きらきら Live Tour 2007/2008 ~Final at 日本武道館 2 Days~
Cocco / 2008 / 3DVD[初回限定盤]
なんてきれいなんだろう──。
僕はこのライブDVDの Cocco を観ながら、幾度となくそう思った。歌う Cocco に、思わずみとれてしまっていた。
なにを言ってんだと思う人もいるだろう。Cocco なんて、それほど美人じゃないじゃんと。
失礼ながら、僕もいままではずっとそう思っていた。椎名林檎の歌のセリフじゃないけれど、決して美人というタイプじゃないよねと。
ところがだ。このビデオで見られる Cocco の姿は、掛け値なしに美しかった──少なくても僕にとっては、まちがいなく。
いや、つねにというわけではない。MCのときなどはごく普通で、特別な感じはしない(たどたどしい口調で訴える誠実なメッセージは、それはそれで非常に感動的だけれど)。
ただ、いったん歌を歌いだした途端、世界が変わる。音楽のある世界、歌のある世界において、Cocco は神懸かり的に美しくなる。そんなのありってくらいにセクシーに見える。
もちろん彼女の美しさというのは、その破格の歌声や自然体のステージ・アクション、バックバンドの優れた演奏力などがあいまったところに生まれ出るものだろう。初めに音楽ありきで、その上にべつの形で美が生じている。
まさにミラクル──ここには音楽のもたらす奇跡がある。「きれいになりたいとずっと思っていた」という少女は、そのたぐい稀なる音楽の才能と愛情でもって、本当に地上でもっとも美しい女性のひとりになった。おそらく武道館のステージを生で観ていた人にとって。少なくてもそれをいま録画で観るこの僕にとって。
なんたって音楽だけでもじゅうぶん素晴らしいのに、主役がこれほど美しいとなると、どれだけ言葉を尽くしても誉めたりない。武道館の二日間のステージを丸々収録した4時間を越えるこのDVD──オフステージの3枚目まで加えれば優に5時間超──は、この先もきっと僕に至福のひと時を約束してくれることだろうと思う。わが家の家宝のひとつとします。
(May 06, 2008)