは解毒剤なんか用意している? なぜそんなに暴れて即効性の毒が回らない? あの丈夫な容器はいったいなにでできているんだ? わずか十分でここまで納得のいかない展開が溢れかえっている映画というのも滅多にないぞ。ユーモアのつもりなんだろうけれど、僕にはすべて空回りしているように思える。
その後も悪役の所有する飛行機に乗って出発しちゃうし(なぜその場で出発を取りやめて捕まえない?)、操縦士は飛行機を放棄して飛び降りちゃうし(ひと一人を始末するために飛行機を乗り捨てる奴はいないと思う)、そもそもウィリー──この役を演じているケイト・キャプショーという女性はのちにスピルバーグの奥さんになったのだそうだ──がインディに同行する理由も全然わからない。とにかく始めっから終わりまでシナリオが最低に不自然すぎる。
最初に劇場で見た時には、そのエンディングのあっけなさ──悪役が橋から落ちて終わりって、それは前作と比べてあまりに地味すぎる──にがっかりして、やたらと印象が悪かったのだけれど、今回二十年ぶりに見直してみて、その印象の悪さは別にエンディングだけのせいではなく、シナリオ全編における信じられないようなレベルの低さにもあったらしいことに気がついた。
(Jan 16, 2005)