タロットカード殺人事件
ウディ・アレン監督・主演/スカーレット・ヨハンソン、ヒュー・グラント/2006年/イギリス、アメリカ/BS録画
このところのウディ・アレンはスカーレット・ヨハンソンがすっかりお気に入りで、三作つづけて自らの監督作に起用している。
この映画を観るまで、僕にはそのわけがいまひとつわからなかった。これまでに僕が観たことがあるスカーレット・ヨハンソンの作品というと 『ブラック・ダリア』 と、少女時代にちょい役で出演した 『バーバー』 だけで、そのどちらも、とりたてて魅力的な役どころではなかったからだ(まあ、後者の役はインパクトはあったけれど)。
それだからこの映画での彼女をみて、競演のウディ・アレンに負けぬ饒舌さでもって、ご老体を右往左往させるその見事なコメディエンヌぶりにびっくり。なるほど、これならば、ウディ・アレンが見初めるのも納得。十分ダイアン・キートンの代わりがつとまる。僕はこれまであまり彼女のことをいいと思ったことがなかったのだけれど、この映画の彼女はとても魅力的だった。
映画自体はといえば、 『マンハッタン殺人ミステリー』 と同じタイプのサスペンス・コメディで、スカーレット・ヨハンソン演じる新聞記者志望の女子大生が、旅先のイングランドで、話題の連続殺人事件にまつわる真相を幽霊から知らされ、大スクープをものにすべく接近した、容疑者の貴族(ヒュー・ジャックマン)と恋に落ちるというもの。ひさしぶりにウディ・アレンご本人も出演して、ヒロインに引っぱりまわされる老マジシャン役を、いつもの演技で快調に演じている。彼とヨハンソンの丁々発止のやりとりがこの映画の最大の魅力だ。基本的に僕はこの手の映画が大好きなので、とても楽しかった。
それにしてもヨーロッパにも三途の河(のようなもの?)があるんですね。これまたびっくり。
(Nov 03, 2008)