ドクター・ドリトル [2020]
スティーヴン・ギャガン監督/ロバート・ダウニー・ジュニア/2020年/アメリカ/Netflix
お気楽な映画が観たくて選んだ映画だったけれど、これはいささかお気楽すぎた。お気楽というか、ぶっちゃけひどい。
動物をCGで描いたいまどきの実写映画で、タイプ的にはちょっと前の『ピーター・ラビット』――俳優陣に興味がなくてちゃんと観てません――と同系統だけれど、イギリスの田園地方を舞台に動物中心のどたばたを描いたあの映画と違い、こちらは変にアクション・アドベンチャー系のストーリーになってしまっているのが駄目。
なぜにドクター・ドリトルが海賊と追いかけっこをしたり、ドラゴンと戦わなくちゃならないんだ。その着想が安直すぎる。これを観るくらいならば、『ピーター・ラビット』を観ればよかった(二作目は難ありだそうだけど)。ロバート・ダウニー・ジュニア主演だというので観ようと思った作品だったけれど、正直こんな映画には出て欲しくなかったよ……。
ということで、あまりの出来に途中で集中力が飛んでしまって、最後まできちんと観ていられなかったから、感想を書くのをやめようかと思ったんだけれど――うちの奥さんからも書かなくていいんじゃないといわれる始末だった――あえて書くことにしたのはその声優陣の贅沢さゆえ。
普通に出演している俳優で僕が知っているのは海賊のボス役のアントニオ・バンデラス(でもそういわれないとわからない)くらいだったけれど、彼らをとりまく動物たちの声優をつとめている俳優陣が無駄に豪華。
オウムがエマ・トンプソン、ゴリラがラミ・マレック、アヒルがオクタヴィア・スペンサー、犬がトム・ホランド、虎がレイフ・ファインズ、キリンがセレーナ・ゴメス、狐がマリオン・コティヤールって、なにそれ?
まぁ、当然声だけ聴いてその人と認識できるはずがないんだけれど、それにしても豪華。本当に無駄に豪華。こんな映画のためにこれだけの俳優陣が集まったという事実にびっくりだよ。もったいないにもほどがある。
(May. 14, 2022)