Keys to the World
Richard Ashcroft / 2006 / CD
元ヴァーヴのボーカリスト、リチャード・アシュクロフトのソロ第三弾。方向性はこれまでの2枚と一緒でほとんど新鮮味はないし、ロック・ミュージックとしてはかなり保守的な部類に入る音作りではあるけれど、これがどういうわけか、いまの僕にはとても気持ちいい。最近ストリングスに対して嫌悪感がなくなって、大仰なアレンジにも、まあこれはこれでありだろうと思えるようになったのが大きいんだろう──って、バーナード・バトラーが好きな男がなにを言っているんだという気もする。とにかく、いまさらながらにとても気に入ってしまい、一時期は過去の作品も含めて、この人の作品ばかりを繰り返し聴いていた。やっぱり歌が上手い人がいいメロディを歌うってのは、それだけで力があるものだと思う。今年のMyベスト5入り確実という一枚。
(Aug 20, 2006)