スター・ウォーズ クローン・ウォーズ
デイヴ・フィローニ監督/2008年/アメリカ/DVD
スター・ウォーズ・シリーズ初となる劇場版CGアニメ。
時期的にはエピソード2と3のあいだに挟まる話で、メインとなるのは、アナキンが彼のパダワン(弟子)となったアソーカ・タノという女の子とともに、誘拐されたジャバ・ザ・ハットの子供──あれはなんと表現したらいいのやら──を助けに行くという話。
アニメだけあって、物語はそれほど凝ったものではなく、アクション主体の作品となっている。ヘイデン・クリステンセンやユアン・マクレガーら、実写版の俳優陣をモデルにしたCGキャラが、みんなそれなりに似ているので、彼らがデフォルメされてアニメのなかに入り込んだようで、それなりにおもしろかった。アニメ版のアナキンは実写版よりも悪そうで、すでに半分くらいダークサイドに入りこんでしまっているように見える。
ただし、残念ながら大の大人にとっては、見どころはそうした似顔絵的キャラのおもしろさだけという気もする。もとよりスター・ウォーズの新シリーズ三部作は大部分がCGで成り立っていたわけで、そのことを念頭においてこの作品を観ると、やはり劇場版CGアニメとしては、ややグレードが低いかなという気がしてしまう。音楽もジョン・ウィリアムズじゃないし、オープニングからしてもう手抜き感がありあり。「アニメだからこれくらいでいいや」という作り手の姿勢が透けて見えてしまっていて、いまいち盛りあがれない。あまり関係ないけれど、ワーナーのロゴでスター・ウォーズが始まるってのも、ちょっとばかり違和感がある。
やはり、わざわざ劇場版として公開するのならば、ピクサー・アニメのように「実写になんか負けないぜ」という気概を感じさせて欲しかった。これではちょっと豪華な子供向け映画どまりだろう。決してつまらないとは思わないけれど、スター・ウォーズという映画のステータスを考えれば、酷評するファンが多いというのも無理はないと思う。
(Feb 03, 2009)