2005年8月の音楽

Index

  1. Devils & Dust / Bruce Springsteen
  2. Everything's OK / Al Green
  3. The Forgotten Arm / Aimee Mann
  4. Lost In Space / Aimee Mann
  5. Rebel, Sweetheart / Wallflowers
  6. Face the Truth / Stephen Malkmus

Devils & Dust

Bruce Springsteen / 2005

Devils & Dust

 ブルース・スプリングスティーンの新作はまたもやアコースティック系の作品。タイトルナンバーはおそらくイラン戦争についての歌だろう。これはなかなかいい曲だし、終盤にダンス・ビートが入ってくるあたりでぐっと来る。でもやはりアルバムとしては全体的に地味だから、歌詞をきちんと把握しないで聴いている現状ではいまひとつ盛り上がれない。
 ということで、深く入り込めないまま、日々の雑事に流され、今回も漠然と聞き流すばかりになってしまっている。
(Sep 04, 2005)

Everything's OK

Al Green / 2005

Everything's Ok

 アル・グリーンのブルーノート移籍第二弾。
 音作りは前作とほとんど一緒。ただアルバムのジャケット・デザインは、レトロな雰囲気でスタイリッシュだった前作と比べて、随分と垢抜けないものになっている。でもって、よく見るとアル・グリーンの名前の前に "The Reverend" という見慣れない単語が。リーダーズ英語辞典によるとこれは聖職者に対する尊称だそうだ。つまりアル・グリーン牧師(それとも神父?)のアルバムということらしい。それじゃあんまり気取ったデザインにはできないのも道理か。
 ただ、じゃあそういう名義だからゴスペル・アルバムなのかというと、思いきり Be my baby, be my special girl とか歌っていたりするし、そういうわけでもなさそうで。なんだかよくわからなかったりする。
 とにかくどんな出自の作品なのか、いまひとつわからないものの、内容的には普通にいい感じだったので、いまさら前のアルバムと一緒にそれなりに聴いた。
(Sep 04, 2005)

The Forgotten Arm

Aimee Mann / 2005

Forgotten Arm

 FMでかかっていた一曲目の "Dear John" がなかなかよかったので、ようやくエイミー・マンを聴く気になった。これがその曲が収録された彼女の新作。
 この人の場合、前作のシングル、"Humpty Dumpty" を聴いた時にも、おっと思ったのだから、その時にちゃんと聴いておけばいいものをと、思わなくもない。でも80年代からのロック・リスナーの身としては、今になってティル・チューズデイのボーカリストのソロを聞くのもなあ、なんていう間違った先入観を抱かずにはいられなかった。馬鹿でした。
 とにかく "Dear John" で一番格好いいのが、ワン・フレーズしか歌われないブリッジの部分のメロディ。そこだけ極端にキャッチーなところが、なんともいえずあとを引く。
 この作品がとてもよかったので、これを機にティル・チューズデイを含めた古いカタログも今後きちんとフォローすることに決めた。来日も決まったけれど、観に行くのは時機尚早。もっとちゃんと聴かないと。
(Sep 04, 2005)

Lost In Space

Aimee Mann / 2003

Lost in Space

 引き続きエイミー・マンで、こちらは最新作のひとつ前の作品となる、ソロ4作目。映画 『マグノリア』 のサントラを勘定に入れるならば5枚目ということになる。ネットで見たら、スペシャル・エディションが絵本のような作りになっていて、そこが僕のモノ好きマインドを直撃、つい高価なそちらを購入してしまった。いや、でもやっぱこれは買い。満足度高し。
 音については最新作と同じようなもの。この人はきっとソロになってからはずっとこんな感じなんだろう。過激なところはひとつもなく、丁寧な演奏に乗せて、ドライな声でさらりとした歌を聞かせる。それはそれでありだと思う今日この頃だった。
(Sep 04, 2005)

Rebel, Sweetheart

Wallflowers / 2005

Rebel Sweetheart

 ボブ・ディランの息子、ジェイコブ率いるウォールフラワーズの5枚目。今回は結構いい。少なくてもこれまでに聴いた3枚(ファーストのみ未聴)に比べると、もっとも音に勢いを感じた。いや、それも単に聴いているこちら側の精神状態のありようなのかなと、ガービッジやナイン・インチ・ネイルズを聴いた時と同じように思ったりもするのだけれど。
 どうでもいい話だけれど、 "Back To California" のイントロがオトゥールズの "Lenny Valentino" にそっくりなので、ついあちらを聴きたくなったりもした。ま、ある意味ありがちなギターのカッティングだから、詳しい人にはあちらもまた、ほかの誰かの曲を彷彿させるのかもしれない。
(Sep 04, 2005)

Face the Truth

Stephen Malkmus / 2005

Face the Truth (Jewl)

 元ペーヴメントのスティーヴン・マルクマスのソロ第三弾。
 奇妙な音を散らしたローファイな音作りはこれまでと同じ。全体としては地味目ながら、部分部分で僕のツボにはまるキュートなメロディを聴かせてくれるセンスもあいかわらずだ。今回は4曲目の "Freeze the Saints" と9曲目 "Post-Paint Boy" が特に好きだった。こういう風に力の抜けたポップな歌を聴かせてくれる存在は、なかなか貴重だ。存在は地味ながら、やはり無視するわけにはいかないアーティストの一人だと思う。
(Sep 04, 2005)