24 -TWENTY FOUR- シーズン8
ジョエル・サーナウほか・制作総指揮/キーファー・サザーランド、メアリー=リン・ライスカブ/2010年/アメリカ/DVD
『24』のファイナル・シーズンをようやく観た。
これで最後だというので、どんな驚きの展開が待っているのかと思っていたら、序盤はいたっておとなしめ。架空の中東の国、カミスタンとの和平交渉が反対派の核兵器テロにあうという展開ながら、これまでのシーズンに比べると、テロのスケールがこじんまりとしている(テロにこじんまりはないか)。ジャックもジャックで、キムの家族(なんと孫がいる!)とともに新生活を始めようと決意したことで、事件に介入することに終始および腰だし。つまらないわけではないんだけれど、これまでのシリーズからすると、もっとも淡々とした印象だった。
でもそこは『24』。そのままで終わるはずがない。
物語がおいおいという怒涛の展開を見せるのは、最後の三分の一に突入してから。ここからが『24』の面目躍如というか、なんというか。ひっでー!って叫びたくなるような非道な展開のオンパレード。シリーズいちばんの嫌われ者キャラが戦線復帰してきたり、信頼できるはずの人が信頼できなくなったりしたあげく、ジャックがどう考えたって許されないでしょうよという暴走をし始めるのだった。
で、最終的には、そんな結末でいいのかよってエンディングを迎える。ファースト・シーズンを観たときの「ひっどいドラマだなぁ……」という感想をひさしぶりに思い出した。これでこそ『24』かもしれないけれど──そして、かなりおもしろくはあったけれど──、でもさすがにもういいやって感じ。ようやくこのシリーズと縁が切れて、なんだかひと安心だ。……って、まったくなんのために観てきたのやら。
(Jun 03, 2012)