Farm
Dinosaur Jr. / 2009 / CD
2年前にリリースした10年ぶりの前作 『Beyond』 が各誌で絶賛されているので、ずっと気になっていたダイナソーJr、これはその次回作となる復活第2弾。前作はなんとなく思って見送ってしまったのだけれど、こちらはちょっぴり不気味な童話風のジャケットが気に入って、ついついジャケ買いしてしまった。
なんでも今回の復活劇では、デビュー当時のオリジナル・メンバーが顔をそろえているのだそうで、輸入盤CDのシールには「オリジナル・メンバーでの5枚目」みたいなコメントが添えられていた。3作目の 『Bug』 のあとでメンバー交替があったらしい(その辺のことはなにも知らないやつ)。
なんにしろ、僕個人がダイナソー・Jrの作品を聴くのは97年の 『Hand It Over』 以来12年ぶり(ただし、あいだにJ・マスキスのソロを一枚聴いている)。そしたらこれが、笑っちゃうくらいに変わっていなかった。
たれ流される豪快なディストーション・ギター、難しいこと抜きでひたすらキャッチーなメロディ、やる気のなさそうなボーカル。前作 『Beyond』 もほぼ同時に入手して聴いたのだけれど、どちらも見事なまでに僕の思っているダイナソーJrのイメージ、そのまんま。特別なことはなにもやっていない気がするのに、ダイナソーJr以外のなにものでもないって思わせるところがすごい。しかも2枚つづけてとても出来がいい。同じアメリカのオルタナティヴ・ロックでも、グリズリー・ベアの繊細さとは対極にある、あけっぴろげなグランジの逆襲。
轟音を鳴らすときのニール・ヤングにもっとも近い遺伝子を持ったバンドはこのダイナソーJrじゃないかと思う。年じゅう、こればっかだったら簡単に飽きてしまいそうだけれど、たまに聴くと、たまらなく気持ちいい。
(Jul 09, 2009)