The Visitor
Neil Young + Promise of the Real / 2017 / CD
ニール・ヤングがウィリー・ネルソンの息子ルーカスのバンド、プロミス・オブ・ザ・リアルと組んで録音した二枚目のスタジオ・アルバム。
前作ではニール・ヤングらしからぬギター・アンサンブルが新鮮だったこのコラボだけれど、あいだに一枚ライブ盤の『Earth』をはさんだことで──つまり一緒にツアーをまわって親睦を深めたことで?―─なにやらスタンスが変わったみたいだ。このアルバムの音はまるでニール・ヤングのソロやクレイジー・ホースとの共作と変わらない感触に仕上がっている。つまり今回はまったく違和感なく、これぞニール・ヤングと思える音が聴ける。少なくても僕個人の印象としてはそう。
ニール・ヤングという人は本当にいい耳を持っているんだろう。この人の作品って、作品によっていろいろと方向性は変わるけれど、音響的な面ではつねに一定の水準を超えていて、退屈を感じさせることがない。ポール・マッカートニーさんなんかだと音響的にコンサバすぎて刺激が足りないと思うことが多いのに、ニール・ヤングの作品でそう思ったことってほとんどない気がする。
このアルバムでも、一曲目のノイジーなギター・サウンドから、『Children of Destiny』でのオーケストラをフィーチャーしたぶ厚い音作り、十分を超えるラスト・ナンバーでのアコギの穏やかな響きまで、楽曲ごとに多種多様な音作りをしながら、アルバム全体では一本芯の通った統一感がある。で、それがいま現在鳴っていてしかるべきロック・サウンドとして僕の耳には届く。
何度目かわからないけれど、やっぱりニール・ヤングっていいよなぁと思った。
(Jan 28, 2018)