Coishikawa Scraps / Music

2026年のコンサート

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  1. 宮本浩次 @ 日本武道館 (Jan. 10, 2026)
  2. ずっと真夜中でいいのに。 @ 日本武道館 (Feb. 28, 2026)

宮本浩次

tour 2026 新しい旅/2026年1月10日(土)/日本武道館

 新年のライブ初めは今年もエレカシ!――ではなく、宮本浩次@日本武道館。

 『新しい旅』と題された今回のツアー、なにが驚きだったかってその内容。

 去年『俺と、友だち』をやった直後だし、このタイトルだし、当然その流れをくんで、新しい仲間たちとツアーをまわるんだと思い込んでいたら、そうじゃなかった。

 開演前に、以前にも聴いたことがあるような、ふわっとした環境音楽みたいなのが流れてるのを耳にした時点で、あれ、もしかしたら? とは思ったんだよなぁ……。

 キーボード、小林さんじゃん……。

 ギター名越由貴夫、ドラム玉田豊夢、ベース須藤優に、キーボードが小林武史って。

 『ロマンスの夜』のときのバンドと一緒じゃん!

 まぁ、メンバーは一緒でも、やっている内容が激変しているというのならばともかく、あまりに代わり映えしなくて逆にびっくりだった。

 いや、『さらば青春』とか『ハローNew York』とか、エレカシのレアなシングル・カップリング曲が聴けたり、エレカシだと嬉しくない『彼女は買い物の帰り道』がソロだと妙にしっくりきちゃったりするのは一興だったけれども。

 それでもあとは基本、これまでに観たソロ・コンサートと同じ。映像なしだった前回とは違い、今回はスクリーンも三面ちゃんとある。『木綿のハンカチーフ』が電車のガタンゴトンという効果音のあとで始まるのとか、『ハレルヤ』で手書きの歌詞が出たりする演出とか、前とまったく一緒じゃーん!

 宮本にとっては、レコーディングに小林さんが絡んでいない『風と私の物語』と『I AM HERO』をこのバンドで初めてやることに意味があるのかもしれないけどさぁ。

 でも、それをもってして『新しい旅』とか言われてもなぁ……。

 あぁ、なるほど。『新しい旅」ってのは、つまり「新年ツアー」を言い換えただけってことだったのか……ってがっかりした。

 でもまぁ、前述したエレカシの三曲を含む第一部はそれでもけっこうよかった。『光の世界』から始まってすぐに『Do you remember?』でがっと盛り上げる感じとか、緩急のつけかたが巧みで、選曲の意外性もあって、いい出来だと思った。『化粧』、『風に吹かれて』、『sha・la・la・la』、『風と私の物語』、『I AM HERO』など、個人的に愛着のある曲や、新曲が並んでいたこともあって、お、きょうのコンサートはけっこういいかもと思った。

【SET LIST】
    [第一部]
  1. 光の世界
  2. Do you remember?
  3. さらば青春
  4. 化粧
  5. over the top
  6. ハローNew York
  7. 彼女は買い物の帰り道
  8. 風に吹かれて
  9. 今宵の月のように
  10. sha・la・la・la
  11. 風と私の物語
  12. I AM HERO
    [第二部]
  13. Woman "Wの悲劇"より
  14. 異邦人
  15. 哀愁につつまれて
  16. 悲しみの果て
  17. rain -愛だけを信じて-
  18. 昇る太陽
  19. ハレルヤ
  20. 俺たちの明日
  21. Today -胸いっぱいの愛を-
  22. 木綿のハンカチーフ
  23. close your eyes
  24. P.S. I love you
    [Encore]
  25. 冬の花
  26. 夜明けのうた

 くじけたのは、この日も第二部――とくに『rain -愛だけを信じて-』以降。

 前回同様、この曲のサビの口パクパートでどっちらけてしまう。

 本当にあそこでテープを使うのはやめて欲しい。もしくは使うならば、低いパートを録音にして、高いパートを生で歌って欲しい。なまじ耳に残るパートが口パクなので、気分が萎えることはなはだしい。

 基本的にソロの場合はセットリストではエレカシに遠く及ばないのだから、せめて宮本の歌声の気持ちよさを心から楽しみたいわけですよ? なのに、なぜに楽しめなくなるようなパフォーマンスをしてみせるかな? まったく理解できない。

 この日は第二部の比較的早い時間帯にこの曲が持ってきてあったので、そこから先がずっとダウナーな気分のままになってしまった。

 あと、首を傾げたくなったのが、『Today -胸いっぱいの愛を-』の演出。『ハレルヤ』と同じように、宮本の手書きの文字で「Today、イエイエーエェー」みたいなのが表示されていたけれども、なにあれ?

 『ハレルヤ』は「幸あれ~」というポジティブなメッセージの曲だから、まだわかるんだけれど、「イェイ、イェイ」みたいな歌詞を見せられて、いったいどうしろと?

 ユーモアのつもりだったとしたら、ズレすぎている。そもそも字も汚いしなぁ……。宮本の手書き文字を見られて嬉しいって喜ぶオーディエンスばかりだと思ってんだろうか。なに考えてんだかさっぱりわからない。

 とにかくさ、もう余計な演出なんていらないんですよ。宮本はただ歌ってるだけで十分にカッコいいんだからさ。全力で歌っている姿が見られれば、それだけで僕らは満足なんだから。下手な演出は逆効果だってことに気がついて欲しい。

 去年のバースデーコンサート以来ずっと歌われている『哀愁につつまれて』とか、思ったよりいい曲かもって気がしてきたし、最初の二番くらいまでは小林さんのキーボードだけで、そのあと玉田豊夢のドラムがドコドコと入ってくる『木綿のハンカチーフ』のミニマムなアレンジとかはけっこう好きなので、なにもかもが悪かったとまでは思わないんだけれども。

 でもやっぱ、なにより『rain』が駄目。なまじ曲自体はいいので、それが中途半端なパフォーマンスのせいで楽しめなくなってしまっているのがもどかしくて仕方ない。

 あと、やっぱ本編の締めが『P.S. I love you』ってのがなぁ……。

 僕はいまだに「愛してる」を連呼する宮本浩次に慣れることができないでいる。

 アンコールのラストが『夜明けのうた』だったので、前回と比べればいくらかあと味はよかったけれども、そんなこんなで今回も満足したとはいい切れない、残念無念な宮本の新春公演――ではなく最新ツアーの初日だった。

 あぁ、せっかくの武道館なんだから、もっとがっつりと楽しみたかったよ……。

(Jan. 21, 2026)

ずっと真夜中でいいのに。

ZUTOMAYO INTENSE II「坐・ZOMBIE CRAB LABO」/2023年2月28日(土)/日本武道館

形藻土

 ずとまよ二度目のアジアツアーのこけら落しとなる日本武道館公演の初日。

 ずとまよを武道館で観られる!――ってんで、今回もこれは絶対に観なきゃと2デイズ両方申し込こんで、二日分のチケットを確保できたのだけれど、うちの子も興味があるというので、二日目は譲った。なので僕が観たのは初日のみ。

 今回のツアーは海外公演を含む――というか、ツアータイトル的には海外こそが主体――というところがポイントだった。

 おそらく巨大なセットを海外へと持ってゆくのが現実的ではないからだろう。ステージセットはいつになくシンプルで、これまでのようにその豪華さに驚かされることがなかった。

 ステージ左袖には西洋風の墓石と枯れた樹のセットが配されていた。反対の右手にもなにか屋台みたいなのが飾ってあったけれど、遠くてなんだかわからず(僕らの席はステージ向かって左手、一階席の南西十列目)。

 あとは短めの花道があって、Lの字を角を頂点に倒したような左右非対称の三角形にLEDライトを配したセットがステージ前面を飾っているだけで、ステージ上にはとくになにもないようだった(少なくても僕らの席からは確認できなかった)。

 そのかわりに今回は全面のバックスクリーンが配されている。つまり物理的なステージセットの代わりに映像演出が主体だった。ものづくりへのこだわりが強いACAねさんにとっては不本意そうだけれど、海外を視野に入れてコストを考えたら、こうならざるを得ないんだろうなと思った。でもそういう海外仕様のずとまよを見られるというのが今回のツアーのおもしろさだ。

【SET LIST】
  1. 形 [Short Ver.]
  2. 勘ぐれい [Short Ver.]
  3. 低血ボルト [Short Ver.]
  4. 残機
  5. シェードの埃は延長
  6. 蟹しゃぶふぁんく [新曲Short Ver.]
  7. 奥底に眠るルーツ
  8. クリームで会いにいけますか
  9. 彷徨い酔い温度
  10. ばかじゃないのに [即興Ver.]
  11. よもすがら [新曲]
  12. 秒針を噛む
  13. お勉強しといてよ
  14. 海馬成長痛
  15. [新曲]
  16. ヒューマノイド
  17. マイノリティ脈絡
  18. あいつら全員同窓会
  19. TAIDADA
  20. 間人間 [新曲]
  21. 正義
  22. 脳裏上のクラッカー
  23. メディアノーチェ

 映像は波打ち寄せる岩場の海面から朽ちた時計塔がつき出ているゴシック風のものがメイン・イメージ。

 「ゾンビ蟹ラボ」というツアータイトルのコンセプトに準じて、オープニングはゾンビに扮したオープンリールの二人による寸劇でスタートした(このパートが無駄に長い)。

 彼らが花道の先端に描かれた魔法陣のところまでいって、なにやらごにょごにょと呪文みたいなのを唱えると、奈落からドラキュラが入っているような棺桶がせり上がってくる。棺の蓋があくと、そこには花で埋め尽くされた中に横向きになって眠るロリータファッションのACAねの姿――。

 そのまま一曲目の『形』のイントロが始まり、ワンコーラス目はACAねは微動だもせずに横たわったままで歌を聴かせた。あれは本当に歌ってたんですかね?

 ワンコーラス(のサビ前まで?)が終わったところでいったん演奏がブレイクして、ACAねが眠りから覚めたというジェスチャーとともにゆっくりと棺を抜け出す。そのままギターを手にして、棺の前に用意されていたマイクスタンドに向かって、毎回恒例のひとことめ、「《ずっと真夜中でいいのに。》です」の挨拶をして、つづきを歌いだした――んだったと思う(いささか記憶があいまい)。

 とりあえずゾンビとロリータファッションの組み合わせを見て、ペローナじゃん!――って思いました(@『ONE PIECE』スリラーバーク編)。そういうオーディエンスがたくさんいたに違いない。

 この『形』から始まる冒頭三曲はどれもメドレー気味のショートバージョンだった。でもメドレーってほどにはつながりを意識していないし、どうせならばフルで聴かせて欲しかった。

 今回は新譜『形藻土』のリリースを一ヵ月後に控えてスタートするツアーなので、どれだけ新曲が演奏されるかも注目ポイントだったわけだけれども――。

 結果からいうと、この日演奏された未発表曲は四曲。

 序盤に弾き語り気味でワンコーラスだけ演奏された曲は、蟹がどうしたという歌詞がコミカルな感じで(『蟹しゃぶふぁんく』という曲らしい)、これってデモテイク?――って思ってしまうような簡素なアレンジだった。

 中盤には配信ドラマ『時計館の殺人』の主題歌として書きおろされた『よもすがら』が演奏された。これはちょっと歌謡曲っぽいテイストのシリアス路線の曲。

 後半に洋楽タッチの浮遊感のある新曲がひとつと、「板チョコ」を「痛チョコ」と語呂合わせした新曲が歌詞つきで披露された。

 以上四曲。今後ツアーの途中で新譜がリリースになったら、また別の曲が加わってくるんだろう。

 定番になっている三択アドリブ演奏コーナーは、ACAねがゴルフのパットをして、当たったゲートの曲を演奏するというもので、この日の曲目は『ばかじゃないのに』だった(翌日も同じだったらしい)。

 最初の寸劇にしても、ああいうのって日本語のわからない海外にいってもやるんですかね? 大丈夫なの? ってちょっとだけ心配になった。

 少なくても僕個人はあの手の余興にすっかり食傷気味になっているので、余計なことはしなくていいから、もっと音楽を聴かせてよって思う気持ちが強くなっている。しゃもじも、前後左右見回してみても、いまや持っていない客は俺だけじゃん?――ってくらいの普及率だしなぁ……。そろそろずとまよライブも卒業の頃合いかもしれない。

 いずれにせよ今回のツアーは海外を視野に入れているところが肝だった。新曲も披露されたけれど、それ以上に懐かしの初期の名曲が多かった。『ヒューマノイド』とか『脳裏上のクラッカー』とか、すごいひさびさ感があった。ラストひとつ前の『正義』での恒例ピアニカイントロは、この日は『威風堂々』のバンド演奏に流れ込む豪華版。

 バンドはドラムがよっち、ベース二家本、キターコジロー、鍵盤岸田、ホーンがたぶんふたり、オープンリール三人という構成――だったはず。個人名でのメンバー紹介がなかったし、斜めな角度から見ていて、ステージ構成がよくわからなかったので、誰が誰やらという感じだった。

 コンサートの締めは、これも生では初披露となる『メディアノーチェ』。曲の前に「今回は本編の構成を大事にしたいのでアンコールにはお応えできません」みたいなMCでのお断りがあって、その曲のあと、ACAねはメンバーたちと一緒にふつうにステージを去っていった。

 ACAねの退場シーンもいつもだと見どころのひとつなので、そういう普通の退場の仕方ひとつとってみても、今回のツアーはイレギュラー感があった。

 でもまぁ、馴染みのない新曲こそあれ、それ以外はずとまよのストロング・スタイルといってしかるべき印象のセットリスト――だったのですが。

 個人的にはもっとも聴きたかった『微熱魔』がまさか演奏されないとは!

 うちの奥さんは「『ミラーチューン』が聴けなかった」と嘆いていたし、翌日うちの子は『嘘じゃない』が聴けなくて残念だったといっていたそうだ。

 ほんと体力的に厳しくて、そろそろライブ全般からの引退を考え始めていて、前述したとおり、この頃のずとまよライブは余興が過ぎていささか心が離れ気味な部分もあるのだけれども、もう一度生で『微熱魔』が聴きたいので、いましばらくは通おうかと思っている。

(Mar. 15, 2026)