アメリ
ジャン=ピエール・ジュネ監督/オドレイ・トトゥ/2001年/フランス/BS録画
トラウマだらけの少女時代を過ごし、内向的で空想癖のある孤独な女性へと成長した主人公アメリ(オドレイ・トトゥ)。ある日、自分の部屋に昔住んでいた少年が隠したまま忘れていった宝箱を見つけた彼女は、好奇心からそれを本来の持ち主──いまや孫もいる初老の男性──に返すことに決める。この行為をきっかけに周りの人々と(いささか間違った方法で)積極的に交流し始めた彼女は、やがて一人の気がかりな青年ニノ(マチュー・カソヴィッツ)と出会うことになる。彼が落としていった風変わりなアルバム──見知らぬ人たちが捨てていった証明写真を拾い集めたコレクション──に強い感銘を受けた彼女は、この男性とお近付きになるべく、独自のアプローチをかけ始めるのだった。
あちらこちらにファンタジー・タッチの演出が施された、キュートで良質なロマンティック・コメディ。日本で大ヒットを飛ばしたのがよくわかる、なんとも可愛らしい作品だった。ただ可愛いといって済ませられない奇妙さもあって、それがまた人気の秘訣だろう。幼いアメリがウサギやクマの形をした雲を写真に撮っているシーンに代表される、なにげない遊び心満載なところがまた魅力的だ。
(Feb 07, 2005)