連勝すればグループリーグ突破が決まるはずだった日本代表の2試合目、セネガルとの対戦は残念ながらドローに終わった。
でもまぁ、ここでの勝ち点1のおかげで第三戦にドローでも決勝トーナメントが決まるという前向きな引き分けだから、結果オーライ。あと勝ち点を1だけ稼げばグループGのイングランドかベルギーと対戦できる。それを励みに次のポーランド戦もいい試合をして欲しい。
ということで、西野さんが選んだこの日のスタメンは前の試合とまったく一緒。「勝ってるチームはいじるな」がサッカー界のスタンダードだから、まぁよし。個人的には初戦でミスした川島を替えて欲しいところなんだけれど──。
とか思っていたら、この試合でも川島のミスで失点を許してしまう。まぁ、最初にミスしたのは原口で、右サイドからのクロスが流れてきたところを無理な体勢からヘディングでクリアしようとして、相手ボールにしてしまい、そこからのシュートを打たれて、川島がパンチングで止めたら、その跳ね返りが目の前まで詰めてきていたセネガルのエース、10番のマネの膝にあたって日本のゴールに飛び込んでしまうという……。
あぁ、なんて「日本代表あるある」な失点……。これまでにも何度こんなゴールを見せられたことか……。
原口は無理につなごうとしないでゴールラインの外に出すべきだったし(そもそも触らなきゃ勝手にゴールライン割ってたんじゃ?)、川島もあそこはパンチングじゃなくキャッチングでしょう? あぁ、まったく、なにやってんだか。ミスが一度にふたつも重なれば、そりゃ失点しても当然。
でもまぁ、そんな恥ずかしい失点だったけれど、比較的早い時間帯だったのが幸いだった。前大会のコートジボワール戦のように、後半途中までしのいだあげくの失点だとダメージがでかいけれど、この日のように前半わずか11分とかなら、挽回のチャンスはまだまだある。今回の代表は事前の親善試合で負けまくったために、打たれ強くなっている感もある(1点くらいは取られて当然な)。
果たしてそんな日本代表が同点に追いつくのは時間の問題だった。
前半34分、柴崎からの左サイドへのロングフィードを長友がナイス・トラップ(決して長くない脚をよくぞ伸ばした!)、マークについた相手2枚をかわして、斜めに入ってきた乾とパス交換。で、乾は得意の角度から狙いすましたシュートをどーんとファーサイドに突き刺した。
やたっ、同点! 柴崎のパス、長友のトラップ、乾のシュートとすべてが噛みあった素晴らしい同点ゴールだった。
同点になってからはけっこういい試合運びができていたと思うんだけれど、後半に入って柴崎の見事なクロスを大迫が空振りしたり(なぜだ!?)、乾の2本目の美麗なシュートがバーをたたいたりと、決定機を逃すシーンがつづいたと思ったら、好事魔多しで、そのあとにセネガルに追加点を許してしまう。
左サイドからパスをつながれ、チェックにいった柴崎の股間を通されたボールがファーに流れたところへ、22番のワゲ(なんと19歳だって)が走り込んできた。右足の豪快なシュートが日本ゴールに突き刺さる。殊勲の乾がマークに入ったけれど、止めきれず。
でもこの日の日本はこれでやられたりしなかった。その直後に香川OUT→本田IN、原口OUT→岡崎INと、ベテラン二人をあいついで投入したと思ったら、それからわずか5分もしないで、本田の同点ゴールが生まれる。
右サイドからのクロスが弾かれてファーに流れたボールを乾が拾って、グラウンダーのクロスを配球。ニアで岡崎がGKと交錯して、ボールがファーに流れた先に本田がフリーで待っていた。本田にとってはあまりにごっつぁんな同点ゴール。
本田はこれで3大会連続ゴールとのこと。また、通算4ゴールはパク・チソンやアン・ジョンファンを抜いてアジアの選手では最多らしい。すごい。やっぱ持ってる男は違う。
このゴールのシーンで個人的にしびれたのは、一連のプレーの起点となったのが、昌子の守備だったこと。
その場面にかぎらず、昌子はセネガルの攻撃をきっちりと受け止める一方で、落ちついたボール捌きで攻撃の起点になっていた。柴崎も試合全体を通して、日本の司令塔として大活躍。終盤には何度となく相手の攻撃の芽をつんで、そのまま日本の攻撃につなげる素晴らしい守備を見せていたし、大迫もポストプレーで抜群の存在感を発揮していた(まぁ、決定的なシュートミスはあったけど)。
鹿島勢にかぎらず、そのほかの選手たちも文句なし。3枚目の交替カードで出てきた宇佐美もとりあえず一度だけ攻撃に絡んだし(ボールを持ちすぎてシュートまで持っていけなかったのにはがっかりだったけど)。結果こそドローに終わったけれど、交替選手まで含めて、日本代表のパフォーマンスは上出来だった。
まぁ、正直なところ、もっとできるんじゃないかとも思うんだけれど、それでも現時点での成績はじゅうぶん称賛に値する。なにより世界じゅうの人たちがのフェアな戦いっぷりを気に入ってくれて、その試合を楽しんでくれているようなのが嬉しい。
前大会でもこういう戦いができると思っていたのに、結局その力を見せられずに不出来なままに終わってしまって、どれだけ悔しい思いをしたことか。今回はきちんとその反省をふまえて、期待以上のサッカーを見せてくれている。ハリルホジッチの解任が正しかったかは大いに疑問だけれど、ここまでの結果をみる限りでは、西野さんをリスペクトせずいはいられない。
でもまぁ、次の試合でポーランドに負けたら、ここまでの活躍がだいなしですからね。あとひと試合ふんばって、絶対に決勝トーナメントへの切符を勝ちとって欲しい。
あぁ、木曜日の試合がすでに待ち遠しいぞ。
(Jun 25, 2018)