Dig Out Your Soul
Oasis / 2008 / CD
音楽に関しては、今年もさんざんCDやDVDを買いまくっていたのに、感想を書いたのはそのうちのほんの一部だけだった。聴くだけは聴きまくっているのだけれど、なまじ量が多いので、ひとつひとつの聴きこみがあまくて、感想が書けないものばかり。いけねえなあと反省することしきりの一年だった。
とりあえずそんな今年もあと二日なので、せめて最後にこの一年をふりかえって、気にかかっていながら、書かないままになってしまっていた作品をいくつかとりあげて、一年の終わりとしたい。でもって、来年はもっときちんと音楽についても書くと。それが09年に向けての課題のひとつ。
さて、そうなるとまず取り上げておかないとと思うのがこれ。オアシスの通算7枚目のスタジオ・レコーディング・アルバム。
オアシスについては、僕のなかではファースト、セカンドだけが別格で、それ以降、ギャラガー兄弟がロック・イコンとしてのステータスを確立したサードからあとは、ほとんど盛りあがったことがなかったのだけれど、今回はひさしぶりによかった。初期のような独特のグルーヴ感は薄れているものの、持ちまえのメロディーセンスが健在なところへきて、音作りがいい感じに乾いている──と僕は思う。ただ、まるで反対の感想を抱く人もいそうな気がする。
なんにせよ、潤いのあるメロディーをうまい具合に引き締める、この適度にドライな音がいい。音響のよさを素直に楽しめる分、リアムのボーカルに拘泥する割合が低くなり、ノエルのあいかわらずのでしゃばりぶりがそれほど気にならない点も、個人的にはプラスの要因だと思った。まあ、どうせならば全曲リアムに歌わせてくれないかなという思いは変わらないけれど。
(Dec 29, 2008)