2012年4月の映画

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  1. ボードウォーク・エンパイア

ボードウォーク・エンパイア

マーティン・スコセッシ製作総指揮/スティーヴ・ブシェミ、ケリー・マクドナルド、マイケル・ピット/2010年/アメリカ/WOWOW録画

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 マーティン・スコセッシが初めて連続テレビ・ドラマの監督と制作総指揮を務めるってことで話題になった海外ドラマのファースト・シーズン。
 禁酒法施行当時のニュージャージー州アトランティック・シティを舞台に、その土地の政治を裏で牛耳るイーノック・ニッキー・トンプソン(スティーヴ・ブシェミ)を中心に繰り広げられるドロドロの人間模様を描いてゆく。
 ニュージャージーを舞台にしたギャングもの、という点でいえば、『ザ・ソプラノズ』と同じ。制作も同じくHBOなので、その辺は意図的なのかもしれない。
 なんにしろ、ニューヨークでもシカゴでもない、なんとなくマイナーな印象のニュージャージーを舞台に、ギャングの最盛期をこれまでとは違った視点から描いて見せたのがこのドラマのポイント。まだ下っ端時代のアル・カポネも脇役として出てきて、物語に華を添える(僕は知らなかったけれど、ロススタインやラッキー・ルチアーノなども実存した有名なギャングらしい)。
 スティーヴ・ブシェミが好きな僕としては、彼が主演というだけでも要チェックの作品。さらには、彼の愛人役がケリー・マクドナルド。『トレイン・スポッティング』で女子高校生役を演じていた女優さんが、いまやこういう役を演じるってのに時の流れの速さを感じる。
 その他、僕はこれまで馴染みがなかったけれど、マイケル・ピットやマイケル・シャノンらの個性派俳優が脇を固めるキャスティングも豪華で、なかなか見ごたえがある。(CGを使った?)ボードウォークの風景や全体的に陰影のある映像もとてもきれいだ。
 まぁ、『ザ・ソプラノズ』と同じく、ケーブル・テレビの番組だけあって、テレビ・ドラマとは思えないほど大胆なベッド・シーンなどもちょくちょくあり、子供がいる時間帯には観にくいのがやや難点かなと。あと、シーズン2以降はさらにドロドロな展開が予告されていれているので、この先がちょっと心配だ。
(Apr 30, 2012)