2012年6月の映画

Index

  1. 24 -TWENTY FOUR- シーズン8
  2. トイ・ストーリー3
  3. X-MEN:ファースト・ジェネレーション

24 -TWENTY FOUR- シーズン8

ジョエル・サーナウほか・制作総指揮/キーファー・サザーランド、メアリー=リン・ライスカブ/2010年/アメリカ/DVD

24 -TWENTY FOUR- シーズン8 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

 『24』のファイナル・シーズンをようやく観た。
 これで最後だというので、どんな驚きの展開が待っているのかと思っていたら、序盤はいたっておとなしめ。架空の中東の国、カミスタンとの和平交渉が反対派の核兵器テロにあうという展開ながら、これまでのシーズンに比べると、テロのスケールがこじんまりとしている(テロにこじんまりはないか)。ジャックもジャックで、キムの家族(なんと孫がいる!)とともに新生活を始めようと決意したことで、事件に介入することに終始および腰だし。つまらないわけではないんだけれど、これまでのシリーズからすると、もっとも淡々とした印象だった。
 でもそこは『24』。そのままで終わるはずがない。
 物語がおいおいという怒涛の展開を見せるのは、最後の三分の一に突入してから。ここからが『24』の面目躍如というか、なんというか。ひっでー!って叫びたくなるような非道な展開のオンパレード。シリーズいちばんの嫌われ者キャラが戦線復帰してきたり、信頼できるはずの人が信頼できなくなったりしたあげく、ジャックがどう考えたって許されないでしょうよという暴走をし始めるのだった。
 で、最終的には、そんな結末でいいのかよってエンディングを迎える。ファースト・シーズンを観たときの「ひっどいドラマだなぁ……」という感想をひさしぶりに思い出した。これでこそ『24』かもしれないけれど──そして、かなりおもしろくはあったけれど──、でもさすがにもういいやって感じ。ようやくこのシリーズと縁が切れて、なんだかひと安心だ。……って、まったくなんのために観てきたのやら。
(Jun 03, 2012)

トイ・ストーリー3

リー・アンクリッチ監督/2010年/アメリカ/WOWOW録画

トイ・ストーリー3 (期間限定) [DVD]

 いい加減、映画を観る生活を取り戻さないといけないと思って、ひさしぶりに──というか、気がつけば音楽ドキュメンタリーとドラマ以外では今年に入ってはじめて──映画を観ました。『トイ・ストーリー』シリーズの第三弾(にして完結編?)。
 いやぁ、しかしこれが。やたら泣けるって噂には聞いていたけれど、ほんとに泣けた。まいった。
 物語はウッディたちの持ち主、アンディが大学入学のために家を出ることになり、さぁ、ウッディたちはどうなる、というもの。
 アンディがおもちゃで遊ばなくなってひさしいのだけれど、それでも彼はこども心を忘れない純真さのある青年で、幼いころに楽しく遊んだおもちゃを大事にしまってある。クライマックスではそんな彼が家を出るにあたって、幼いころからの思い出がたくさんつまった大事なおもちゃたちと別れをかわすことになる。その部分がもー、たまらなく涙を誘うのだった。感動的でいやだ、こういうの。いい年してアニメ観て泣きたくね~。でも泣いてしまった。
 全体的な展開はご都合主義満載で、『ダイ・ハード』ばりのサスペンス・アクション・シーンなどもあり、昨今のハリウッド・スタイルの定番といった感じなのだけれど、まぁ、もともとおもちゃが生きているという話なので、そこんところをつっこんでも仕方ない。アニメゆえに無駄のない演出で、そういうアクション・シーンも実写以上に楽しめるものに仕上がっているし、感動のエンディングまで含め、とてもよくできた映画でした。ホントまいった。
(Jun 17, 2012)

X-MEN:ファースト・ジェネレーション

マシュー・ヴォーン監督/ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー/2011年/アメリカ/WOWOW録画

X-MEN:ファースト・ジェネレーション 2枚組ブルーレイ&DVD&デジタルコピー(ブルーレイケース)〔初回生産限定〕 [Blu-ray]

 X-MENシリーズの重鎮、プロフェッサーXやマグニートーの若いころを描く新シリーズの第一弾。
 『バットマン・ビギンズ』や『スタートレック』の最新作など、最近の温故知新な新シリーズは軒並み出来がいいので、これにも期待していたのだけれど、なるほど、評判がいいだけあって、これもなかなかおもしろい。
 旧シリーズでもプロフェッサーXとマグニートーは「エリック」「チャールズ」とファースト・ネームで呼び合う仲なので、彼らの過去になんらかの親しい関係があったのだろうってことは、アメコミ版のX-MENを知らない人間にも推測できたけれど、この映画はそのふたりの若いころの出会いと別れを描いている点で、痒いところに手が届くような内容になっている。旧シリーズが好きだけれど、アメコミ版は知らないという人は必見ではないかと。
 ミュータントの抗争にキューバ危機を絡めてみせたシナリオも気が効いてるし、悪役の大ボス役がケヴィン・ベーコンだったり、ヒュー・ジャックマンがウルヴァリン役でワンシーンだけ特別出演していたりと、キャスティングもいい感じだ。惜しむらくは、女優陣に思わず見とれてしまうほどの美女がいない点くらいかなと(失礼)。最高とまではいかないけれど、十分におもしろかった。
(Jun 17, 2012)