ジャンパー
ダグ・リーマン監督/ヘイデン・クリステンセン、レイチェル・ビルソン/2008年/アメリカ/BS録画
ダグ・リーマンの監督作品を観るのは 『ボーン・アイデンティティー』 『Mr. & Mrs.スミス』 につづいて、これが三作目だけれど、ことアクション映画ということについていえば、僕はいま、この人の映画が一番好きかもしれない。演出のリズムが見事につぼ。無駄なくてきぱきと話が進んでいって、観ていて気持ちいい。この手の派手な映画だと、普通はもっと長くなりそうなものなのに、1時間半にも満たない短さにまとめてみせたところにも好感が持てる。
物語としては、ある日突然テレポーテーションの能力を発現させたいじめられっ子が、その能力にものを言わせてゴージャスな第二の人生を歩んでいるうちに、彼のような能力者を処刑してまわっている、サミュエル・L・ジャクソン率いる謎の秘密結社に命を狙われるようになるというもの。主人公が世界中どこでも好きな場所に瞬時にジャンプできるということで、渋谷や新宿でのロケ・シーンなどもあってちょっと驚いた。
この映画に関しては、主人公がそれほど魅力的とは思えないし、彼のおいたちや母親(ダイアン・レイン)との関係、敵対組織の過去など、あまりに説明不足だと思う人もいるんだろうけれど、まあ、それはそれ。決して上出来な映画とは言えないかもしれないけれど、僕にはこれはこれで楽しかった。好きです、ダグ・リーマン――とか書いてみたら、なんだか告白しているみたいで、われながら気持ち悪かった。
ちなみに 『スター・ウォーズ』 好きなうちの奥さんは「やっぱりアナキンはイヤなやつだ」とあらぬ非難をあびせてました。かわいそうなアナキン、じゃなくて、クリステンセン。
(May 06, 2009)