Coishikawa Scraps / Movies

X-ファイル シーズン2

X-ファイル シーズン2 (字幕版)

Index of Season 2

#201 リトル・グリーン・マン ~Little Green Men~

 Xファイルを廃止されていじけるモルダー。盗聴の仕事に嫌気がさしてFBIを辞めようかと思い悩む彼に、陰ながら彼の後援をしてくれている上院議員から“コンタクト”についてのリーク情報が。これを受け、彼は仕事を放り出してプエルトリコへ。放棄された研究所でついに地球外生命体と接触を……。

 記憶力のない僕はこの一話目で既にXファイルが復活するものと思っていたので、このセカンド・シーズンの1枚目のDVDに収録されている4話をすべて見ても復活しなかったのにはかなり意表をつかれた。いやはや、見事なまでに記憶を喪失している。

 少年時代にモルダーが体験した妹サマンサのアブダクションのシーンが映像化されているのにも(良くも悪くも)びっくりさせられるセカンド・シーズンのオープニング・エピソードだった。

(May 15, 2005)

#202 宿主 ~The Host~

 ロシア貨物船で海を渡ってきた寄生虫ウズムシのミュータントがニュージャージーの下水道に入り込み、下水道局員に襲いかかる!

 ゲテモノ・シリーズの極めつけ。こいつは気持ち悪い上に臭そうでいけない。ウズムシの怪人の気持ち悪さはもちろんのこと、腐乱死体の解剖シーンとかも結構大胆に撮影してあるし、その手のグロテスクなものが好きな人にはうってつけの話だ。

 ファースト・シーズンの最後に登場、悪役だと思われていたスキナーが、モルダーの反抗的な態度を寡黙に受け流して、実は意外といい人かもと思わせるあたりがシリーズとしては重要なところかと。

(May 15, 2005)

#203 血液 ~Blood~

 リンゴ栽培で栄えるありふれた小都市に相次ぐ衝動的な連続大量殺人。モルダーは事件の背後に有害な非認可農薬とサブリミナル効果の影響があることを看破する。

 途中に50年代のニュース映像だと言って流れる、人体に悪影響がないということを強調したいがために、農薬を大勢の女性や子供たちに思いっきり吹きかけている映像がすごい。身体に悪くないからって、わざわざそんなことしなくたって……。しかも実際には発ガン性があったというんだから笑えない。アメリカのこういうところにはついていけないなと思う。

 このエピソードのクライマックスは農薬とサブリミナル効果のせいで正気を失った失業者(ウィリアム・サンダーソン)が、大学の時計塔からライフルを乱射するという、現実にあったような事件だ。この前の『宿主』がチェルノブイリが原因で誕生したミュータントの話だったり、次の『不眠』が戦時下の非人道的な人体改造や虐殺を問題にしていたり。セカンド・シーズンに入るなり、社会問題的を練りこんだエピソードが多くなった印象がある。

(May 15, 2005)

#204 不眠 ~Sleepless~

 睡眠研究の第一人者が火事の通報を残して変死する。実際には火事などなかったにもかかわらず、死体は焼死した時と同じ症状を示していた。この学者が戦時中に一部の兵士に不眠治療を行っていたことを突き止めたモルダーは、その被験者の一人コール(トニー・トッド)が、他人の夢を操作できる特殊能力を身につけたのではないかと推測する。

 眠らないで済めば人生はその分長くなるんだろうけれど、かといって惰眠を貪るあの気持ち良さを失うのは、やはり気が進まないなと、怠惰な僕は思う。いずれにせよ眠らないで得た時間分は結局無駄に過ごして終わりそうだと思ってしまうのが小市民の証だ。

 このエピソードで憎まれ役クライチェック(ニコラス・レア)が初登場。既に最初から悪役であることがあきらかにされているのはちょっと意外だった。

(May 15, 2005)

#205 昇天 Part1 ~Duane Barry ~

 アブダクション歴のある元FBI捜査員のドゥウェイン・バリーが精神病院を脱走、人質をとって立てこもる。変人には変人ということで呼び出されたモルダーが交渉にあたり、解決に漕ぎつける。ところが撃たれて病院に収容されたバリーは、意識を取り戻すと病院を抜け出し、スカリーの家へ……。

 宇宙人(?)がバリーの身体に埋め込んだ金属片をスカリーが試しにバーコードリーダーに読み込ませてみたら大騒ぎになっちゃうというくだり。話の展開としてはとてもおもしろいけれど、ミクロンのバーコードを読み込める機械なんか存在するはずがないとか思ってしまうのは、職業柄、バーコードリーダーの簡単なプログラムをいじったことのある身としては致し方ない。

(Jun 11, 2005)

#206 昇天 Part2 ~Ascension ~

 スカリー誘拐さる! 決死の覚悟でドゥウェインのあとを追うモルダーと、暗躍してそれを邪魔するクライチェック。モルダーの奮闘かなわず、ドゥウェインを再逮捕するも、そのままスカリーは行方不明に……。さらにはドゥウェインが絞殺され、クライチェックも失踪。混迷する事態を前に、スキナー副長官がXファイルの再開を宣言する……。

 『昇天』は邦題が1~3になっているから、3本でワンセットみたいな印象があったけれど、こうしてクレジットを見てみると三本とも監督も脚本も全然別の人なのがちょっと意外。なんにしろXファイルの再開が決まったというのに、スカリー不在で重苦しい雰囲気の漂う一作だった。

(Jun 11, 2005)

#207 トリニティ ~3~

 人の生き血を啜る連続殺人犯を追うモルダー。ところが見事な推理をもとに捕まえてみた男が、陽光を浴びて焼死してしまう。オカルト好きにしては珍しく吸血鬼の伝説を信じていなかったと言うモルダーだけれど、この事実を前に認識を一新。吸血鬼の仲間を探して、とある美女と巡り合う。

 スカリーの居ぬ間にという感じで、モルダーがひさしぶりに美女と戯れる作品。吸血鬼の話だからなのか、どことなくヨーロッパ的な湿度が感じられる。

(Jun 11, 2005)

#208 昇天 Part3 ~One Breath ~

 どこからともなくスカリーが生還。しかしいまだ意識不明のままで、オカルト入ったお姉さんなどが登場して見守る中、容態は徐々に悪化してゆく。ローン・ガンメンの助けを借りて、スカリーの血液に未知のタンパク質──“超”最先端のバイオテクノロジーを駆使した分岐DNA──が含まれていることを知ったモルダーは、助ける方法を知っているのはスモーキングマンしかいないと、奴の住処へ押しかける……。

 スカリーが戻ったわけも、命をとりとめたわけもさっぱりわからないけれど、まあそんなことを言っていてもなあと思わせるエピソード。あまりXファイルらしくない話ながら、謎の看護婦さんの存在がきらりと光っている。

(Jun 11, 2005)

#209 地底 ~Firewalker~

 『氷』や『闇』と同じタイプのエピソードで、今回は火山の火口を調査していた研究チームと連絡がとれなくなり、モルダーとスカリーが調査に出かけることになる、というもの。病み上がりのスカリーを思いやって一人で行こうとするモルダーだけれど、スカリーは仕事をしていた方が気が晴れていいと言って同行する。

 現地での調査の結果、生物学の常識を覆すケイ素キノコの存在があきらかになり、その菌糸に寄生された研究員たちを、調査団のリーダー、トレプコス(ブラドリー・ウィットフォード)が、繁殖したらば人類の危機だとして、殺害していたことがわかる。

(Jul 03, 2005)

#210 レッド・ミュージアム ~Red Museum~

 肉食を禁忌して「赤の博物館」と名乗る新興宗教教団が活動を続ける精肉の町で、若者がなにものかに誘拐され、背中に「HE IS ONE」と書かれた姿で発見されるという事件が連続する。宗教教団の関与を疑う保安官から捜査の依頼を受けたモルダーたちは、事件の背後に思いがけない事実が隠されていることを知る……。

 なんだか地味なエピソードだと思ってみていたら、最後の最後に思わぬどんでん返しがあってとても驚かされた。ありですか、そういうの?

(Jul 03, 2005)

#211 不老 ~Excelsius Dei~

 老人介護施設で看護人の女性が幽霊にレイプされた。アルツハイマー症の患者たちが次々と正気を取り戻しつつあるというその施設では、ボケから回復した老人たちは先を争うように謎のカプセルを服用していた。幽霊の出没は、どうやらそのカプセルの影響らしい。モルダーがそのカプセルを老人たちに渡していたアジア系看護人の隠し部屋に忍び込んでみると、そこには妖しげなキノコが栽培されていて……。

 モルダーが看護人の女性と部屋に閉じ込められて水攻めにあうシーンでは、「なぜ銃でドアを破らない?」とつっこみたくなった。さまざまな映画でいっつも見せられている行為なのにね。

(Jul 03, 2005)

#212 オーブリー ~Aubrey~

 ミズーリ州オーブリーでBJ(デボラ・ストラング)という女性刑事が60年前に失踪した刑事の白骨死体を掘り起した。折りしもその土地では、死体となった刑事が生前最後に追っていたものと同じ手口の連続殺人事件が発生していた。しかし当時の事件の犯人は既に八十を超え、満足に歩くこともできない老人。とてもではなけれど新たな殺人を犯せるとは思えない。さもするうちにBJは謎の犯人に襲われたり、新たな関係者の死体を発掘したり。はてさて、一体彼女と事件の関係は如何に。

(Jul 03, 2005)

#213 フェチシズム ~Irresistible~

 女性の遺体から髪と爪を奪うという猟奇犯罪が発生。やがて犯人が暴走して殺人を犯すようになるかもしれないというモルダーの危惧が現実となり、ついにはその魔の手がスカリーへと……。

 Xファイルにして初の超常現象なしのエピソード。そういう意味でちょっとびっくりさせられた。でもスカリーによるとこの事件は今までのどんな犯行よりも信じ難いらしい。彼女が(犯行の不気味さゆえに?)アブダクションの記憶を揺すぶられ、精神的な動揺を見せるという展開が見所のひとつだ。

(Jul 09, 2005)

#214 呪文 ~Die Hand Die Verletzt~

 悪魔崇拝者の教師たちが人目を忍んで密かに黒弥撒を開いたりしている高校で、生徒の一人が殺される。捜査におもむいたモルダーたちは悪魔の所業を目の当たりにすることになる。

 ここまで徹底的にオカルトなエピソードも珍しい。悪魔崇拝教師の一人が大蛇に食べられちゃう展開がものすごかった。

(Jul 09, 2005)

#215 新鮮な死体 ~Fresh Bones~

 ハイチ難民キャンプの警備を命ぜられている海兵隊で自殺が二件相次いだ。どちらも現場には呪術絡みと思われる絵が描かれていたことから、ブードゥーの呪いではないかという風説が立ち、モルダーたちの出番となる。

 ブードゥーと聞くと僕らの場合はニューオリンズを連想してしまうけれど、この話のブードゥーはハイチ人の間に広まっているもの。どうもその辺の因果関係はよくわからない。いずれにせよ前作に引き続きこの作品もすごくオカルトだ。死んだはずの海兵隊員が説明もなく生き返っちゃったりする。それってあり?って思う。

(Jul 09, 2005)

#216 入植 Part1 ~Colony ~

 同じ顔をした別人の医者数名が連続して殺害される。殺人犯である謎のターミネーターは、CIAだと騙って顔を変えて──この人は変幻自在──事件を捜査するモルダーに接触、事件は旧ソ連のクローン実験の賜物だと嘘を吹き込む。翻弄されるモルダーにさらなる衝撃。なんと8歳の時に宇宙人に誘拐された妹のサマンサが自宅に姿を現す……。

 いきなり瀕死のモルダーが救急病棟へ運び込まれるというオープニングから、その理由があきらかにならないまま「To be continued...」で終わる罪作りなエンディングまで。セカンド・シーズンでもっともハイテンションでインパクトのある一編だった。

(Jul 09, 2005)

#217 入植 Part2 ~End Game ~

 モルダーに化けたターミネーターにスカリー誘拐さる! モルダーに対する敵の交換条件はサマンサ。仕方なく相手の要求に応じたモルダーは、再び妹を失うことになる。しかし彼女が残していったアドレスを訪ねたモルダーは、そこで彼女と瓜二つの女性たちと会うことに……。数々の謎を解き明かすため、モルダーは単身アラスカで座礁した潜水艦へと向かう。

(Jul 30, 2005)

#218 恐慌の均整 ~Fearful Symmetry~

 透明の象が暴走。その象を飼育していた閉園寸前の動物園では、動物たちが謎の失踪を遂げる事件が連続していた。モルダーはエイリアンによる動物のアブダクションを唱えて一笑に付される。

 象の解剖シーンがすごい。

(Jul 30, 2005)

#219 歪み ~Dod Kalm~

 軍艦の乗組員が老人化するという事件が発生。調査に向かったモルダーとスカリーは自らも老化の災難にあう羽目に。

 スカリーの老婆姿がすごい。

(Jul 30, 2005)

#220 サーカス ~Humbug~

 奇形が売りのサーカス芸人ばかりが住む町で連続殺人事件が発生。犯人は伝説のフィジー人魚? ブラック・ユーモアたっぷり、変人モルダーが真の奇人変人に翻弄されるシリーズきっての怪作。

 シャム双生児の語源となった兄弟とか、フィージー人魚とか。なにかの本でこの数年の間に見たり読んだりした覚えがあるのだけれど、なんの本だったかが思い出せなくて気持ち悪い。

 と書いたあとで調べてみて、とりあえずシャム双生児の方はスティーヴン・ジェイ・グールドの『フラミンゴの微笑』だと判明。フィジー人魚の方はあいかわらず不明のままだ。江戸川乱歩かな?

(Jul 30, 2005)

#221 カルサリ ~The Calusari~

 ルーマニアの爺さんたちが少年にとり憑いた悪霊のお祓いをする話。

 いつもは超常現象に縁のないスカリーが、何もないところで宙吊りになっている少年の母親を見つけたり、思いっきり吹っ飛ばされたりしているのが珍しい。

(Jul 31, 2005)

#222 幼虫 ~F.Emasculate~

 刑務所で服役中の囚人あてに送られてきた肉(鳥の足?)には、人間に寄生して36時間で死に到らしめる未知の昆虫が宿っていた。その囚人を始めとして伝染病が蔓延、軍が収拾に乗り出した刑務所へとなぜか派遣されてきたモルダーとスカリー……。

 虫はやたらと気持ち悪いし、アウトブレイクな展開はスリリングだけれど、その事件とモルダーたちがどう関係しているのかがよくわからなかった。

(Jul 31, 2005)

#223 影踏み ~Soft Light~

 暗黒物質(ってなに?)を研究していた科学者が、実験中の事故が原因で、彼の影を踏んだ人をブラックホールに落とすという特異体質となってしまい、その能力を政府に悪用されるのではないかと苦悩しまくる、という話。

 設定は滅茶苦茶荒唐無稽だけれど、話としては結構おもしろい。ミスターXも敵だか見方だかわからない度を高めている。

(Jul 31, 2005)

#224 カニバル ~Our Town~

 養鶏で全国的に有名な地方都市が、実は町ぐるみで密かに人を食っていた──いや別に馬鹿にしていたという意味ではなく文字通りの意味で──という話。

 スカリーが首をはねられかけるシーンがなかなか強烈。このセカンド・シーズンは主人公二人の災難度がファースト・シーズンに比べて倍になっている気がする。

 所謂いわゆる狂牛病ことヤコブ病とその原因としてすっかり有名になったプリオンが、丁度今から十年前のこのエピソードで重要なキーワードとしてとりあげられていて興味深い。でも邦題はネタばれでよくないと思う。

(Jul 31, 2005)

#225 アナサジ ~Anasazi~

 国防総省のコンピュータに潜入したハッカーがモルダーに預けたのは、政府がUFO関連の情報を隠してきた証拠文書だった。アメリカ原住民の言語で暗号化されたその文書を解読するために接触した人物、ナバホ族のアルバート・ホスティーン(フロイド・レッドクロウ・ウェスタマン)により、モルダーは驚くべき別の証拠物件──宇宙人と地球人のハーフの大量虐殺現場?──を発見することになる。

 怒濤のセカンド・シーズン最終エピソード。シーズン最後の話で「To be continued...」って……。この終わらせ方は何度見ても罪作りだと思う。デアゴスティーニのシリーズではこの1話分だけがサード・シーズンの1枚目とカップリングされていて、なんだかすっきりとしない構成だなあと思っていたのだけれど、こうして内容を見せられてみて、これはこれでありかなと思った。

(Aug 20, 2005)