#100 序章 ~Pilot~
ファースト・エピソードはシリーズのコアとなる異星人による誘拐事件(いわゆるアブダクション)もの。
超常現象を専門に取り扱うFBIの異色部門Xファイル。その部の唯一の担当者である変人フォックス・モルダー(デヴィッド・ドゥカヴニー)のもとに、お目付け役として新人のダナ・スカリー(ジリアン・アンダーソン)が配属されてくるところからこの長大なシリーズは始まる。
さっそくオレゴン州沿岸の街で発生した連続変死事件の捜査に向かった二人は、そこで死体が人間とは思えないミイラに変わっているのを発見したり──その頭部には謎の物質が埋め込まれている──、時間が喪失するという怪異現象に遭遇したり、地元の保安官に捜査を妨害されたりと、相次ぐトラブルに見舞われる。最後は唐突にモルダーが、犯人は何年間も昏睡状態だった青年であることを見破り(なぜ?)、その青年が無意識で病院を抜け出して、エイリアンとコンタクトしようとしているところに行きあわせる。
見物人がいたせいか、青年とエイリアンとのコンタクトはならないものの、彼はこれを契機に正気を取り戻して、エイリアンとの遭遇についての告白を始める。けれどその証言の証拠となる唯一の品(スカリーが死体の頭部より摘出した謎の物質)は、シガレット・スモーキング・マン(ウイリアム・B・デイビス)により国防総省の倉庫に隠蔽されてしまい、事件の真相の謎は闇の中へ……、というのがこの序章の内容。
一時間ドラマとは思えない内容の濃さに加え、若き日のスカリーのブラジャー姿まで見られるという、サービス満点のオープニング・エピソードだった。
(Mar 13, 2005)