2013年6月の音楽

Index

  1. Once I Was An Eagle / Laura Marling

One I Was An Eagle

Laura Marling / 2013 / CD

Once I Was An Eagle

 もはや僕の好きな女性ボーカリスト・ナンバーワンといっても過言ではないUKのシンガー・ソングライター、ローラ・マーリングの4枚目のアルバム。
 彼女の音楽は、ジャンル的にはすべてフォークソングということになるのだと思うけれど、それでもアルバムごとにそれぞれ少しずつ感触が違う。
 その声と音の端々{はしばし}に十代らしい初々しさが感じられたファースト。突然トラッド色を強めて、ぐっと渋くなったセカンド。部分的にディストーション・ギターを鳴り響かせたりして、より力強さが加わったサードときて、今回の4枚目では、音のニュアンスがとても繊細になっている。これと比べると、前作がとても大らかで開放的に聞こえる。
 前作の音を象徴するのがエレクトリック・ギターだとするならば、今回のアルバムはドラムとパーカッション。ここぞという部分では、それら打楽器の音をこれでもか積み重ねて、厚みを出している。その手法が頂点に達しているのが、アルバムを象徴するリード・シングルの『Master Hunter』。こりゃもう、文句なしの一曲。
 まぁ、ただそのほかにはここまでアッパーな曲はなくて、全体的なイメージはかなり地味だ。1曲目から3曲目までなんて、似たような曲調の曲が並んでいて、どこで曲が終わって、どこから次の曲が始まっているのか、よくわからない。そのあたりを聴いていると、これはもしかしたら、ある種のコンセプト・アルバムなのかもしれないと思えてくる。でも本当のところはよくわからない。
 なんにしろ、一部を除いて、地味は地味。で、曲数も16曲で1時間以上と、彼女のアルバムでは過去最高のボリュームなので、聴いていて退屈してしまう人もいるかもしれない。
 それでも僕にはこれ、最高の作品だった。ここが嫌いだとと思うところがまったくない。夾雑物いっさいなしの極上のアコースティック・サウンドに乗った、彼女の涼やかなボーカルがただひたすら気持ちいい。楽曲が地味な分、飽きもこないし、いつまでも飽きずに聴いていられそうな至福の一枚。
(Jun 21, 2013)