RENT/レント
クリス・コロンバス監督/アンソニー・ラップ、ロザリオ・ドーソン/2005年/アメリカ/Netflix
『チック、チック…ブーン!』の原作者ジョナサン・ラーソンによる大ヒット・ミュージカルの映画版。あの映画を観てしまったら、当然これも観ないではいられない。
オリジナルのブロードウェイ・ミュージカルは1996年が初演で、この映画の主要キャストも大半はその舞台の俳優陣がそのまま演じているとのこと。例外がミミ役のロザリオ・ドーソン(もしかしてこの映画でブレイクしたのか!)と女性弁護士のジョアン役のトレイシー・トムズという女優さん。
あとはみんな舞台俳優――ってことは、この映画が2005年公開だから、すでに十年近くその役どころを演じてきているわけだ。
なるほど。マーク役のアンソニー・ラップとか、なんかいまいち若さが足りなくない? と思ったら、すでに三十代なかばだった。
この映画版については、そのオリジナル・キャストにこだわったのが仇になっている気がする。舞台ならばともかく、映画で二十代の若者の話を三十代の俳優たちに演じさせたのでは、初々しさが足りないのも当然。決して出来が悪いとは思わないけれど、でも映画向けにまったく別の若い俳優をキャスティングをして、もっとぴちぴち感を出したほうが、さらにいい映画になっていたのでは……という気がしてしまった。ある種の若気の至りって感じの物語なのでなおさら。
でも『アナと雪の女王』の主題歌で有名なイディナ・メンゼル――彼女もこのミュージカル出身だったとは!――は当時からほとんどイメージが変わってなくてすごい。
あと、とりあえずオープニングでかかる『シーズンズ・オブ・ラブ』って曲――"Five hundred twenty-five thousand, six hundred minutes"って歌詞のやつ(525,600分 = 365日×24時間×60分)――は素直にいい曲だなと思いました。あの曲が聴けるからこの映画が好きって人がいても不思議じゃない。
(Mar. 21, 2022)