Peace Trail
Neil Young / CD / 2016
今年の前半はエレカシの昔語りに時間を取られて、新譜の感想を一枚も書いてこなかったので、ここいら辺でその間に聴いていたお気に入りの新譜の紹介を。
まずは去年の暮れにリリースされたニール・ヤングの最新作──って、すでに半年遅れだけれど。
このアルバムについては、とにかくその音が好きだった。
ドラムにジム・ケルトナー、ベースにポール・ブッシュネル(後述)、そしてギターがニール・ヤングというスリー・ピース・バンドによるシンプルきわまりない演奏ながら、そのシンプルな音作りがたまらなくいい。
要はリズム・セクションのふたり。タムを多用したケルトナーのドコドコとした太鼓に、それを強調するようなモコモコとした音で控えめにベースを鳴らすブッシュネルのプレーのアンサンブルが秀逸。派手さはないけれど、味わい深くて最高。
大御所のケルトナーさんはともかく、ポール・ブッシュネルという人については名前さえ知らなかったので、どういう人か調べたのだけれど、いまどき珍しくネットにも情報が少なくて、いまいちよくわからなかった。どうやら『ザ・コミットメンツ』という往年の映画のサントラを手がけて売り出した人で、その後はセッション・ミュージシャンとして活動してきたアイルランド人っぽい。最近では吉井和哉のソロ・バンドにも加わっていたらしい。おそらく年齢的には僕らよりちょっと上くらいなんだろう。
要するにニール・ヤング氏よりはずいぶん下。そんな年下のベーシストと同世代の伝説的なドラマーと組んで、こういうシンプルで味わい深いアルバムを作ってみせるニール・ヤングって、やっぱいいよなぁと思う。
(Jul 02, 2017)