スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー
ケリー・コンラン監督/ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロウ/2004年/アメリカ/DVD
舞台は1939年のニューヨーク。ここに巨大ロボットが来襲する。迎え撃つは特殊仕様のプロペラ戦闘機に乗りこんだスカイキャプテンこと、ジョー・サリバン(ジュード・ロウ)。彼はかつての恋人で敏腕女性記者のポリー・パーキンス(グウィネス・パルトロウ)とともにロボットをあやつる謎の人物トーテンホフの行方を追い始める。
実写にアニメのキャラクターを登場させるというのは 『ロジャー・ラビット』 や 『スペース・ジャム』 で行われたことだけれど、この映画はその逆。実写のキャラクターたちがCGの背景の中で演技するというアイディアを実現させた点で、やはり画期的な作品だと思う。まあ既に 『スター・ウォーズ エピソード2』 あたりはこれと同じレベルに達しているような気はするけれど、長編映画まるまる一本全部をその手法で貫徹したというのが偉い。なにごとも徹底する人は好きだ。実写とCGの組み合わせをなるべく自然に見せるためだと思われる、全体をセピア色の色調で統一した映像もクラシカルな味わいがあっていい。
ただそうした映像面での斬新さに反して、物語はまったくB級。なんだかあっちこっちの作品からいろんなものを借りまくって作りましたという感じで、まるでオリジナリティが感じられない。シックな映像に反して、物語的には全編に渡ってドタバタとした落ち着きのない雰囲気になってしまっている点が残念だ。
あと、見る前から勝手に悪役の親玉だと思いこんでいたアンジェリーナ・ジョリーが、いざ登場してみたら主人公の昔の恋人役だったのには拍子抜けした。強烈な存在感のある悪役を期待して、けっこう楽しみにしていたんだけれど……。
(Jun 11, 2005)