Here Come The Tears
The Tears / 2005
個人的な今年ダントツ一番の注目作、元スエードのブレット・アンダーソンとバーナード・バトラーの新ユニット、ティアーズのフル・アルバム。これを聴かずしてなにを聴くというくらい楽しみにしていた一枚だった。
楽曲はすべて二人の競作、プロデュースはバーナード・バトラー名義ということで、音作りはそのままバーナードのソロ活動の延長線上。ディストーションのノイズを自在にあやつる官能的なリズム・ギターにオーケストラをかぶせた、例のドラマティックな音作りになっている。そこにブレット・アンダーソンの声が乗っかる。それだけでもう過剰に感動してしまう僕がいる。決してこれが時代を揺るがすような重要な作品ではないとわかっても、二人がともにプレーしているという事実の前ではそんなことはどうでもいい気がする。なんだかこのアルバムに関しては妙に思い入れが強くて、冷静な判断ができない。
唯一の問題は収録曲が12曲しかないことだ。とてもじゃないけれど、もの足りない。もっともっと僕はこのバンドの音を聴いていたい。このままこのバンドが上手くいって、二人がいつまでもともに活動を続けてくれるよう、願ってやまない。
(Sep 04, 2005)