2013年8月の音楽

Index

  1. In Love / Peace

In Love

Peace / 2013 / CD

In Love: Deluxe Edition

 おそらく今年UKでデビューしたうちで、もっとも注目されている新人バンドのひとつ、ピース──とカタカナ表記にすると、なんだかお笑いコンビみたいなので、英語で Peace と書いたほうがよさそうな気がする──のデビュー・アルバム。
 これは今年の僕のアルバム・オブ・ジ・イヤーを争う一枚。なんでしょうか、この色気のある音は。この1枚のなかに、90年代以降のUKロックのエッセンスがばっちり詰まっている感じ。曲も粒ぞろいで捨て駒なし。ここ数年のうちで、最強のルーキーではないかと思う。サマソニでの初来日、叶うことなら観たかった。
 まぁ、難をいうならば、こんなバンド聴いたことがない!──というようなオリジナリティは感じないけれど、でもいまの時代にそんなこと求めるのも酷だ。ストーン・ローゼズだって、デビュー当時に渋谷さんから60年代の焼き直し、みたいな評価をされていたわけだし。
 少なくても僕はこのバンドに、ストーン・ローゼズやプライマル・スクリームやその他、多くの優れたUKバンドの血が受け継がれているのを感じる。それもとても濃く。そこがなにより大事。20年以上UKロックを聴いていて、この音を否定できる人はあまりいないんじゃないかと思う。少なくても僕は一発でやられた。シングルの『Follow Baby』は今年の僕のソング・オブ・ジ・イヤーの第一候補です。
(Aug 31, 2013)