アベンジャーズ/エンドゲーム
アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ監督/ロバート・ダウニー・ジュニア、クリス・エヴァンス/2019年/アメリカ/ユナイテッド・シネマとしまえん
今年最大の話題作『アベンジャーズ/エンドゲーム』を公開二日目に映画館で観た。
前作『インフィニティ・ウォー』の衝撃的な結末をふまえて、さてどう落とし前をつけてくれるのかが最大の注目だったこの作品――。
オープニングからの三十分ばかりは見事に予想外の、「なにそれ?」って展開をみせる。そんなの観たかったわけじゃねー感がはんぱない。
もちろん、これほどの話題作がそんなひどい出来なわけもないので、その後アントマンが復活したところから大いなる「アベンジ」が始まるわけだけれど、そこまでの展開――その予想外のインターバルの長さ――をどう受け取るかで、この映画への評価は大きく違ってくるのではと思う。僕個人はその部分が釈然としなくて、最後までいまいちすっきりした気分になれなかった。まぁ、ソーの変身ぶりはとてもおもしろかったけど。
前作で姿を消したヒーローたちをいかに復活させるかって部分に関しては、まぁそれしかないよねって話で、過去作を生かしたストーリー展開は上手いと思った。シリーズのファンならば、ぐっとくること間違いなし。
特に感心したのが、今回の完結編がほぼ『アベンジャーズ』第一作の主要メンバーを中心にした話になっていること。アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク、ホークアイ、そしてブラック・ウィドウ――。
ニック・フューリーが不在なことを除けば、初代アベンジャーズのメンバーがほぼ全員無事だってことに僕は気がついていなかった。
映画のポスターを観たときにはなんだか不思議な顔ぶれだと思っていたんだけれど、結局それは初代メンバーを生かすための伏線だったわけだ。ヒーローが増えすぎて収集がつかなくなってきたから、最後は初心に戻って、初代メンバーに活躍の場をあたえて、幕を引いてみせたと。そこんところはとても感心しました。
まぁ、その分キャプテン・マーベルの存在感のなさとかなにそれって感じだし(あんなに強いのに……)、ディテールを見るとそれはどうなのってところも多かった。特にシリーズの最重要人物であるあの人とこの人が最終的にああいうことになってしまうのがどうにも残念だった。僕の趣味からすると、全体的にどうにも話がウェットすぎる。どうせならもっとただひたすらに痛快なアベンジャーズが観たかった。
でもまぁ、みごたえのある作品であることには間違いなし。僕は土曜の朝いちにこの映画を観たら、それだけで午前中が終わってしまい、あまりの内容の濃さに一日分のパワーを使いきったような気分になってしまった。
なんて濃厚な三時間だったことか……。
(May. 12, 2019)